ブリッジと指盤はハカランダです。
廉価版であるこの「Style 17」でも、ハカランダが使われていることからも、当時はハカランダが潤沢に存在した時代であったことが想像できます(端材の有効活用なのかもしれませんが)。
ハカランダの場合、エボニーに比べて軽やかな音になりますので、この軽やかさというのが、当時の職人が狙っていた音作りなのかもしれませんね。
ナット幅は、1938年以前ですので、44.5ミリ。
1939年以降の42ミリ幅のものと比べ、ナット幅が広いことで、その分ネックの質量が増えますので、サステインや響き方にも影響を与えていると考えられます。
また、特徴的な部分としては、ナットにエボニーが使われていることがあげられます。
音作りとしてウッディーな感じを出したかったのか、もしくはこれまた端材の有効活用だったのか。
その辺の事情はわかりませんが、このエボニーナットが0-17らしい「ほっこり」したオールマホサウンドのポイントと言えます。
※牛骨の方が現代的な音色を出せるとは思いますが。
ネックはモディファイVの形状で、いわゆる、昨今のオーセンティックと同じですね。
また、1941年以前ですので、ネックのロッドには鉄製のTバーが使われています。
1942年以降のエボニーロッドと弾き比べると、鉄製のTバーの方が質量がある分、重量感があり、高音域に艶と質感を加えてくれているように感じます。
逆にエボニーロッドの場合には、マホガニーの軽やかな感じが増してくるので、ラグタイムのような軽快な楽曲で使っていきたい音色ですね。