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5月, 2014の投稿を表示しています

ハンドクラフトギターフェス 2014に行ってきました(前編)。

現代の名工によるハンドクラフトギター&ウクレレの展示会。 今年で10周年を迎えたそうですね。 MartinやGibsonであれば、日本全国の楽器屋さんで試奏できますが、国産のルシアーものとなると、なかなか触れる機会がないですよね。 というわけで、思いっきり試奏してきましたよ(笑) 今回は、SUMI工房、エム・シオザキ弦楽器工房、Sakata Guitars、スギタケンジ、Collings、Furch(フォルヒ)の計18本を試奏してきました。 これだけの国産ハンドメイドギターをまとめて試せる機会はなかなかありませんからね。 本当に勉強になりました。 その中でも「SUMI工房」の作りの良さには驚かされました。 若いマホガニーであれだけの音がだせるとは。 また会場内では展示会の他にも、ライブが同時開催されていました。 私は打田十紀夫先生や、クラシックギターの掛布雅弥氏、そして松井祐貴氏の演奏を見てきました。 打田先生のライブでは、いつものシグネイチャーモデル「Morris SC-16U」、スライド用のリゾネーターに加え、ハンドクラフトフェスということもあり、ホンジュラスマホガニーのYokoyama Guitars、メイプルのシオザキギターの4本構えでした。 画像は塩崎ギターですが、ビンテージマーティンのような甘いトーンが心地良かったですね。 ライブに試奏にと一日遊べてたったの1,300円。 私的にはとても満足できたイベントでした。 ※続編はこちら「 ハンドクラフトギターフェズ 2014に行ってきました(後編)。 」

近年モノのアディロンを考える(ゴールデンエラのススメ)。

アディロントップの「D-18GE(2004年」、「OOO-18GE(2006年)」 最近、トップ材に希少材と言われる 「アディロンダック・スプルース」 を使用したアコギを頻繁に見かけるようになりました。 このアディロンですが、、、 その軽くて強い特性から、かつては飛行機の部材として使われていたそうです。 そのため、第二次大戦での戦況の拡大に伴い、乱伐され枯渇してしまったんですね。 その後、長い間、希少材とされてきましたが、植林による効果でしょうか。 アコギ材として一般に流通できるまで、環境が回復したようですね。 そのため、マーティンのアディロントップを手に入れるには、 「1946年以前のビンテージ」 を入手するしか方法がありませんでした。 それだけに、新品でもアディロンを入手できるようになったことは、ありがたい話ですよね。 若いアディロンには、ビンテージほどの味わい深さはないかもしれませんが、それでも十分にアディロンの魅力を堪能できると思います。 そんなアディロンの魅力を知る上で、オススメしたいのが、 この「 ゴールデン・エラ・シリーズ 」です。 マホガニーに限定した話をすると、、、 1999年のドレッドノートの「D-18GE」にはじまり、2003~2005年にはオーケストラモデルの「OM-18GE」、2006~2013年にはオーディトリアムの「OOO-18GE」が発売されています。 1995年にも「D-18 Golden Era」といったモデルが発売されましたが、これはGuitars Of The Monthとして製作されたもので、トップにシトカスプルースが使用された別モノです。 このゴールデン・エラ・シリーズですが、面白いもので、仕様上は黄金期の再現を目指しているのですが、 音作りは極めて現代的 なんですよね。 「 タイトで力強い低音に、アディロン・マホならではの主張のある中高音 」が特徴です。 また、アディロントップに加え、 フォワードシフテッドスキャロップドXブレイシング ですので、レスポンスが良く、軽く爪弾いただけでもめちゃくちゃ鳴ります。 ですので、フィンガースタイルには最適ですね。 ストロークでは、むしろ、鳴りすぎるくらいかもし

マホガニーに合うトップ材を考える。

アディロンダックスプルースの木目 アコギの音はトップ材で決まると言われます。 それだけに、、、 マホガニーの魅力を最大限に引き出すことのできる トップ材を選びたい ですね。 毎度のことですが、マーティンのStyle 18を例にして考えてみたいと思います。 Style 18は、サイドバックにマホガニー、トップにスプルースの組み合わせです。 トップ材には、1945年までがアディロンダックスプルース、それ以降はシトカスプルースが使われています。 音の傾向としては、、、 シトカはスッキリとした端正な音色 、 アディロンは太くて艶のある音色 が特徴になります。 ここで代表的なトップ材の比重をチェックしてみましょう。 アディロン(0.32~0.35) イングルマン(0.32~0.35) レッドシーダー(0.36~0.40) シトカ(0.41~0.45) ジャーマン(0.41~0.45) シトカに比べ、アディロンは軽いんですね。 この軽さが「 レスポンスや鳴りの良さ 」に繋がっているのでしょう。 つまり、、、 マホガニーの特徴のひとつであるレスポンスの良さを伸ばす組み合わせが「 アディロン・マホ 」なわけですね。 また、マホガニーの柔らかさの中に、アディロンの腰の強さや艶のある音色を加えることで、絶妙なサウンドが作られるわけです。 ちなみに、見方を変えると、、、 重い素材を鳴らすには、強い力が必要ですので、ハカランダやローズウッドのような音響特性の優れた素材の方が向いているわけですね。 そういえば、ジャーマンスプルースとマホガニーの組み合わせって見かけないですよね。 などと、アディロン好きな私ではありますが、シトカスプルースとの組み合わせも十分に魅力的だと考えています。 特に 「ビンテージの枯れたシトカの音色」 は堪らないものがあります。 ただ、シトカのビンテージも、決して安くはないですし、コンディションの良いものになかなか巡り合えないですからね。 とりあえず、音の良いマホガニーに触れてみたいのであれば、近年モノのアディロンをオススメしたいと思います。