まさに「理想的なヴィンテージ」と言えるのではないでしょうか。
実際、使われている材も良質なものが多いですし、ヘッドの形状やロングサドル、そしてロゴに至るまで、'50年代ならではの仕様も魅力的です。
ですが、私が'50年代を押したい理由は、何よりもその「音」なんですよね。
近年のオーセンティックシリーズやゴールデンエラシリーズも素晴らしいギターだと思います。
作りも良いですし、良質で厳選された材が使われています。
でも、マホガニーに関しては「経年変化」に優るものはありません。
半世紀以上の時を経て、ゆっくりと自然乾燥し、弾き込まれることで熟成されたマホガニーは、他の何物にも代えられない魅力的な音色を奏でます。
近年ものとの違いを見せつけられる密度のある低音、透明感溢れる高音域、弾き手の思い通りに反応してくれるレスポンスなどなど。
いずれもヴィンテージのマホガニーでなくては味わえないものです。
また、ノンスキャロップに、細身のネック(ナット幅42ミリのVシェイプネック)といった'50年代ならではの仕様も貴重です。
というのも、'30年代の仕様はオーセンティックやゴールデンエラで再現されていますが、'50年代の仕様を入手するにはカスタムオーダーしか方法がありません。
それに、'50年代ならではの音の太さと、フィンガーでもフラットピックでも使えるバランスの良さは、まさにオールマイティーな存在だと思います。
ノンスキャロップの堅牢性に加え、材も十分に乾燥していますので、反りや歪みに悩まされるリスクも低いです。
いつかプリウォーを手にすることがあっても仕様が違いますし、普段使いもできるヴィンテージということで差別化ができますからね。
持っていても決して損しないヴィンテージ、それが'50年代だと私は考えます。