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ラベル(アーテイストの使用ギター)が付いた投稿を表示しています

ソラマチで開催された「Guitar Canvas」にてMr.Jimmy(桜井)さんの演奏を観る。

  東京スカイツリーの近くにある Lattest Sports にて開催された「 Guitar Canvas 」に行ってきました。 このイベント、毎月第一金曜日に開催されているそうで、今回は第六回目とのことでした。 いつもはエレキギター中心のイベントだそうですが、今回はアコースティックギター特集とのことでしたので参加してきました。 この日はスペシャルゲストとして、もはやワールドクラスの存在となったジミー桜井さんが参加されるので、とても楽しみにしていたんですよね。 ジミー桜井さんを知らない人のために補足しますと、レッド・ツェッペリンのトリビュートバンドとしてワールドワイドで活躍されています。 その活動はツェッペリンのジミー・ペイジ氏本人からも認められていて、単なるコピーといったレベルのものではなく、再現とか継承といった、もっと高い次元での表現活動をされています。 日本ではトリビュートバンドというと格下なイメージを持たれがちですが、米国ではひとつのジャンルとして認知されているようで、全米ツアーなどもやられていたりします。 ご参考に夕刊フジの記事をアップしときますね。 そしてさらには日本未公開ですが、その活動のドキュメンタリーが映画化されていたりもするんですよね。 ジミー桜井が語る、映画『 Mr. Jimmy /  ミスター・ジミー』の制作秘話と活動のこだわり ジミー・ペイジが認めた日本人ギタリストのドキュメンタリー 当日、桜井さんが使用したのは、このブログでもお馴染みの Harmony H1260 Sovereign です。「天国への階段」で使用したことで有名なギターですね。 この日は「 Rain Song 」と「 Stairway to Heaven 」の二曲を演奏してくれました。 いやー演奏が素晴らしいのは当たり前なのですが、演奏している時の所作というか佇まいが完全にジミー・ペイジなんですよね。 私も長年、レッド・ツェッペリンを追いかけている人間のひとりなので本当に感動してしまいます。 また興味深かったのが、レインソングの変則チューニングの話や、天国への階段に近づけるためのピッキングポジションなど、桜井さんの研究の一部を聞かせてもらえたことですね。 私の愛読書である「 世界で一番ジミー・ペイジになろうとした男 」にも様々な研究成果は記載されています...

1940年製の「Martin D-45」の音色を味わう。

  「 NHK MUSIC SPECIAL  福山雅治〜時を超えるギター」 みなさん、番組見られましたか? ちなみに昔、ブログでも書かせていただきましたが、私は福山さんのラジオを 20 年以上聞き続けている筋金入りのヘビーリスナーだったりします。(あえて、ファンとは言いません) 本当にラジオの福山さんは楽しくて(特に結婚前は)、自分の生活の一部として欠かせない存在でしたし、誠に勝手ながら自分のアニキのような存在だと思い、今でも慕っています。 そんな福山さんが購入したプリウォーの D-45(1940年製) をマーティン本社を訪問し、リペアしてもらうという企画で、アコギ好きには堪らない素晴らしい番組でした。 しかも、戦前にその D-45 が作られたであろう工房で弾き語りまでしてしまうのです。 普通の人間なら恐れ多くてできないことを福山さんならやってしまう、許されてしまうのが凄いところだと思います笑 流石に本人も、歴史あるマーティンの工房でそんなことするなんてと考えたとは思いますが、福山さん本人の意思に関わらず、やってくださいと頼まれてしまうのでしょうね。 そしてその役割を理解し、演じ切れてしまうのが福山さんが『福山雅治』たる所以なのでしょう。ただギタープレイを見る限り、いつもよりは思い切りがないように感じました。そんなところも好きです笑 内容はみなさんの目で見てほしいですが( 11 月 13 日 23:50 から再放送あり)、マーティンが好きな方なら、間違いなくロマンを掻き立てられるような内容でしたね。 しかし、以前ラジオでは、プリウォーの D-45 を買いませんか?というお誘いはあったけど、高すぎるからお断りしたみたいなことを言っていた記憶はあるのですが、、、ついに買ってしまったのですね。 福山さんが買えないわけはないのですが。 ただ、アコギ好きな人間から言わせてもらうと、今回の映像ではプリウォーの D-45 の音色の魅力は伝えきれていなかったように感じます。 また、福山さん自身の歌声もいつもより低音が弱く感じられたので、きっと D-45 も豪華な倍音感を録音しきれていなかったのではないかと思うんですよね。 この辺りは今後使われるであろうレコーディングでの音色に注目していきたいところですかね。 この流れだと、紅白でプリウォーの D-45 使ったりする...

