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「Collings」を語る。その⑤:Pre War Guitarsとの比較

  前回の本家マーティンのオーセンティックシリーズとの比較に続き、最近話題のプリウォーギターとの比較をしてみたいと思います。 Pre War Guitars(プリウォーギター) コンセプトとしては、間違いなくゴールデンエラ期の再現でしょうね。 エイジド加工(長年弾き込んだかのような傷をわざと付ける加工)も含め、その徹底ぶりは他社を圧倒しています。 これぞゴールデンエラ期のアコースティックギターだ!と言える、ダークで深みのある音色。 ただしその分、音のヌケが悪い印象がありますね。これはあまり弾き込まれていないものしか試奏したことがないので、それが原因の可能性もあります。 この辺は今後弾き込んでいくことで改善する可能性もありますが、トップ材が高熱処理を施したものなので今後どのように変化していくのかが未知数というのが唯一の不安材料かもしれませんね。 また、オリジナルのヴィンテージを知っている人からすると、凄い再現度だと驚かされる部分と、「この部分を再現してしまったのか」と感じる人もいるかもしれません。 この「再現してしまったのか」ですが、あまりにも徹底的に再現しているため、ヴィンテージ的な味付けが強すぎて、音楽的に使える用途(ジャンル)が制限されてしまうという意味です。 決して楽器としての善し悪しではないのであしからず。 マーティンとの比較でいうと、80年前の作りたてのゴールデンエラ期のギターを再現しているマーティンと、80年経った後のサウンドを再現しているプリウォーギターといったところでしょうか。 そして、メリルと比べてどうなのかと気になる人もいると多いですかね。 私の感覚だと、メリル自体も2000年代と2010年代とでは音作りが変わっていて、ダークからブライトな方向にシフトしているイメージです。 プリウォーギターに関しては、2000年代のメリルのダーク寄りな音色をもっと濃く仕上げたものと思ってもらえば良いかなと考えています。 次回は、トラディショナルシリーズをオーセンティック、プリウォーギター、メリルと比較してみたいと思います。 ■関連記事 ・ 「Collings」のすすめ。 ・ 追悼:ビル・コリングス(1948-2017) ・ コリングス、おそるべし(トラディショナル・シリーズ)!!! ・ 「Collings」の試奏で学んだこと。Martinの魅力を再認識。 ・ 「