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「YAMAHA FG-180(1968年製)」 |
第二回にして、早くも番外編的なギターを取り上げてみたいと思います。
マホガニーの合板が使われた、国産初のアコースティックギター「YAMAHA FGシリーズ」こと、通称「赤ラベル」です。
ジャパンビンテージと言われ、人気の高い赤ラベル(FG-180、FG-150)ですが、私はとても懐疑的でした。
現在もテリーズテリーで活躍されている方々が作られた単板のギターと言われればわからなくもないです。
でも、サイドバックだけではなく、トップにまで合板が使われたギターから、ビンテージサウンドが出るわけがないと思っていたんです。
そもそもこの赤ラベルには、構造的な欠陥があると考えていました。
それはネックの仕込み角度に起因する弦高の高さです。
当時は、コードストローク中心のプレイスタイルだったこともあり、弦高が高くても問題はないと考えられていたのかもしれません。
それでも、現代の水準では高すぎると思うし、それが経年変化することでネックが起き、さらに弦高が上がってしまった個体が多いんですよね。
その対応策として、サドルを削って弦高を下げるわけです。
でも、それによって弦のテンションが下がり、音質に悪い影響が出てしまうんです。
よく見かける赤ラベルは、このような状態のものばかりで、どれを弾いてもイマイチに感じられて、赤ラベルのビンテージサウンドなんてありえないと考えていたんです。
このFG-180と出会うまでは。
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