【売却済】カオルギター、坂崎幸之助氏のもとに!!!

先日ご紹介した「カオルギター」ですが、この画像の方がご購入されたそうで。 なななんと、The Alfeeの坂崎幸之助さんでした。 アルフィーの坂崎さんが購入されたってことは、やはり凄いギターだったんだなと、日々、後悔しております。やはり、無理してでも買っておけばよかったなと(まぁ、金銭的理由で買えないんですけどね) 今回のカオルギターは、マークホワイトブックを再現したと言われるRushと呼ばれるモデルで、ドレッドノートタイプとOM(オーケストラモデル)の2種類が入荷していましたが、画像を見る限り、坂崎さんは「Kaoru Guitar / Rush the Blood OM Cutaway Deluxe」を選んだようですね。 このRushですが、製作家の中島馨氏がオリジナルのマークホワイトブック(ドレッドノート)を借り受け、実物を手に取りながら研究に研究を重ねて製作されたとのことなので、基本的にはドレッドノートが標準系なんですよね。 このOMは、そのドレッドノートの音色や特徴を中島氏が独自の感性でOMスタイルに落とし込んだものとなります。それだけに、中島氏のセンスや設計思想がより強く反映されたモデルといえるのではないでしょうか。 実際に試奏した際も、ドレッドノートとOMで共通するフィーリングを持ちながらも、楽器としての用途を意図した作り分け(音作り)が明確になされていて、これまた凄いことだなと感じていました。 この共通するフィーリングですが、簡単に言ってしまうとジェームス・テイラーのアルバムで聴くことのできた「マーティンのようでありながら、ギブソンのようでもある音」です。そして、あのジャリっとしたまとわりつくような独特の倍音感をうまく再現できているなと感じました。 この倍音感がとても面白くて、Martin D-45のように全音域に対して倍音バリバリだと、バンド演奏の中では逆にアコギの音が埋もれてしまったりするんですよね。アコギの音をバンドサウンドの中で引き立てるには、他の楽器と重ならない周波数帯域を強調する必要があるんですよね。 そこで、このRushモデルではあえて倍音の量感やレンジを狭めることで、バンドサウンドの中でもしっかり主張できるような音作りになっています。それでいて、弾き語りで使った場合では、ギブソンよりも硬質な倍音成分が多く含まれているため、十分な倍音を出...

マホガニーの達人「ジョン・レンボーンとGibson J-50」

  「マホガニーの達人」第二弾はジョン・レンボーン(John Renbourn)です。 ペンタングルのギタリストであり、古楽、ケルト、ブルースなど幅広い音楽性を持ち、ギタリストとして唯一無二な存在感を誇る英国を代表するギタリストですね。 ジョン・レンボーンの使用ギターというと、Gibson J-50、Guild D-55、Franklin OMあたりが思い浮かびますが、やはり私はJ-50の頃に思い入れがありますね。 アルバムでいうと「Another Monday(1966年)」「鎧面の騎士(1968年)」「The Lady And The Unicorn(1970年)」や、ペンタングル時代全般とバート・ヤンシュとの共演「Bert And John(1966年)」あたりでしょうか。 「The Hermit(1976年)」の頃まではJ-50を使用していたと本人の発言も残されていますし、おそらくこれかな?と思う音色もありますが、既に音楽的にマホガニーサウンドの必要性を感じさせるアルバムではなくなっていると感じます。 この頃になると、変則チューニングを多用するようになっていますので、どうしてもロングスケール(全長の長い)のギターを求めるようになった背景もあるのかもしれませんね。 J-50はギブソンスケールなどとも言われる626mmのショートスケールのため、ダウンチューニングなどでは音程が合いにくくなりますし、弦のテンションも下がり、響きが弱まることを気にしたのではないかと。 ちなみに、彼が使用していたGuild D-55、Franklin OMの音色の共通点としては、どこか哀愁を感じさせる音色といったところでしょうか。 J-50というと、明るくて抜けの良いマホガニーサウンドの代表格という印象がありますが、名手ジョン・レンボーンが奏でると、マホガニーらしい抜けの良さはありつつも、どこか暗くて哀愁のある音色も引き出すことができるんですよね。 この明るさと暗さといった相反するニュアンスを同居させることができるという点が、他のギタリストとは一線を画している部分なのかなと。とにかく表情が豊かなんですよね。そして、このようにマホガニーのギターから様々な表情(魅力)を引き出せる奏者こそ、私がマホガニーの達人と考える所以なのです。 この音色を出したいと思った時には「鎧面の騎士」収録...

