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「Collings」を語る。その③:トラディショナルシリーズの評価

 


私が衝動買いしてしまったOM-2HT(Authentic Style)です。


何が凄いって、本当に音色が自然で、レスポンスも極めて素直なのです。私がローズウッドのOMに求めるもの全てが備わっています。


もちろん、個人製作家の作るギターや、ヴィンテージのような強烈な個性はありませんが、私の弾き方に応じて、様々な表情を見せてくれるのです。


当然のことながらこれ以上に素晴らしいギターも存在しますが、これさえあれば他には何もいらないとさえ思えるほどに素晴らしいギターだと考えています。


とはいえ、極めてベーシックなシトカスプルースとインディアンローズウッドの組み合わせですからね。


材フェチの方からすると、つまらないギターと思われるかもしれません。


でも、音だけは抜群に良いのです。


もしかすると、初期ロットということもあり、選びに選び抜かれた材が使われていたり、もしかすると、優秀な技術者が製作している可能性もあります。


ただ、その後に出たトラディショナルシリーズを弾く限り、いずれも素晴らしい仕上がりだと感じています。


言いかえると、シトカ、インドローズの組み合わせであっても、良質な材が選定され、優れた設計思想と、卓越した製作技術があれば、圧倒的な音色を作り出せるのだなと。


これは、ちょっとやそっとのハンドメイドギターでは太刀打ちできないなと。音は材で決まるなどと言う方もいますが、その常識を覆された気がしました。


ちなみにこのOM-2HTですが、初期ロットということもあり、ネックの形状がかなり肉厚のオーセンティック仕様となっています。


これだと弾き難いなどと言われる方もいらっしゃるとは思いますが、この肉厚なネックでないと出せない音があるんですよね。


例えるならば初期のGibson J-45も、通称ベースボールバットなどと呼ばれる極太ネックで有名ですね。もちろん、コリングスはそこまで太くありませんが。


その後、トラディショナルシリーズのネックは、レギュラーシリーズに近い細身なものに変更されています。


でも、ビル・コリングスがこだわって設計したであろう初期のオーセンティックネックが奏でる音色は素晴らしいですので、機会があれば是非試していただきたいと思います。


などと、いろいろと書いていますが、結局のところ皆さんが気になるのは同じコンセプトのギター、例えば、マーティンのオーセンティックシリーズや、最近話題のプリウォーギター(ブランド名)との比較ですよね。


コリングスのヴィンテージ・サウンドに衝撃を受け、マーティンがオーセンティックシリーズの開発に取り組んだなんて話もあるだけに、興味深いところですよね。


そして、そのオーセンティックシリーズへのコリングスからの回答がトラディショナルシリーズなわけですしね。


というわけで、続きは次回にでも。



・「Collings」を語る。シリーズ 

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