スキップしてメイン コンテンツに移動

ギタリスト向けのオーディオを考える③

現在の私の愛器「Babyface PRO」

Fireface UCは気に入っていたものの、、、

プロ用の機材ということもあってか、ラックマウントタイプだったんですよね。

ということもあり、机上で使うにはちょっと不格好。

電源に関しても、ACアダプタが必要になるため、配線的にもあまり美しくなく。

デスクトップ上だけでシンプルに完結させたいと考えていた私の理想を全て満たせる製品ではありませんでした。



それをあっさりクリアしてしまったのが、2011年に発売された「Babyface」でした。

とにかくシンプルで、コンパクト。

無駄のない洗練されたフォルムにはとても惹かれるものがありました。

音質面では不利ですが、ACアダプター使わずに、USBバスパワーだけで高品質かつ、安定した動作を実現させた技術力の高さは素晴らしいものがありました。

しかも、CCモード(iPadとドライバなしで接続可にするモード)にも対応していて、iPadをミキサーやレコーダー代わりに使えたりするのです。

iPadをレコーダーとして使えば、PCを使った録音をする際に問題となるファンやハードディスクの動作音を回避できますからね。

また、搭載されているマイクプリやDACチップなどは、Firefaceと比べると、若干性能が落ちるようですが、それでも口煩いオーディオマニアたちから高い評価を得ていましたからね。

さらには、日本限定のブルーバージョンや、漆塗りバージョンまで発売されるなど、相当数、日本で売れたのではないかと推測します。

しかも、価格までお手頃ということもあって、この時はさすがに失敗したなーと感じていました。



そんな後悔の日々を送っていたわけですが、昨年、救世主があらわれました。

それは「Babyface PRO」です。

かなり羨ましかったBabyfaceですが、唯一、私的に欠点と思っている部分があったんですよね。

それは、マイクやスピーカー、アンプなどと接続する際に必要になるブレイクアウトケーブルでした。

簡単に言ってしまうと、ケーブルを拡張させるために使う分岐用のケーブルですね。

これがいまいち、見栄えがよくなかったのです。

ところがBabyfaceでは、XLR端子が備え付けられてて、見栄えがとても良い。

さらには、最新のFirefaceシリーズと同等まで、性能がアップしていたのです。

これはもう買うしかない!ということで、即決してしまいました。



現時点での話ですが、音質、性能、機能、全て満足しています。

ハイレゾを含む音楽再生や録音はもちろんのこと、良質なマイクプリアンプに、付属のソフトウェアを使えばミキサー機能やオーディオ計測・解析までできてしまう。

自分のやりたいと思っていたことが、これ一台で全て完結できてしまうんですよね。

本当に良い時代になったものだなと。

もちろん、それを使いこなせるのかは別の話ですが(笑)

次回は、このBabyface PROの機能・性能を活かせる、スピーカー選びについて考えてみたいと思います。

Popular Posts

ショートスケールのアコギについて考える その③

ロングスケールのD-18GE(2004年)とショートスケールのOOO-18GE(2006年) 今回はショートスケールのデメリットについて、考えてみたいと思います。 ※過去記事はこちら ↓↓↓ 「 ショートスケールのアコギについて考える その① 」 「 ショートスケールのアコギについて考える その② 」 私が尊敬する中川イサト師匠、岸部眞明氏などなど。 ギターインストの世界では、変則チューニングを使われる方が多いですよね。 ギターは、チューニングを変えることで、演奏しやすくしたり、独創的な響きを作り出すことができる楽器ですので、その特性を活用しているわけですね。 でも、私にはそれが厳しかったりします。 なぜならば、これがショートスケールのデメリットだからです。 変則チューニングは、スタンダードチューニングから音階を落とした設定が基本になります。 というのも、ギターはスタンダードチューニングを前提に設計されているので、音階を上げるとテンションがきつくなって弦が切れたり、ギターに負荷がかかってしまうからです。 そのため、弦を緩めた時に、演奏できるだけのテンションを保てるのかが、変則チューニングでは重要になります。 変則チューニングにした場合、弦のテンションが強いロングスケールであれば問題はありませんが、ショートスケールだとテンションを保てない場合があります。 テンションを保てないと、弦の鳴りが弱くなりますし、チューニングも不安定になります。 定番のダドガド(DADGAD)やオープンG(DGDGBD)くらいであれば影響はないと思いますが、それ以上、チューニングを落とす場合は、厳しい場合もあります。 たった13ミリのスケールの違いで、響きや演奏性まで変わってくるからアコギは面白いのですが、、逆にそれだけシビアな世界ということでもあります。 個人的には、ショートスケールはメリットが多いと思っていますが、当然のことながらデメリットもあるわけで、アコギを選ぶ際には、その点に注意して頂きたいと思います。

