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クラシックギターから学ぶ③(爪のケア・強くする方法)

前回に引き続き爪の話題です。 私自身、真面目に練習を始めてから三年半ほど経ちましたが、、、 実は、ほぼ爪が割れることはなくなりました。 私の弦の弾き方が上手くなったのか、日常生活で気を使えるようになったのか。 理由はわかりませんが、割れてないですね。 さすがに、昨年、久しぶりにガチでボーリングをやったら割れてしまいましたが(笑) と言ったところで、、、 クラシックギタリストの金庸太さんがオススメしていた爪の強化方法は、、、 人肌に温めたオリーブオイルに数分間、爪を浸すというもの。 これは世界的に有名なギタリストの ホセ・ルイス・ゴンザレス推奨の方法だそうです。 そして、さらに効果があるのが馬油とのこと。 浸透力が強いらしいです。 どちらにも共通しているのは、爪に油分を与えるということですね。 オイルそのものがいいのか、何かサプリ的な栄養素が含まれているのかはわかりませんが。 ついでに、、、 先日ギター屋さんですすめられた商品が良かったので、紹介しておこうかなと思います。 早稲田大学の並木秀男名誉教授が再生医療の観点から開発したネイルトリートメントジェルです 。 ↓↓↓ 商品説明 成分等の違いはわかりませんが、男性用が黒(中身は青)、女性用が赤のパッケージになっています。 再生医療の研究により得られた、爪細胞の再生に特化したアミノ酸を最適な比率で配合しているとのこと。 新しい爪を作るのは爪の根元の爪母、爪根と言われる部分だそうで、そこに浸透力の高いジェルを塗ってあげます。 某楽器屋さんの勧めで試しに購入し、しばらく使っているのですが、確かにコンディションが良くなっています。 個人的に気に入ったのはオイルフリーでベタつかないということ。 前述したクラシックギタリストの方法論だと間違いなくベタつきますからね。 日常生活を送る上では、間違いなくこちらの方が使いやすい。 それと、角質が変化した爪(=死んでしまった細胞)を保湿するよりも、爪が作られる部分をケアするという発想の方が、結果として爪の強化に繋がるのかなとも思いました。 最後に、、、 自分の身体特徴が音に直接影響する、こんな素晴らしい、そして面倒くさい楽器はない。 これは、クラシックギタリス...

クラシックギターから学ぶ②(爪の長さ・形編)

今回はクラシックギターやソロギターで重要な爪の話題を取り上げたいと思います。 他の教則本同様、この本の中でも基本的な爪の形、長さや、ケアの仕方などが書かれていますね。 そう言った中で私が気になったのが、 「爪の長さがタッチに影響がありますか?」 という質問でした。 これにクラシックギタリストの永島志基さんはこう答えています。 指の各個人の個体差 爪の質感 出したい音 音楽性 演奏曲の作曲家の音楽的時代考証 気候 現場での椅子の高さ その日の雰囲気や気分 によってタッチを変えると。 つまり、プロとはいえども、もしくはプロであればなおさら、タッチの仕方も音色も一定ではないということがわかりますよね。 となってくると我々アマチュアがタッチ、タッチと言っているのは一体何を求めているのかなと考えてしまいました。 まずは、タッチ云々よりも、自分が出したい音は何なのかを理解することが、自分のタッチを見つける第一歩なのではないかなと。 また、、、 長めの場合は長い爪をリリースするために右手がフラットになる 短めの場合は、右手をやや立てるようになる といった記載も気になりました。 ここからは、爪の長さと右手のフォームが連動していることがわかりますね。 となると、 右手のフォームを決めてから爪を調整するのか、出したい音に爪を合わせてから右手の角度を調整するのか。 答えはその両方だとは思いますが、実に奥の深い話ですね。 上辺だけの教則本とは異なり、何度も読み返すことで、いろいろ学べることが多そうです。 勉強になります。

クラシックギターから学ぶ①(演奏フォーム編)

