プリウォーではエボニーが使われていたので、ここは'50年代と違うところですね。
音の傾向としては、材の密度や重さが影響しているのか、エボニーよりも、ハカランダの方が柔らかくて軽やかな印象を受けます。
Style 18のダブルオーやトリプルオーは、1935年頃からエボニーからハカランダへの移行がはじまり、1940年頃には移行が完了したとされています。
一方、ドレッドノートでは、1946年までエボニーが使われていました。
ちなみにStyle 18では、エボニーからハカランダに変更されましたが、Style 28では継続してエボニーが使われていました。
きっと、意図的に素材を使い分けることで、サウンドキャラクターの違いを作り出していたのだと思います。
そのことからも、この仕様がマーティンの目指したStyle 18の完成形と言えるのかもしれませんね。
このハカランダブリッジ・指盤ですが、1969年のブラジル政府によるハカランダの輸出禁止に伴い、ローズウッドに変更されることになります。
ですので、ハカランダがとても高価な材となってしまった今としては、ある意味、戦前のものよりも貴重な仕様と言えるかもしれませんね。
ちなみに、‘70年代の初頭くらいまでは、ハカランダが使われているものがありますので、興味のある方は探してみて下さい。