マホガニー図鑑「YAMAHA 赤ラベル」 その①

「YAMAHA FG-180(1968年製)」 第二回にして、早くも番外編的なギターを取り上げてみたいと思います。 マホガニーの合板が使われた、国産初のアコースティックギター「YAMAHA FGシリーズ」こと、 通称「赤ラベル」です 。 ジャパンビンテージ と言われ、人気の高い赤ラベル(FG-180、FG-150)ですが、私はとても懐疑的でした。 現在もテリーズテリーで活躍されている方々が作られた単板のギターと言われればわからなくもないです。 でも、 サイドバックだけではなく、トップにまで合板が使われたギターから、ビンテージサウンドが出るわけがないと思っていたんです 。 そもそもこの 赤ラベルには、構造的な欠陥がある と考えていました。 それは ネックの仕込み角度に起因する弦高の高さ です。 当時は、コードストローク中心のプレイスタイルだったこともあり、弦高が高くても問題はないと考えられていたのかもしれません。 それでも、現代の水準では高すぎると思うし、それが経年変化することでネックが起き、さらに弦高が上がってしまった個体が多いんですよね。 その対応策として、サドルを削って弦高を下げるわけです。 でも、それによって弦のテンションが下がり、音質に悪い影響が出てしまうんです。 よく見かける赤ラベルは、このような状態のものばかりで、どれを弾いてもイマイチに感じられて、赤ラベルのビンテージサウンドなんてありえないと考えていたんです。 このFG-180と出会うまでは。 <関連記事> マホガニー図鑑「YAMAHA 赤ラベル」その① マホガニー図鑑「YAMAHA 赤ラベル」その② マホガニー図鑑「YAMAHA 赤ラベル」その③

「Collings」の試奏で学んだこと。Martinの魅力を再認識。

「Collings OM2H Cutaway(1997年)」 実はつい最近まで、 コリングスを避けていました 。 なんとなく、本能的にですが、 近づいてはいけないと思っていたからです。 弦を緩めなくても問題がないくらい丈夫だし、 ピッチも驚くほど正確で、 これで音まで良かったらショックだなと。 もしかして、私のマーティン君たちが いらなくなってしまうのではないかと。 そして、実際に弾いてみると、 めちゃくちゃ音が良いんですよね。 本当にやばいです。 ただ、値段はマーティンよりも高いし、 ヘッドが角ばっているところが 好みではなかったりするのですが、 評判通り、いや、 評判以上の素晴らしいアコギですね 、 これは。 でも、コリングスを弾いてみて わかったことがあります。 それは、マーティンでしか 出せない音があるのだなということです。 最近のマーティンの音質について、 いろいろ言われる方も多いですし、 はっきり、くっきりした音を求め コリングスに行きつく方も多いとは思いますが、 「 音の優しさ、柔らかさ、甘さ 」 がマーティンの個性なんだな ということをあらためて認識させられました。 また、マーティン愛好家からは、 音が硬いと言われるコリングスですが、 2000年代の後半からは、 柔らかい音色へシフトしています。 また、1990年代のものは、 作られてから約20年が経過し、 良い感じに枯れてきているので、 今が良い頃合いかもしれませんね。 特に、「 3桁コリングス 」などと呼ばれる 製造番号が3ケタのものは、 現在のUV塗装とは異なり、 ラッカー塗装で仕上げられているので、 音質的にも有利ということもあって、 プレミアがついてきていますからね。 ちなみに、この画像は、友人が購入した 「OM2H Cutaway(1997年製)」です。 一緒にかなりの本数を試奏して 決めた一本でしたが、 「音色、演奏性、堅牢性」の三拍子が 揃った素晴らしいアコギでした。 ※Collings関連記事   「Collings」のすすめ  「Collings」を語る。シリーズ  その①:楽器としての魅力   その②:トラディショナルシリーズの誕生   その③:トラディショナルシリーズの評価 ...

