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10月, 2021の投稿を表示しています

な、なんと、ギター弦もヴィンテージが凄いのか!?

「ギター屋 funk ojisan」をご存じでしょうか。 YouTubeで全国的に有名なギター屋さんですね。 エレキギターがメインということもあり、 直接店舗に行ったことはないのですが、 とても魅力的な店長さん&ハンドメイド機材 だなと思いながらいつも動画を楽しませて 頂いています。 そんな中、気になる動画が。 現時点ではこの三部作です。 ① 【弦駄話】またしても業界に一石を投じる!最近ケンケンが気になっているギター弦とは!? ② 【ギター弦 神回】間違っていなかった! 極上トーン!ヴィンテージ弦の質は最高だった! ③ 【古い弦ヤバい】続々到着ヴィンテージ弦でスラッシュ!そして良い弦、悪い弦を視認する方法とは!? 詳細はYouTubeを参照していただきたいですが、 簡単にいってしまうと、 「実は、古い弦は良かったんじゃないか」 というものです。 実は私、似た体験をしたことがあり、 1990年代に購入していたアコギ用のダダリオが 我が家で発掘されたことがあったのです。 奇跡的にほとんどサビもなく、まだ使えそうな 状態だったので、数年前に使ってみたのです。 すると、現行品とは別物と思えるくらい、 ブライトでエッジ感があり、パワフルな音色に 感じたのです。 以前所有していた1953年製の アディロントップのD-18に張ったので、 それはもう素晴らしい音色でした。 その時は、弦がやけに硬くて、テンションも 強く感じられたので、古くなって経年変化して しまったんだなと考えていたのですが、 この動画を見ていて、もしかすると、 弦の品質や素材そのものが変更されていた 可能性があったのだなと。 そう言われてみると、、、 エレキにしろアコギにしろ、昔は弦交換の時に、 誤って指を刺してしまい出血することが 多々あったなと。 今思うと、弦の張りが強すぎて、 思い通りに動かせず、油断するとすぐに 指に刺さっていたなと。 最近はそういうケガもなくなり、 弦交換がうまくなったなと思いこんで いましたが、実は弦そのものが知らぬ間に 変わっていたのかもしれませんね。 まぁ、現代の弦は、安全性なども考慮して、 張りを弱めに作られているのかもしれませんね。 目に刺さったらおおごとですから。 また、ピッキングよりも、フィンガースタイルに 合わせている可能性もありますね。 で、これを受けて私が感じたことで

メイドイン御茶ノ水「Hobo's Works」をオーダーする①  出会い編

  今回の友人のオーダーですが、 ことの始まりは この Hobo's Works OM-18 Spureme (岡健男) との出会いからだったんですよね。 これがとにかく凄くて、 ヴィンテージ的な音の抜け感や、 楽器全体が振動しているかのような 心地良さが圧倒的なのです。 メリルやジュリアス・ボージャスなど、 いわゆる巨匠と言われる人たちのギターも たくさん弾いてきましたが、 この感覚は岡さんのギターがピカイチです。 ギターの仕様も紹介しておきましょうね。 トップは最高グレードの アディロンダックスプルース、 サイドバックはホンジュラスマホガニーの 組み合わせ。 こだわりポイントとしては、 オリジナルのマーティンの OM と同様に ネックの補強にはエボニーロッドが 使われていることでしょうか。 エボニーロッドということでは、 以前良い音だと記事を書いたこともある Martin OM-18 Authentic にも 使われていましたね。 鉄製の T バー・ロッドや SQ ロッド と 比べると軽さのためなのか、 木材ならではの振動特性なのか、 なぜか新品の状態でも ヴィンテージの ような鳴りを 感じることができるんですよね。 オリジナルOMの仕様から 意図的に 変えているのは、 X ブレーシングの位置を ブリッジ側に 寄せていることです。 リアシフトなどと呼ばれたりもしますね。 リアシフトですが、 本家マーティンでは 1939 年以降に採用されました。 ブレーシング位置を変えることで、 太いスチール弦を張れるように 強度をあげたという説もありますが、 当時の音楽の流行に合わせ、 歌物に 使いやすいようにコードの響きに まとまり感を出すことも 目的のひとつ だったのではないかと 推測しています。 では、なぜ、今回あえて変えたのか。 岡さんいわく、そこには明確な狙いがあり、 一般的にはフィンガー向きと言われる OM ではありますが、ストローク時の音の まとまり感を出したりだとか、和音の響き などで出したい音のイメージがあったようです。 そのバランスを実現するにはリアシフトだと。 実際に弾いてみると、 その狙い通りの仕上がりとなっていて、 ストロークでもフィンガーでも使える バランスに仕上げられているんですよね。 ちょっとありきたりな表現なので もう少し 突っ込んだ表