マホガニーの達人「ジェームス・テイラーとGibson J-50」

 新企画「マホガニーの達人」です。 私がこのブログでお薦めしているサイドバックにマホガニーが使われたギター。でも、一般的には、サイドバックにローズウッドが使われたギターと比べると、万能な楽器とは言えないかもしれませんね。 ただ、言いかえると、万能ではありませんが、とても「味」のある楽器だと思うんですよね。その「味」を抜群の演奏力や、考え抜かれたアレンジの中で音楽的な魅力に昇華することができる音楽家がいるのです。この企画では、そういった人たちを「マホガニーの達人」として、紹介していきたいなと考えています。 私が真っ先に取り上げたいのがJames Taylor(ジェームス・テイラー)です。 ワーナー時代の初期三部作「Sweet Baby James(1970)」「Mud Slide Slim And The Blue Horizon(1971)」「One Man Dog(1972)」では、サイドバックにマホガニーが使われたGibson J-50を使っていることで有名ですね。 これらの作品は、1970年代のシンガー・ソング・ライターのブームを代表する名盤であるとともに、演奏・アレンジ共に現代にも通じるアコースティックギターの教科書といっても過言ではないほどの素晴らしい作品だと考えています。 また、ここでポイントとなるのが、これらの作品で聴くことのできるジェームス・テイラーの奏でる音色は、大多数の人が思い描くであろう、理想的なJ-50の音色であるということです。 ということもあって、ジェームス・テイラーの音色に憧れて、楽器屋でJ-50を試奏してみた、といった方も多いのではないでしょうか、でも、どれだけの本数を試奏してみても「あれ、違うぞ」と感じられた方は多いのではないでしょうか。 これは「アコギあるある」の定番ですよね。 私なりに検討を重ねた結果、要は「弾き方」なのだろうと言う結論に達しました。もちろん、個体差ありまくりのギブソン・ヴィンテージですからね。ジェームス・テイラーがどんなJ-50を弾いてもあの音が出せるのかというと、そんなこともないと思うのですが、少なくとも「あのタッチ」を再現できなければ、あの音は出せないわけです。 彼の音色や演奏の特徴と言うと、、、 ①ソフトでウォームな彼の声質とマッチした、柔らかで広がりのある音色 ②倍音が少なく、まとまりの良いコー...

キース・リチャーズ(Keith Richards)の使用ギター:「Gibson HummingbirdとCollings OM2H」

  昨年(2021年)、チャーリー・ワッツが亡くなってしまいましたね。遂にローリング・ストーンズが終わる日が来るのかと心配していましたが、名手ステーヴ・ジョーダンを代役としてツアーを継続していました。 それどころか、今年(2022年)に入ってからも「SIXTY TOUR」としてヨーロッパ各国で精力的にライブを行っていました。現時点で、ミック・ジャガー79歳、キース・リチャーズ78歳ですからね、もはや超人の域ですね。 今回は、そんなキースが使っているギターの話題となります。 キースのアコギいうと、やはり「Gibson Hummingbird」ですよね。 ネイティブ・アメリカンの中で「愛と美と幸せのシンボル」と言われるハチドリ(Humming Bird)をピックガードにあしらったこのハミングバード。当時のキースの風貌も合わせて、ロックギタリストが持つアコギとしては最高峰のカッコ良さですよね。 このハミングバードですが、それまでの「J-45」のようなラウンド・ショルダー型から、更なる音量を求めて開発されたスクエア・ショルダー型が採用されています。ボディ容積をより大きくすることで、より大きな音を目指したと言われていますね。 でも、実際にハミングバードを弾いてみると、「J-45」と比べて音量が大きいと言うよりは、ハミングバード特有のジャキジャキした癖の強さが感じられてしまうので、いまいちスクエア・ショルダーにした狙いがわからなかったりするんですよね。 ただ、このジャキジャキ感が、かき鳴らし系ギタリストにはぴったりはまる感じで、多くの愛好家のいる名器とされていたりもします。仕様はさておき、結果論としてこの狙ったのか、狙ってないのかわからない独特なサウンドというのがギブソンの魅力のひとつですかね。 「マホガニーのすすめ」ということでは、サイドバック材にマホガニーが使われているハミングバードの紹介で十分だとは思うのですが、今年のツアーではコリングスのOM2Hを使っていることで話題になっているんですよね。ちょうど前回の記事でOM2HTを紹介したこともあり、合わせて紹介しておきたいなと思います。 キースの使用しているギターは、トップ材がシトカスプルース、サイドバックがインディアン・ローズウッドのOM2Hをベースに、ネックからヘッド部分にかけてアイボロイド・バインディングが施され...