アコースティックギターのケースについて考える。

とにかく重い。マーティンの純正ケース 普段、レッスンに通っているわけでもありません。 それに、ライブをやるわけでもないので、アコギを持ち運ぶことなんて滅多にないんですよね。 だから、ケースなんてどれでもいいと思っていたんです。 でもこれからは、アクティブに活動していきたいと考えています。 というわけで、軽くて丈夫なケースが欲しいなと思ったわけです。 で、いろいろ調べてみました。 軽くて丈夫なケースということでは、グラスファイバーやカーボンファイバーが主流なんですね。 公表されている重さは、メーカーによって計測する条件が違うかもしれませんが、グラスファイバーなら3~4kg、カーボンファイバーなら2~3kgといったあたりが目安のようです。 アコギをちゃんと守らなくてはいけないので、軽ければいいというわけでもありません。 かといって、丈夫なら重くてもいいってわけでもないので、バランスが難しいですね。 さらに、保管まで考えると、温度・湿度対策も必要になります。 それに、持ち運ぶことも考えるとデザインも重要ですよね。 というところで、メーカーごとに重さと価格(税抜)をまとめてみました。 グラスファイバー ・ Aranjuez (3.0kg / 34,000円) ・ HISCOX (3.6kg / 37,000円) ・ Grand Oply (3.5kg / 40,000円) カーボンファイバー ・ Aranjuez (2.3kg / 76,000円) ・ BAM (3.1kg / 80,000円) ・ Grand Oply (2.7kg / 86,000円) ・ Hoffee (6.3kg / 144,000円) ・ CALTON (6.7kg / 155,000円) ・ ACCORD (2.6kg / 220,000円) マーティンの純正ケースが約6kgなので、これらのケースがいかに軽いのかがわかります。 でも例外もあって、ホフィーとカールトンはカーボンファイバー製なのに6kg以上もあります。 これは、飛行機での移動などまで想定したプロ向けということなのでしょう。 用途を見極めて、自分にあったケースを選ぶ必要がありますね。

伝説のブルースマンたちのギター。

伝説のブルースマン、ロバート・ジョンソン。このギターはカラマズーか? 伝説のブルースマンたちは、 どのようなギターを使っていたのでしょうか。 ブルースという音楽そのものが、 100 年以上の歴史があるわけで、 使われる多楽器も多種多様、 変わり続けています。 そう言った中で、 どれかひとつの楽器であったり、 ひとつのメーカーだけで、 このブルースという音楽を 代表させようという 考え方は、 どうしても無理があると思うのです。 でも、 アコースティックブルースに話を限定すると、 ギブソン=ブルースというイメージが 世の中的には強いのではないでしょうか。 これは間違いなく ロバート・ジョンソンの影響だと思うのです。 悪魔に魂を売り渡した、 とかはどうでもいい逸話ですが、 残されたギブソン L-1 を抱えた写真が あまりにもインパクトが強すぎるのです。 しかも、 ギブソンを抱えている写真が 残されているだけであり、 実際にレコーディングやライブで 使われていた楽器のデータが 残されているわけでもないのに。 ギブソンの 「Blues King」 なんて いかにもな ネーミングのギターも ありますけど、 ちょっとメーカーの イメージ戦略に煽られすぎな気も します。 では、 その他の伝説的なブルースマン達は どのようなギターを使っていたのでしょうか。 私の敬愛する ブラインド・ブレイク、 ブラインド・レモン・ジェファーソン、 ウィリー・マクテルなどは、 オスカー・シュミットが製造していた Stella というギターを使っていたと言われます。 (もちろん、こちらも諸説ありですが) その理由は、 安くて丈夫で 金物屋でも買えたという 身近さにあったようです。 言い方を変えると、 黒人のブルースマンたちでは、 マーティンやギブソンを買うことが 出来なかった ということでもあります。 おそらくこれは、 当時の人種差別や、 経済的な格差による影響が 大きかったからだろうと。 結果としてステラの音色が ブルースに適していたのは事実ですが、 どうしてもこの音色が欲しかったから ステラを選んだ訳ではなさそうだと 言うことかと。 で、このステラですが、 戦前のオリジナル・ステラと言われるもと、 戦後のものにわけられます。 戦後のステラは、 ハーモニー社に買収されてしまい、 全く別の楽器になってし...