70年代から多くのギターのリペアを行い、
そして数多くのヴィンテージギターを
研究してきたビル・コリングス。
彼のヴィンテージギターのサウンドを
彼のヴィンテージギターのサウンドを
再現したいという強い想いは、
とてつもなく高い精度のギターを産み出し、
アコースティックギターの業界を
圧倒していきました。
コリングスの設立が1988年。
その後、90年代に入り
コリングスの設立が1988年。
その後、90年代に入り
順調に規模を拡大していきますが、
その背景にはエリック・クラプトンによる
アンプラグドブームの力もあったのかも
しれませんね。
クラプトンの弾いているギターは何なんだ。
ヴィンテージギターとはあんなに
いい音がするものなのか!
などと世間が盛り上がっていた時、
などと世間が盛り上がっていた時、
ヴィンテージサウンドの再現として、
コリングスもきっと注目されたのでしょう。
そしてこのヴィンテージサウンドの再現は、
そしてこのヴィンテージサウンドの再現は、
本家本元のマーティンにとっても
脅威になったはずです。
個人ルシアであればともかく、
個人ルシアであればともかく、
年間1000本以上のギターをあれだけの
質、精度で量産できたわけですからね。
マーティンも、1999年から、
マーティンも、1999年から、
プリウォーを意識した
ゴールデンエラシリーズ、
マーキスシリーズ、
オーセンティックシリーズなどを
開発しましたが、それらは、彼の存在なしには
開発されることすらなかったかもしれません。
ビル・コリングスの作るギターは、
ビル・コリングスの作るギターは、
ヴィンテージギターを再現するだけではなく、
楽器として、とても実用的・実践的なものに
仕上げられています。
塗装面でも、当初はマーティンと同じ
塗装面でも、当初はマーティンと同じ
ラッカー塗装から、実用性を重視した
UV塗装とラッカーのミックスに変わりました。
その後、音質を追求したヴァーニッシュ
その後、音質を追求したヴァーニッシュ
フィニッシュと変わっていき、昨年発売された
トラディショナルシリーズでは、再度、
ラッカー塗装が復活するなど、、、
さすがに、ちょっとブレすぎかなとも
さすがに、ちょっとブレすぎかなとも
思うのですが、この飽くなき探究心というのは
クラフトマンシップの賜物ですかね。
そしてビルの最後の作品となった
トラディショナルシリーズ。
ついに、ヴィンテージサウンドの肝と
ついに、ヴィンテージサウンドの肝と
言われているニカワを採用しましたね。
しかも、マーティンの
しかも、マーティンの
オーセンティックシリーズのように全てに
ニカワを使うのではなく、
音質に影響のある部分にだけ使うこだわり。
マーティンのように単純に仕様や工法を
マーティンのように単純に仕様や工法を
再現するのではなく、あくまでも、
実用性を重視したギターでなくてはならない
というビルの強い想いが感じられます。
とは言え、目指すサウンドも同じようでいて
とは言え、目指すサウンドも同じようでいて
実は違っていたりもするので、マーティンと
比べても鳴りは違うのですが。
でも、この質実剛健なコンセプトは、
でも、この質実剛健なコンセプトは、
まさにゴールデンエラのマーティンが持つ
本質に近いのではないかと考えたりもします。
ご冥福をお祈りします。
ご冥福をお祈りします。