『続・オールマホのすゝめ』オールマホを選ぶ理由。

  クロサワ楽器さんの企画で00-17 Authentic 1931を弾く藤原さくらさん 今年に入って、Blue-GさんやHobo'sさんに戦前モノのオールマホガニーの名器「Gibson L-0」や「Martin 0-17」の入荷が続いたためか、オールマホで検索された方のアクセスが増えているんですよね。ありがたい話です。 とはいえ、人気のギターですからね。入荷したらすぐにホールド、ソールドアウトとなってしまうわけで。お茶の水に通っている私でさえ、なかなか実物を見ることもできませんし、ましてや遠方の方となると、なおさらですよね。 そこで、私自身が「Martin 0-17(1935年製)」や「Martin 2-17(1927年製)」を所有していたこともありますので、何かの参考にでもなればいいかなと思い、オールマホを選ぶポイントについて、考えをまとめておきたいなと思いました。 実際に自分で所有してみて、そして色々なギターを弾いてきて思ったこと、それは突き詰めると「見た目のインパクト=オールマホを選ぶ理由」なのかなと考えるに至っています。 一般的には「オールマホ=渋い、素朴」といったイメージからブルースに合うと思われる方が多いように感じていますが、私的にはそんな印象はないんですよね。むしろ、「お洒落でかわいらしいギター」だと思っています。 というのも、ブルースに求められるサウンドでは、ピッキングしたときのエッジ感であったり、低音のグルーヴ感などが重要になると思うのですが、そういった音を出せるギターは、スプルーストップのものでも存在するんですよね。いや、むしろスプルーストップの方が合うのではないかとさえ個人的には思っています。 やはりオールマホは、独特の帯域の狭さや倍音の少なさが特徴だと思いますし、それをどう活かして使っていくのかがポイントになるのだと思うわけです。 そして、歌モノとの相性としてはソフトなヴォーカルに合うと思います。使用ギターの例としては、海外だとジャクソン・ブラウン(1950年代のMartin 00-17)、国内だと藤原さくら(1943年製のMartin 00-17)が愛用していますね。 偶然、二人ともダブルオーサイズを選んでいるわけですが、弾き語りでの合わせやすさという意味でコダワリのボディサイズかもしれませんね。シングルオーよりもストロークがまと...

ニール・ヤング(Neil Young)の使用ギター:「Martin D-45(と、D-18)」

マーティンのフラグシップ・モデルであるD-45。 オリジナルのD-45は1933年に製造が開始され、1942年までに91本が作られました。有名な話ではありますが、光り輝くインレイが日本から輸入していたパールを使用していたんですよね。そのため、太平洋戦争の激化と共に輸入が困難になり、製造を断念したと言われています。 そんなD-45も1968年に復刻されます。でも、オリジナルは91本しか作られておらず、このギターの持つ音色というのはほとんど知られていなかったのではないかと思うんですよね。ただ、見た目のインパクトという点では人気は継続していたようで、D-28にインレイをつけるカスタマイズが施されたギターもあったりしますよね。 でも見た目だけではなく、唯一無二な煌びやかな豪華な音色もD-45の魅力な訳です。では誰が、音色としてのD-45の魅力を知らしめたのか。やはりそれは、CSN&Y(クロスビー・スティルス・ナッシュ&ヤング)の存在ではないでしょうか。D-45サウンドを駆使し、オープンチューニングを多用したアンサンブルには今なお圧倒されます。 でも、私は思うのです。D-45のようにギター一本だけでも十分と思えるほどに完成された音色は、アンサンブルよりもシンプルな弾き語りでこそその魅力が発揮されるのではないかと。すなわち、ニール・ヤングの弾き語りこそがD-45の真髄なのではないかと思うわけです。 で、なぜ突然ニール・ヤングの話題かと言うと、遅ればせながらOBS(オフィシャル・ブートレッグ・シリーズ)を大人買いしたからなんですけどね。 ・CARNEGIE HALL 1970(1970年12月4日) ・DOROTHY CHANDLER PAVILION 1971(1971年2月1日) ・ROYCE HALL 1971(1971年1月30日) ・CITIZEN KANE JR. BLUES(1974年5月16日) さらには、少し前にでた「YOUNG SHAKESPEARE(1971年1月22日)」と名盤「Live At Massey Hall(1971年1月19日)」も含めると、この時期近辺で6タイトルもリリースされています。ニール本人が、いかにこの時期を特別なものとして捉えているかが伝わってきますね。選曲的にも、1970年の「After The Gold Rush」と、1...