私はスチール弦のアコースティックギター専門なわけですが、いつも不思議に感じることがあります。 それは、なぜアコースティックギターの人は、クラシックギターから学ばないのかと言うことです。 では、クラシックギターはいつできたのでしょうかね。 いつから、どこからをギターと呼ぶかは難しいのですが、16世紀のビウエラがルーツとする説があります。 また、演奏と言う観点では、、、 教則で定番のアグアド、ソル、ジュリアーニ、カルリ、カルカッシは18世紀後半から19世紀初頭にかけて活躍していました。 そして、現在のクラシックギターは、ギター製作家のアントニオ・デ・トーレス(1817-1885)が確立したとされています。 つまり、少なくともクラシックギターの歴史は100~200年はあるわけです。 ここで得られた知見を活用しない手はないと思うのですが、いかがでしょうか。 そんな時にオススメの本がこれ。 「クラシックギターQ&A 52人のプロが答える164問」 クラシックギターに関わる164の質問に、日本で活躍する代表的プロ・ギタリスト、ギター製作家52人が回答すると言うもの。 完売していた「最新版ギター読本上達のためのQ&A」の改定新版だそうです。 正直、昔、受験勉強で使った一問一答形式になっていて、とても読みにくいです(笑) が、読みやすくて内容の薄い本とは異なり、かなり濃いです。 そんな中でも気になるテーマをいくつかご紹介したいなと。 まずはフォームから。 「右足に乗せるか、左足にのせるか」 よく議論になりますが、クラシックギタリストの中島晴美さんは、左足乗せにする利点をこう語っています。 ・左手のポジション移動を容易にする ・右手上腕部を緊張させず、自由度を高める なるほど。 それと、高度な曲を弾くには左足乗せの方がいいとも言っていますね。 これはギターを演奏をするにあたり、理にかなったフォームなのでしょう。 それでもアコースティックギター界隈では、どちらがいいのかという議論が続いています。 どうしてなのでしょうかね。 そんな中で私が前から思っていたことを文書にしてくれていた部分が、ありました。 「崩していた方が弾きやすい(右足乗せ)というのは、...

伊藤賢一「ギター・リサイタル」に行ってきました(2016年)

Martin D-18 (1952年) とKen Oya Model-J (2008) 昨年に引き続き 、伊藤賢一@近江楽堂(新宿オペラシティ)に行ってきました。 ライブではなく「リサイタル」としているあたりにも、伊藤さんのコダワリが感じられますね。 会場は100人程度のキャパですが、昨年に引き続き満員御礼。 いかに、伊藤さんの音楽、 そしてアコースティックギターの生音を求めている人が多いかということがわかります。 今回は、いつものハウザー、大屋に加え、1952年製のMartin D-18が使われていました。 このリサイタルでは、毎回、ゲストが参加することになっているそうです。 今回のゲストは、クラシックギタリストの垂石雅俊さん。 伊藤さんの同窓生だそうです。 垂石さんは、埼玉で音楽教室「ギター&エアスト」を主宰されており、自身のCDも多数リリースするなど、ギタリスト業界の中では、かなり稼いでいる部類ではないかと(笑) もちろん、、、 全日本ギターコンクール、ギター音楽大賞アンサンブル部門での優勝、 ドイツに渡欧し、クラシックギターをアレクサンダー・セルゲイ・ラミレス氏、アコースティックギターをドン・ロス氏に師事するなど、 実績・実力も十分なギタリストです。 「伊藤君とは1ミリも趣味が合わない」など、 ゲスト出演とは思えないMCで会場を沸かしていましたが、会場は同窓生でなくてはだせない、やさしい雰囲気で包まれていました。 使用ギターは、ガットが「Kazuo Sato」、スティールはローデンでした。 肝心のリサイタルの内容ですが、、、 「はじめて手に入れたまともなギターがMartin D-18だった」 というMCから演奏された、少年時代をイメージした楽曲のメドレーが良かったです。 使用ギターはもちろん、1952年製のD-18。 マホガニーのやさしい音色と、会場の美しい残響音で、なんだかとても感傷的な気持ちになってしまいました。 また、伊藤さんの定番曲ソリチュードの二重奏が素晴らしかったですね。 いつもはソロでの演奏ですが、垂石さんが二重奏にアレンジしたのだそうです。 伊藤さんが大屋ギター、垂石さんが伊藤さんのD-18を使って演奏していたのですが、アレンジもさる...

