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比較のため、友人から借りた「Martin OM-18GE(2003年)」です。 |
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「ショートスケールのアコギについて考える その①」
今回は検証のために、下記の3本を弾き比べました。
- ドレッドノート「D-18GE(2004年)」
- OM「OM-18GE(2003年)」
- トリプルオー「000-18GE(2006年)」
比較にあたって、可能な限り条件を揃えるために、製造された年代が近くて、トップにアディロンダックスプルース、サイドバックにマホガニーが使われたマーティンのゴールデンエラシリーズで揃えてみました。
ちなみに、ドレッドノートとOMはロングスケール、トリプルオーはショートスケールです。また、ボディサイズはドレッドが大きく、OMとトリプルオーは同じ大きさです。
1.ロングスケールのドレッドノートとOMの比較
ドレッドには力強さがあり、低音がとても豊かで、ストロークにまとまりがあります。
OMは、ドレッドよりも低音の量感が減って、スッキリとした印象を受けます。
それによって、音の粒立ちが明確になり、キレが出て、レスポンスも向上していますね。
この違いは、同じロングスケールでの比較なので、ボディサイズによるものだと考えられます。
2.ロングスケールのOMとショートスケールのトリプルオーの比較
OMは音に張りがあり、低音が前面に出てくる印象ですね。
トリプルオーは、OMと比べると低音が弱い印象はありますが、その分、音が太くて柔らかく、バランスも良く感じられます。
この違いは、同じボディサイズでの比較なので、スケールの違いによるものですね。
3.ロングスケールのドレッドノートとショートスケールのトリプルオーの比較
スケールの異なるものでの比較ですので、ご参考程度に。
ドレッドのまとまり感はストロークに向いていますが、このまとまり感や、強い低音によって、相対的にメロディラインが埋もれてしまいます。
一方、トリプルオーは、音の粒立ちがいい分、ストロークでは音にまとまりがでにくいですが、フィンガーピッキングでは、メロディを際立たせたり、音をコントロールしやすいですね。
※ まとめ
この違いをソロ・ギターという観点で考えると、ストロークを多用したり、パーカッシブな音を出したければパワフルなドレッドノートが良いかもしれませんね。
ただ、ソロ・ギターではメロディラインが重要だと考えているので、高音が低音に埋もれることなく、音をコントロールしやすい、ショートスケールのトリプルオーが向いていると感じました。
ゴールデンエラシリーズの場合、OMは、ソロ・ギターに向かないという結論になってしまいましたが、同じOMでもモデルによっては音作りの傾向は異なるので注意が必要です。
例えば「OM-18LJ(ローレンスジュバー・モデル)」は、同じアディロン・マホのロングスケールのOMですが、低音が意図的に抑えられていて、ストロークでもフィンガーでも使えるバランスに仕上がっています。
今回比較した「OM-18GE」は、濃厚なアディロンマホの音が楽しめる良いギターなんですが、音の個性が強いので、ソロ・ギターには向かなかいように感じました。
要は使い方ですね。