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な、なんと、ギター弦もヴィンテージが凄いのか!?


「ギター屋 funk ojisan」をご存じでしょうか。
YouTubeで全国的に有名なギター屋さんですね。

エレキギターがメインということもあり、
直接店舗に行ったことはないのですが、

とても魅力的な店長さん&ハンドメイド機材
だなと思いながらいつも動画を楽しませて
頂いています。



そんな中、気になる動画が。

詳細はYouTubeを参照していただきたいですが、
簡単にいってしまうと、

「実は、古い弦は良かったんじゃないか」

というものです。



実は私、似た体験をしたことがあり、
1990年代に購入していたアコギ用のダダリオが
我が家で発掘されたことがあったのです。

奇跡的にほとんどサビもなく、まだ使えそうな
状態だったので、数年前に使ってみたのです。

すると、現行品とは別物と思えるくらい、
ブライトでエッジ感があり、パワフルな音色に
感じたのです。

以前所有していた1953年製の
アディロントップのD-18に張ったので、
それはもう素晴らしい音色でした。

その時は、弦がやけに硬くて、テンションも
強く感じられたので、古くなって経年変化して
しまったんだなと考えていたのですが、

この動画を見ていて、もしかすると、
弦の品質や素材そのものが変更されていた
可能性があったのだなと。



そう言われてみると、、、



エレキにしろアコギにしろ、昔は弦交換の時に、
誤って指を刺してしまい出血することが
多々あったなと。

今思うと、弦の張りが強すぎて、
思い通りに動かせず、油断するとすぐに
指に刺さっていたなと。

最近はそういうケガもなくなり、
弦交換がうまくなったなと思いこんで
いましたが、実は弦そのものが知らぬ間に
変わっていたのかもしれませんね。

まぁ、現代の弦は、安全性なども考慮して、
張りを弱めに作られているのかもしれませんね。
目に刺さったらおおごとですから。

また、ピッキングよりも、フィンガースタイルに
合わせている可能性もありますね。



で、これを受けて私が感じたことですが、、、
「ヴィンテージの弦サイコー!」
とはなりませんでした。

むしろ、反省のようなものを感じており、、、

結局のところ、コストや大人の事情により、
我々のわからないところでマイナーチェンジ
している弦の変化に気付くことすらできて
いなかったわけです。

その程度のくせに、どの弦が良いとか、
悪いとか議論してる時点で意味なかったなと
思ってしまいました。

たしかに、そりゃそうですよね。

金属の値段が上がり、電線やマンホールの蓋、
さらには水道の蛇口までもが盗まれる
この時代に、ギターの弦だけが品質も変わらず、
値段も上がらずってのもおかしな話ですからね。

まぁ、私自身が、いつでもどこでも買える
ダダリオ「EJ-16」を愛用していることもあり、
弦に対するこだわりがそれほどないから
余計にそう思うのかもしれませんが。



最後に私見ですが、、、

弦は張り替えてから(というか製造されてから)
どんどん劣化していくものですし、ましてや、
使えば使うほど劣化するものです。

どの時点の状態で善し悪しを判断するのかって、
本当に難しいことだと思うんです。

なので、ある程度の品質のものを選び、
それをどう使いこなしていくかが
重要ではないかと。

例えばレコーディングやライブの時に
張り替えてすぐの状態でいくのか、
少し使って馴染ませてた状態でいくのか、
など。

あとは交換のタイミングをどう考えるか
とかですかね。

もちろん、消耗品なので、張り替える度に
いろいろな製品を使ってみるという
楽しみ方もわかりますけどね。



ただ、ギターの音を変えるファクターは
たくさんあるので、コストや手間なども含め、
バランスよく対応していきたいものだなと
あらためて思った次第です。

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