夏到来!ギタリストの汗・皮脂対策。

もうすぐ6月。いつのまにか、汗ばむ陽気となってきました。 となってくると、この時期、気になるのはギターの塗装ですよね(笑) 汗をかいてしまってギターを白濁させてしまったり、ネック裏がベトついてしまったりなど。 みなさんもこんな経験をお持ちなのではないでしょうか。 ちょっと気になったので調べてみたのですが、、、 これをギター業界ではなく、塗装業界では「塗膜軟化現象」と呼んでいたりするそうですね。 簡単にいうと、汗や皮脂によって、塗装面が軟化してしまう症状のことです。 いつもギター仲間でばかり話をしていますが、やはり塗装のトラブルは、その筋(塗装業界)の人の方が詳しいだろうということで、ちょっとネットで調べてみました。 そもそも、高級ギターの塗装には、天然素材が使われているものが多いんですよね。 有名なところでは、マーティンなどで使われているラッカーや、クラシックギターで伝統的に使われているセラックですかね。 ただ、天然素材ということもあり、水にとことん弱いんです。 逆に安価なギターでは、塗装が簡単な(機械的にできる)ポリウレタンが使われることが多いです。 こちらは化学素材なので、温度・湿度の変化や、汗・皮脂による汚れにも強いんです。 ただ、一般的には音が落ちるみたいな言い方もされるのですが、、、 塗装技術の向上により、コリングスやテイラーでは、極薄でポリウレタンを塗装することで、音質への影響を抑えているそうです。 本当かよ、という思いもありますが、音はラッカーと変わらないという人もいらっしゃいますからね。 ただ、コリングス自身もヴァーニッシュ塗装を別オプションとしていますし、前回ご紹介したトラディショナルシリーズでもラッカー塗装を復活させています。 個人的には、このことが全てを表していると思うのですが。。。 ちょっと話がそれてしまいましたが、夏場の汗、皮脂による汚れ。 これを避けるにはどうすればよいのか。 もう、とにかく乾拭きする、これがベストだと思います。 ポリッシュやワックスも効果はあると思いますが、使い方を間違えると取り返しのつかないことになってしまいますからね。 ですので、弾いたら拭く、とにかく拭く、拭いてください。 とはいっても、そもそも、汗や皮...

アコースティックギターのスタンドを考える。

ギターを弾く頻度や家庭の環境にもよるとは思いますが、、、 私の場合、ギターは常にハードケースにしまって保管しています。 面倒だと言われる方も多いとは思いますが、、、 アコギは決して安いものではありませんし、湿度の変化が大きい日本において、良いコンディションを維持するためには必要なことだと考えています。 ですので、私の場合、スタンドに置きっ放しにすることはないのですが、それでも、ちょっとギターを立て掛けたい時があったりします。 そんな時に活用しているのが、この「クーパースタンド」です。 ナッシュビルで活躍しているギタリスト、ダニエル・クーパー氏が考案したものだそうですが、これがなかなかの優れものなのです。 まず、折りたたんで、ギターケースに入れて持ち運べるコンパクトさが良いですね。 スタンドは自宅で使うイメージがありますが、ちょっと出先で演奏する時とかに、自分用のスタンドがあると便利だったりします。 それに、自宅でも、使わない時はしまっておけるので、スペース的にもとても助かります。 また、ラッカー塗装にも対応しているのが嬉しいですね。 アコギの塗装負けを気にしなくてすみます。 また、ハーキュレスなど、安価で良いスタンドもありますが、2~3年で樹脂部分が劣化してしまい、ギターを汚してしまう可能性があることを考えると、これくらいのものをおすすめしたいです。 単価は高いですが、使える期間を考えれば、高い買い物ではないと思います。

