前回の記事では見た目の話題に終始してしまったので、オールマホの音色についてもまとめておこうというのが今回のテーマになります。
オールマホはもともとサイドバックの材として多く使われている材ですからね。振動特性が優れているわけではありません。そのため、帯域が狭く、倍音が少ない音色が特徴となります。
私が今まで弾いてきたオールマホで考えると大きく分けると「もちっと系」と「ガシャガシャ系」に分類できると考えています。
もちっと系は、柔らかい音、暖かい音と形容されることが多いですね。フィンガースタイルで優しいタッチで弾いてあげると他の材では決して出すことのできない美音を奏でてくれます。
例えば私が以前所有していた0-17などはまさにこのタイプで、優しく弾くととんでもなく美しいもちっとサウンドを響かせてくれました。硬質な材を使ったギターでは決して出すことのできない音色です。
また、小型のパーラーギターとして人気の高い2-17などもテンションの弱いコンパウンド弦を張ってあげるとなんとも言えない優しい音色を奏でてくれますよ。ピッキングした時のエッジ感は弱いのですが、その分、ジャジーなフレーズなどによく合う音色だと思います。
一方、ガシャガシャ系は真逆の音色で、倍音が少なく、箱なり感も弱いので弦鳴り感がより強調されるイメージでしょうか。ピッキングした時のエッジ感やザクザク感で勝負するような感じですね。
余計な倍音はありませんので。この方が歌に合わせやすいという方もいらっしゃると思います。また、エレアコとして使うのであれば、余計な倍音がないので、エフェクターなどで音作りもしやすいかもしれません。
多くの方がイメージされるオールマホの音色は後者のガシャガシャ系なのかと思います。前者はマーティンにしろ、ギブソンにしろ戦前のギターに多い特徴ですね。オールマホという要素に加えて何十年も熟成されたヴィンテージ・マホガニーというのも理由のひとつなのかもしれません。
いかがでしたでしょうか。オールマホだからと言って全てが同じ音でもないし、もちっと系とガシャ系の中間に位置するようなギターもありますし、弾き方を変えるだけでもちっと系にもガシャ系にもなるギターもあります。
オールマホ=泥臭いみたいな先入観に囚われることなく、唯一無二の圧倒的なビジュアルと持ちつつ、自分の出したい音色のギターを見つけられるといいですね。
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