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そろそろギブソンでも語りますか、10年間の研究結果!(その①)

  今はギブソンと言えば、あいみょんなのでしょうか。 このブログを始めてから 10 年が経過したこともあり、私もそれなりの経験値を積んできたわけですが、まだ自分なりの結論が出せていなかったギターブランドがあります。 それは『ギブソン』です。 とにかく、ギブソンは難しいのです。特にヴィンテージのギブソンは難しいです。 何が難しいのかというと、とにかく個体差が大きい、これに尽きます。 同じモデル、年式でも音色が異なり、ギターごとに様々な個性があるんですよね。もちろん、これがギブソンの醍醐味ではあるのですが。 それに加えて、作りが雑、セッティングが悪いこともギター選びをより複雑にします。 その一方で、作りやセッティングが悪いにも関わらず、なぜだか音の良いギターが多かったりもするので謎が深まるわけです。 そのため、セッティングを良くしたらもっと音が良くなるのではないかと期待してギターをいじると、途端に今までと同じ音が出なくなってしまうこともしばしば。 つまり、音が気に入って買ったのであれば、買った状態をなるべく維持しながら使い続けるしかない、それがギブソンなのです。 でも、アコースティックギターは季節や日々の温度湿度の変化ですらコンディションが変わる楽器ですからね。コンディションを維持することは本当に難しいのです。 そのため、このような扱いの難しいギターとどのように付き合っていけばいいのか、ずっと頭を悩ませてきたというわけです。 そして私が辿り着いた結論はこれです。 『ギブソンこそ感覚に頼らず、年式、仕様から理論的に音の傾向を読み取ろう』 です。 もちろん自分の好みに合ったスペシャルな一本との出会いを否定するものではありませんよ。 ただ、ギブソンとして出したい音のイメージが明確にあるならば、理論的に考えてその音を出しやすい仕様(年代、年式)のものから探した方が効率的ではないかと考えたわけです。 また、スペシャルな音色を求めるのではなく、仕様(理屈)通りの音色を求めるのであれば、音の変化はコンディションが変化したとしてもある程度想定の範囲内に収まりやすいのではないかと考えたわけです。 すなわち、今までの直感や出会いに頼っていたギブソン探しから、理屈に基づいたロジカルなギブソン探しを提案したい、ということになります。 本当にそんなことができるのかはわかりませんが笑、次回以降では

ソラマチで開催された「Guitar Canvas」にてMr.Jimmy(桜井)さんの演奏を観る。

  東京スカイツリーの近くにある Lattest Sports にて開催された「 Guitar Canvas 」に行ってきました。 このイベント、毎月第一金曜日に開催されているそうで、今回は第六回目とのことでした。 いつもはエレキギター中心のイベントだそうですが、今回はアコースティックギター特集とのことでしたので参加してきました。 この日はスペシャルゲストとして、もはやワールドクラスの存在となったジミー桜井さんが参加されるので、とても楽しみにしていたんですよね。 ジミー桜井さんを知らない人のために補足しますと、レッド・ツェッペリンのトリビュートバンドとしてワールドワイドで活躍されています。 その活動はツェッペリンのジミー・ペイジ氏本人からも認められていて、単なるコピーといったレベルのものではなく、再現とか継承といった、もっと高い次元での表現活動をされています。 日本ではトリビュートバンドというと格下なイメージを持たれがちですが、米国ではひとつのジャンルとして認知されているようで、全米ツアーなどもやられていたりします。 ご参考に夕刊フジの記事をアップしときますね。 そしてさらには日本未公開ですが、その活動のドキュメンタリーが映画化されていたりもするんですよね。 ジミー桜井が語る、映画『 Mr. Jimmy /  ミスター・ジミー』の制作秘話と活動のこだわり ジミー・ペイジが認めた日本人ギタリストのドキュメンタリー 当日、桜井さんが使用したのは、このブログでもお馴染みの Harmony H1260 Sovereign です。「天国への階段」で使用したことで有名なギターですね。 この日は「 Rain Song 」と「 Stairway to Heaven 」の二曲を演奏してくれました。 いやー演奏が素晴らしいのは当たり前なのですが、演奏している時の所作というか佇まいが完全にジミー・ペイジなんですよね。 私も長年、レッド・ツェッペリンを追いかけている人間のひとりなので本当に感動してしまいます。 また興味深かったのが、レインソングの変則チューニングの話や、天国への階段に近づけるためのピッキングポジションなど、桜井さんの研究の一部を聞かせてもらえたことですね。 私の愛読書である「 世界で一番ジミー・ペイジになろうとした男 」にも様々な研究成果は記載されていますが、本人の口から直

お陰様でこのブログも10周年を迎えることができました。

とはいえ、私の性格上、 10 周年だからといって特別な記事を書く気もないのですが。 ただ、滅多にない機会ですので、普段の記事としては書きにくいことを書いておきたいなと思います。 この 10 年で私が学んだこと、、、 やはり「音色の評価は難しい」ということに尽きますね。 この難しさとは、 ・音の感じ方は人それぞれ ・音の言語表現も人それぞれ ・楽器の使用目的も人それぞれ ということです。 そもそも音を聴く耳の構造にも個人差があるし、聴こえた音に対する脳での処理も違うはずです。 つまり、すべての音がすべての人に同じように聴こえているとは限らないのです。 さらには、その聴こえた音を言語化しようとすると、個人的な感性に基づいたバラバラな表現になってしまいます。 つまり、よほど近い環境・経験や価値観を持った人同士以外では、ギターの音色の良し悪しのコミュニケーションは成立しにくいのです。 ぶっちゃけ、これが一番この 10 年で痛感させられたことかもしれません。 また、そういった人間の個体差を除いたとしても、その日の体調や気分、天候によっても聴こえ方、感じ方は変わります。 高音域が耳に痛いと感じるギターでも、梅雨時の湿度が高い時期にはバランスが良く聞こえることもあるかもしれません。 もしくは、音の抜けが悪いなと思うギターでも、冬の乾燥した時期になるとちょうどいいバランスで鳴り出すなんてこともあるかもしれません。 さらには環境による影響も大きく、試奏した楽器屋と持ち帰った自宅でも当然のことながら響きは変わってきます。 また、同じ自宅だとしても、壁の近くで演奏するだけで高音域が反射しやすくなり、音のバランスが変わって聞こえるようになります。 これだけの変動要素があるのに、ギターの良し悪しをあたかも絶対的なもののように語るって何なのかなと、ブログを書きながら自問自答することがよくありました。 と言うこともあり、私の書いている記事も含め、あまりギターの音色について語っている人を信用しない方がいいですよというのが、 10 年続けて辿り着いた答えかもしれません(笑) ですので、もっと客観的に捉えられるもの、例えばボディサイズやシェイプ、スケールの長さといった定量的に評価できる要素を軸に語り合うべきかなと今は考えるに至っています。 もしくは、現在研究中ではありますが、周波数特性を基にした分析で