ギタリスト向けのオーディオを考える④

現在の私の愛器「ADAM A5X」 オーディオシステムがPCとFireface/Babyfaceという組み合わせになったことで、 机の上もすっきりして満足していたのですが、 CDプレイヤーがなくなることで、ひとつ問題がでてきました。 それは、、 今までは特に意識することなく、CDプレイヤーとセットで置いていたアンプの存在です。 CDプレイヤーがあると気になりませんでしたが、いざなくなると、アンプのためだけに場所を取られてしまうのもなんだかなぁと思うようになりました。 しかも、わざわざ高いラックや、インシュレーターまで揃えていましたからね。 今回は、机の上だけでオーディオシステムを完結させることがテーマなので、なおさらです。 というところで、登場したのがアクティブスピーカーでした。 簡単に言ってしまうと、アンプ内蔵のスピーカーのことで、 これまたピュアオーディオの世界からは邪道とされているシロモノです。 レコーディングスタジオではモニタースピーカーとして使われることが多く、個人的にも、 ちょうど、宅録用の機器を探していたということもあり、興味を持っていたところでした。 そんなとき、RME社のFirefaceと出会ったように、これまた「ピュアオーディオとしても使える」ほどの高品質なアクティブスピーカーと巡り合うことができたんですよね。 それは、Adam Audio GmbHのスピーカーでした。 RME社と同じく、比較的新しいメーカーで、1998年にベルリンで創業されています。 「スピーカー界におけるノーベル賞ものの発明?」と称されるハイルドライバーという技術を取り入れたARTツイーターを武器に、世界的にも高い評価を得ています。 このARTツイーターは、可聴帯域を超える50KHzまでをフラットな位相特性でカバーしているそうで、カタログスペックを見るだけでも、その性能の高さがわかりますね。 そして、あの「アビーロードスタジオ」での採用を機に、一気に知名度があがったようです。 音作りは、いわゆるモニター系といわれるもの。 モニター系とはいっても様々な個性があるのですが、このアダムの特徴は、圧倒的な解像度とスピード感にあります。 私が購入したのは、ミッドレンジのA5Xというモデルですが、こ...

ギタリスト向けのオーディオを考える③

現在の私の愛器「Babyface PRO」 Fireface UCは気に入っていたものの、、、 プロ用の機材ということもあってか、ラックマウントタイプだったんですよね。 ということもあり、机上で使うにはちょっと不格好。 電源に関しても、ACアダプタが必要になるため、配線的にもあまり美しくなく。 デスクトップ上だけでシンプルに完結させたいと考えていた私の理想を全て満たせる製品ではありませんでした。 それをあっさりクリアしてしまったのが、2011年に発売された「Babyface」でした。 とにかくシンプルで、コンパクト。 無駄のない洗練されたフォルムにはとても惹かれるものがありました。 音質面では不利ですが、ACアダプター使わずに、USBバスパワーだけで高品質かつ、安定した動作を実現させた技術力の高さは素晴らしいものがありました。 しかも、CCモード(iPadとドライバなしで接続可にするモード)にも対応していて、iPadをミキサーやレコーダー代わりに使えたりするのです。 iPadをレコーダーとして使えば、PCを使った録音をする際に問題となるファンやハードディスクの動作音を回避できますからね。 また、搭載されているマイクプリやDACチップなどは、Firefaceと比べると、若干性能が落ちるようですが、それでも口煩いオーディオマニアたちから高い評価を得ていましたからね。 さらには、日本限定のブルーバージョンや、漆塗りバージョンまで発売されるなど、相当数、日本で売れたのではないかと推測します。 しかも、価格までお手頃ということもあって、この時はさすがに失敗したなーと感じていました。 そんな後悔の日々を送っていたわけですが、昨年、救世主があらわれました。 それは「Babyface PRO」です。 かなり羨ましかったBabyfaceですが、唯一、私的に欠点と思っている部分があったんですよね。 それは、マイクやスピーカー、アンプなどと接続する際に必要になるブレイクアウトケーブルでした。 簡単に言ってしまうと、ケーブルを拡張させるために使う分岐用のケーブルですね。 これがいまいち、見栄えがよくなかったのです。 ところがBabyfaceでは、XLR端子が備え付けられてて、見栄えがとても良い...