メイドイン御茶ノ水「Hobo's Works」のハンドメイドギター

  これは凄かった。「Hobo's Works OM-42(岡健男)」 なんと、このコロナのご時世に、 友人がハンドメイドギターを オーダーするということで、 早速、記事にさせて頂くことにしました。 今回のオーダーは、 皆さんお馴染みのお茶の水(小川町)の Hobo's さんになります。 岡さん、行武さんの二人のクラフトマンが 楽器の街、メイドイン御茶ノ水をコンセプトに 作り上げるギターです。 いやー、楽しみですね。 しかし、です。 記事を書く上でどうしても問題点が。 いつもお世話になっていることもあり、 どうしても忖度してしまう部分が 出てしまうと思うんですよね。 いや、どう考えても忖度しちゃいますよね。 そう言った意味でも、 良い悪いなどの主観的な感想は控え、 出来るだけ客観的に見て、 友人がなぜこの Hobo's Works を選んだのか について語っていければと思います。 友人と話し合い、オーダーするにあたった 理由を整理してみたので、書き出してみます。 ① リペアマンとしての経験値 まず、素人の私が リペアマンとして お二人の腕が良いとか悪いとか 表現するのは避けたいと思います。 また、 Hobo's ではプロのミュージシャンの 顧客が多いことも知っています。 が、だからと言ってリペアマンとして 優れているとは限らないので、 これも客観的な要素だとは言い切れません。 では何をもって二人が優秀と考えたのか。 それは、 同一の店舗にて 長年のキャリアがあり、 さらに継続して 顧客がついていること (増え続けていること)、 これこそが リペアマンの技術や信頼度を 示す 何よりの指標ではないかと。 そしてリペアした本数だけ、 様々なギターに直接触れて来た 事実が あるわけです。 圧倒的な経験値の量、 これは他の製作家と比べても 大きな メリットではないでしょうか。 海外に目を向けても、 ビル・コリングス、 ジム・メリル、 ジュリアス・ボージャス、 ジョン・グレーベンなど、 世界的に認められている製作家をみても リペアマン経験者は多いですよね。 ② 豊富な接客経験 工房は店舗にありますので、 岡さん、行武さんはギター製作や リペアの仕事だけではなく、 時には接客も行っています。 接客では、顧客の求めているギターを いかに的確に理解し、

マホガニー図鑑「Fraulini Guitars Erma-Concert Size」

  みなさん、FRAULINI Guitars という ギターを ご存じでしょうか? こんなにもオタクなギターがあることを 私は全く知りませんでした。 というわけで、 今回のマホガニー図鑑で ご紹介するのは 友人が購入した フラウリーニの Erma-Concert Size です。 戦前の伝説的なブルースマンたちに愛された Stella Giutar の復刻版ですね。 ステラは、オスカー・シュミットによって 製造されたギターで、とにかく安くて丈夫 ということで、黒人ブルースマンなどに 愛用されることになります。 オリジナルのステラは、 サイドバックにマホガニーやバーチ、 オーク、メイプルなど 様々な材が 使われていたのですが、 このギターはマホガニーのサイドバックに スプルーストップの仕様です。 私はオリジナルの戦前ステラを 弾いたことはありませんが、 このギターを弾くと、 CD で聴くことのできる あのブルース・フィーリングを いとも簡単に表現できてしまうのです。 実際に弾いてみると、 大きな音が出ない上に、 すぐに音が飽和してしまい ポコポコ鳴ってしまいます。 サステインも少なく、倍音も貧弱。 はっきりいうとしょぼいです w この一見ダメそうな 要素ばかりのギターなのですが、 このショボさが実に音楽的なのです。 この『音楽的』という表現は、 よくあるオーディオ機器の レビューのように、ポエムのようで あまり使いたくはない表現なのですが、 このギターを語る上では、 これ以上の表現は見当たらないので あえて使わせてもらいたいなと。 似たようなコンセプトでは、 Collings のサブ・ブランドである Waterlooo もありました。 故ビル・コリングスは、 ステラやカラマズーのような ギターを称賛し、 古き良き時代の ギターを再現しようと試みました。 そうして作られたウォータールーは 確かに素晴らしいギターでした。 しかし、 CD で聴くことのできる 戦前ステラなどの音と比べると、 どうしても現代的な音色が してしまうんですよね。 性能が良すぎるのです。 でもこのフラウリーニは、違うんです。 むしろ、 脚色しすぎなんじゃないか というくらい『あの音』が出るのです。 これはウォータールーが、 あの当時のギターはこれくらい 素晴らしかったはずだという希望的観測で 作ら