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9月, 2021の投稿を表示しています

道具としてのギターに求められるもの。

この画像は、 前回ご紹介した1938年製の000-18(左)と 初登場の1938年製の000-28(右)です。 どちらもフォワードシフトブレーシングの 44.5ミリ幅のワイドネック仕様です。 実はかなり無茶をして2本揃えていました。 価格的にはOMという選択肢もあったのですが、 私的には、マーティンではやはり ロングスケールのOMではなく、 ショートスケールの000が好みなんですよね。 また、オリジナルのOMは、 演奏性など、まだ改良点があるように 思ったりもしていて、 OMを買うならマーティンを発展させた ルシアものかなと考えています。 ただ、あの暴れ馬的な魅力は、 オリジナルOMでなくては 感じられないので、 難しいところではありますね。 ま、結局のところ、 無理がたたり、家計がおかしくなり、 個人的に破産(笑) 000-28は泣く泣く手放すことに なってしまったのですが。。。 でも、もうこれ以上はないと言える ギターを 所有できたということだけでも 幸せだったと思うようにしています。 だからというわけではありませんが、 ヴィンテージギターという点では 行き着いてしまったなと感じていたりします。 ここまでくると、ヴィンテージにはないものを 求めたくなるのが男心というもので。 では、ヴィンテージギターでは満たせない 部分 とは何なのか。 それは実用性であったり、実践力かと。 すなわち道具としてのギターですよね。 楽器なので道具で当たり前と言われれば それまでですが、 ヴィンテージギターを骨董品のように 集めることも楽しみのひとつなわけで。 では、ギターを道具としてみた場合、 求められるものは何でしょう。 傷をつけても気にならないような お手軽さというのも重要だとは思いますが、 今回は性能として何が必要かを 考えたいと思います。 それはいかなるコンディションでも 良い音色を出せる安定性だったり、 トラブルの起こらない堅牢さ、 そして音程などの楽器としての精度 ではないでしょうか。 ぶっちゃけ、ゴールデンエラ期の マーティンも精度は高いです。 これは本当に技術力の高い職人がいたのか、 はたまた、価値のあるギターだから 丁寧にメンテナンスがされてきたからなのか。 実際のところはわかりませんが、 職人の技術力が高かったということに しておきましょう。 それだけに、 やはり

マホガニー図鑑「000-18(1938年製)」

ついに巡り合えました。 1938年製のMartin 000-18です。 今まで色々なギターを弾いてきましたが、 まさに別格と言える一本です。 一般的に1930年代は マーティンのゴールデンエラ期と呼ばれ、 歴史あるマーティンのギターの中でも 特別なものとされています。 世界中のコレクター、プレイヤーが 探し求めているのもこの時期のギターですね。 ゴールデンエラと言っても 実は様々な仕様が存在していて、 簡単に分類するだけでも、 (1934年以前)  ・エボニーロッド  ・バーフレット  (指がひっかかって微妙に弾き難い・・・) (1934年以降)  ・スチール製のTバーロッド  ・現在と同じフレットに変更(演奏性向上) (1938~1939年以降)  ・ブレーシング位置が変更(リアシフト)  ・ナット幅が44.5mmから42mm幅に変更 (1942年以降)  ・エボニーロッドに変更  (第二次大戦により鉄が入手制限かかる) 人それぞれの好みはあると思いますが、 やはり1934〜1941年が人気が高いですね。 (お値段も) この個体が作られた1938年頃は過渡期にあたり、 様々な仕様のものが混在しているのですが、 この個体は移行前のフォワードシフト、 ワイドネックと呼ばれるナット幅44.5mmの 仕様のものです。 主にフィンガースタイルで演奏する 私にとっては、このは仕様が理想ですね。 本家マーティンの オーセンティックシリーズ (000-18 Authentic 1937)でも、 このギターと全く同じ仕様が 採用されていますからね。 マーティン社としても、 それだけ理想的な仕様と 考えているのかもしれません。 オーセンティックシリーズとしても かなり初期段階で製作されていますしね。 このナット幅の変化ですが、 弾き語りなどの歌ものに合わせやすいように 変更されたのだと思っています。 ブレーシング位置の変更(リアシフト) とともに、和音の響きに大きく 影響しますからね。 肝心の音色ですが、、、 私は今まで、アディロン・マホのプリウォーは、 このブログでも紹介した ・1937年製のD-18 ・1938年製の00-18 と所有していましたし、 その他でもプリウォーのギターは それなりの本数を試奏してきましたが、 独特のプリウォーサウンドというものがある と感じてます。 ア