ギタリスト向けのオーディオを考える②

RME社 Fireface UC 私が購入した「FirefaceUC」を製作しているRME社は、1996年、ドイツで創業されました。 日本ではオーディオ系の雑誌でよく紹介されていますが、オーディオのメーカーではなく、プロ用のレコーディング機材のメーカーです。 「すべてのユニットは、色づけしない透明なサウンドを提供すべきだ」 というコンセプトのもと、優れた製品を提供してくれています。 創業20年ではありますが、2011年には『楽器のグラミー賞』と讃えられるMIPAアワードを受賞するなど、もはや、名実ともにトップクラスのメーカーです。 「プロ用だから、業務用だから音が良い」 とは限らないのですが、少なくともこのRME社の製品に関しては、口うるさいオーディオマニアたちからも大絶賛されています。 しかも、、、 いわゆるオーディオマニアからはあまり好まれないはずのモニターライクな音作りであるのにも関わらず、不思議と高い評価を得ているんですよね。 見方を替えると、このことが何よりも品質の高さを証明しているのではないかと私は考えています。 この辺は「 RME 開発者ストーリー 」を読むといいですよ。 音質は個人の好みの問題だとは思いますが、いかにも高級オーディオ的な色付けのない、素直な音色は、楽器を演奏される方であれば、より魅力的に感じられるのではないでしょうか。 そういった優れた音質が最大のポイントではあるのですが、個人的にはもう一点おすすめしたいポイントがあります。 それはコストパフォーマンスの高さです(【注】決して安い機材ではありませんが)。 そもそもピュアオーディオと言われる機器は、どんなに音質が良かったとしても、顧客層(販売対象)が狭すぎるんですよね。 そうすると、商売である以上、どうしても単価を上げざるをえません。 また、価格が高いほどありがたみが増すという、マニアの負の連鎖もあったりしますからね。 (この辺は、ギター愛好家にも言えることかもしれませんが) 一方、RME社の場合、販売対象となるユーザーが多岐にわたります。 レコーディングを生業とするプロフェッショナルの現場から、一般の宅録ユーザー、そしてオーディオマニアに至るまで。 そのため、競合製品も多くなるので、自...

ギタリスト向けのオーディオを考える①

PCオーディオのイメージ画像 昔から「音」にはこだわりがありました。 遡ると、中学生の頃に、両親に買ってもらったシステムコンポからはじまり、 バイトでお金をため、単品でプレイヤー、アンプ、スピーカーを揃え、 社会人になってお金に余裕がでてくると、アップグレードを繰り返し、 挙句の果てには、電線病を患い、ケーブル地獄に陥り、、、 いやー、かなり散財してしまいました。 ということもあって、オーディオにはあまり良い思い出がありません(笑) そんなこんなで、しばらく、オーディオからは足を洗っていたのですが。 その後、2000年代の中ごろのことだったと思います。 PCでの音楽再生でも、かなりの高音質を出せるようになったことを知りました。 それまでは、PC自体がノイズの塊と考えられていたので、いわゆる「ピュアオーディオ」の世界からは邪道とされていたんですよね。 そんな中「PCオーディオでもやっていける!」と思わせる、素晴らしい製品が現れたんですよね。 そのひとつが、RME社の「Fireface 800」でした。 これはかなりの名器でして、発売から10年以上たった今でも現役と言える性能と音質を誇ります。 しかも、PCでの音楽再生は音質面での向上だけではなく、iPodやiPhoneの普及により、音源の管理をPCでするようになってきていましたからね。 なおさら、PCオーディオの需要が高まっていたわけです。 ただ、どちらかというとインターフェースがMAC向けの製品が多かったこともあり、Windowsユーザーである私的には躊躇していたんですよね。 そこに、Windowsでも使いやすいUSB接続に対応した「Fireface UC」が発売されたので、思わず飛びついたというわけです。 これが私のPCオーディオのはじまりでした。 もともとは、音楽を再生するために購入した「Fireface UC」ですが、、、 いろいろ使っていくうちに、楽器を扱う人間にとっては、まるで夢のような機材であることに気が付きました。 例えば、、、 良質なマイクプリアンプやDACチップ、高度なソフトウェアミキサーから、音響の解析・分析ソフトまで付属しているなど、これ一台あれば音楽制作がなんでもできてしまうほどの素晴...

機材について考える③(伊藤賢一さん編)

無料の電子書籍「Acoustic Guitar World」 機材について考える上で、もうひとつヒントになる記事を見つけました。 「アコースティックギターワールド」という電子書籍です。 無料ですし、メルマガでも読めるので、未読の方は是非お試しください。 ↓↓↓URLはコチラ 「 Acoustic Guitar World 」 その中で、何度かライブにお邪魔している伊藤賢一さんのコラムがありました。 伊藤さんというと、スチールの大屋ギター、ガットのハウザー。 クラシックギターでの経験を活かした、繊細で美しいタッチ感。 今年の夏の「 近江楽堂@東京オペラシティでの生音ライブ 」も記憶に新しいところです。 ということもあり、音色には人一倍こだわっているというイメージがありました。 でも昔は、なんとオベーションのスチールとガットでライブをしていたんだそうですね。 意外でした。 しかし、オベーションの楽器としての限界を感じ、カオルギター、ラミレスを購入。 その後、ライブでのマイク録りをはじめてみたものの、、、 ピックアップの利点を取り入れたいと思い、M-Factoryを導入。 などといった試行錯誤が綴られています。 これは面白い! そういえばプロのギタリストの試行錯誤って今まで読んだことがなかったなと。 そして今では、、、 コンデンサーマイク(AKG 451B)を持って会場に行き、PAのミキサーに直結しているのだそうです。 これを読んでいた思ったのが、自分の目指したいスタイルに近いなということでした。 伊藤さんのスタイルとかくとかっこよく聞こえるかもしれませんが、、、 別にカッコつけたいわけでもなくて、これが一番シンプルで安価な方法ではないかなと思ったわけです。 一見、生音を極めたプロ向けのスタイルにも思えますが、同時にアマチュアのスタイルにも最適なのではないかと思ったわけです。 それにコンデンサーマイクがあれば、宅録でも使えますので、汎用性も高いですしね。 当然のことながら、ソロギター(ギターでの独奏)という前提ですし、 ハウリングの問題や、マイク集音の難し...

機材について考える②(南澤大介先生編)

南澤先生がライブで使用されている「Zoom A2」 そういえば、Zoomを使われているプロをもう一人思い出しました。 「ソロ・ギターのしらべ」でお馴染みの南澤大介先生です。 どうして、そんなにZoomを使いたがるのかなと、悩んでいたのですが、、、 よくよく考えてみると、ツアーで全国を回るプロの機材としては、 丈夫で壊れにくい いつでもどこでも同じものを入手できる(品質を維持しやすい) といったところは、当然評価ポイントになるはずです。 となると、、、 ギターを担いで全国行脚しているようなプロにとって、Zoomというのは、むしろ使い勝手がいいのかもしれませんね。 では「趣味としてのアコースティックギター」での機材はどう考えるべきなのか。 結局のところ、自分が楽しめればいいわけですからね。 ひたすら音質にこだわる(生音重視、原音主義) いろいろな組み合わせで、ユニークな自分だけの音を探す ハンドメイド等、ひととは違うものを持つ など、いろいろな楽しみ方があるはずです。 となると、しっかりと自己分析をして自分の好みを整理しておく必要がありますね。 私の場合は、、、 ヴィンテージが好き やはり生音だよねとコダワリをみせつつ、本当はギターに穴をあけることに罪悪感を感じる ギターヲタク( もっと欲しいギターはあるし、機材にはお金をかけたくない性分) などが特徴としてあげられます。 しかも、普段は自宅で生音で楽しむアコースティックギターですからね。 機材にどこまで投資するのかは悩ましいところです。 どこかいい、落とし所はないのでしょうか。

機材について考える①(打田十紀夫先生編)

打田先生がプリアンプとして使用されている「Zoom A3」 ソロギターをはじめてから、もう少しで2年になります。 残念ながら、ギターの演奏技術はまだまだなのですが、、、 それでも最近は、人前で演奏したいなと考えたりすることもあったりするんですよね。 そういったこともあって、ちょこちょこ機材関係についても調べはじめているところなんです。 というところで、今年の私の教科書である打田先生の「39歳からの本格アコースティックギター」に「ライブのセッティング」というコラムがありましたので、取り上げてみたいと思います。 そこで紹介されている打田先生の機材というと、、、 ピックアップは「Waver WPS-1」でマグネティック・タイプですが、ピエゾをブレンドできるもの。 それをスイッチャーを通して、プリアンプの「ZoomA3」に接続しています。 それだけ??? あれ、なんか普通だぞ??? 弘法は筆を選ばずという見方もできなくはないですが、、、 打田先生曰く、、、 「会場のPA設備に関わらず、同じ音でライブができるように」 とのことですが、 実際のところは、かなり割り切った考え方をされているのだと思います。 というのも、 お世辞にも高音質とは言えない機材ですからね。 それでもライブでは、こういった機材を使っているんです。 ということは、、、 PAを通すのであればこれで十分という判断をしているのであり、そして、ライブにおいて、 生音にこだわりすぎることは得策ではないと考えているのでしょう。 ましてや、オープンチューニング用やリゾネーターなど、3~4本のギターをライブで使うので、音量やエフェクトのコントロールしやすさを最優先しているのかもしれませんね。 ライブでのアコースティックギターの音をどう作るか。 アーティストの音に対する姿勢が良く表れる部分ですよね。 生音こそが本物であるという考え方。 多くの人に音を届けられるPAを通した音こそがライブでのギターの音だという考え方。 どちらも一理あり、これまた答えのない議論です。 ですので、他人がどう考えるのかよりも、自分がどう考えるのかを大切にすべきですね。 ...

岸部眞明さんのライブに行ってきました。

M-Factoryのプリアンプと、LexiconのリバーブLXP-1 岸部眞明さんのインストアライブ@恵比寿ドルフィンギターズに行ってきました。 岸部さんのライブは昨年の夏以来ですかね。 「 岸部眞明さんのライブに行ってきました(2014年) 」 平日にも関わらず、満席でしたので、やはり人気は高いですね。 最近は、中国などで、かなり大規模なライブもされているようですからね。 ライブは二部構成で、一部は岸部さんの名曲&カバー、二部は出る出るいってなかなか出ないニューアルバムからの楽曲でした。 新作は、今までの作品以上に、バラエティに富んだ楽曲が揃っていたので、とても楽しみだなと思いました。 また、岸部さんの楽曲を再録したもの&ピアノアレンジの二枚組の作品を出す企画などもあるようで、これまた楽しみですね。 個人的には、最近、機材関連がとても気になっていて、いろいろチェックをして帰ってきたのでした。 機材関連の話はまたの機会にでも。 いつもよりも、Lexicon LXP-1のリバーブ加減が少なかったので、それが岸部さんのトレンドなのかわかりませんが、Water Roadの素に近い音を聞けてちょっと得した気がしました。

「鼈甲サムピック」39歳からの本格アコースティックギター

音色が魅力の「べっ甲サムピック」 最後に音色の観点から。 アコギ好き、ヴィンテージ好き、生音好きな私としては、やはり音色にはこだわりたいわけで。 というわけで、まだ使いこなせてはいないのですが、素晴らしい音色を奏でるサムピックを最後に紹介したいと思います。 それは、鼈甲サムピックです。 鼈甲もヒトの爪と同じタンパク質でできていますが、爪よりも艶やかで、鮮やかな音色を出せるんですよね。 というわけで、とても魅力的な鼈甲ピックの特徴をまとめてみました。 ・きめ細かく、美しい高音域 ・ふくよかな倍音感 ・ダイナミックレンジが広い ・手に吸い付くような手触り(フィット感ではない) などなど、値段はさておき、よいところだらけなのです。 残念ながら、、、 フィット感だけはイマイチなのですが、ドライヤー等で熱すると形を調整できるそうです。 ただ、加熱すると鼈甲の光沢がなくなってしまうらしく、怖くて試せていませんが。 しっとりして、艶やかな音色を出すことができるのですが、厚さがあり、しなりも少ないので、弾きこなすにはまだまだ修行が必要ですね。 この音色で、優しいタッチで弾きこなせるようになると文句無しなんですけどね。 また、虫に食われたり、反りがでたり、取り扱いは難しそうですが、なんとかして使いこなせるようになりたい、そう思わせる魅力的な音色の鼈甲ピックでした。 <関連記事> 「サムピックはじめました」39歳からの本格アコースティックギター 「サムピックに求めるもの」39歳からの本格アコースティックギター 「TABスペシャル」39歳からの本格アコースティックギター 「フレッドケリーのスリムピック」39歳からの本格アコースティックギター 「鼈甲サムピック」39歳からの本格アコースティックギター