トップ材は、もちろん、マホガニーです。
一般的にトップ材として使われることの多いスプルースと比べると、振動幅は小さく感じられます。
その影響もあってか、周波数の帯域的にはかなり狭い印象を受けます。
特に低音は弱いですね。
ただ、あえて「鳴りにくい」トップ材を使うことで、まとまりの良い、濃厚なマホガニーらしい中音域を出していると考えることもできます。
個人的にはこの濃厚さ(帯域の狭さ)こそが、オールマホガニーのギターの魅力だと考えています。
特に、よく弾きこまれたヴィンテージともなると、スプルースのギターや、新しいオールマホのギターでは決して表現できない素晴らしい音色を奏でるようになります。
またプリウォーには、キューバンマホガニーが使われているという都市伝説も囁かれていたりもするのですが、木目を見る限り、この個体に関しては、そうではないと思われます。
これ以外でも、それなりの本数のマホガニーが使われたギターを弾いたことがありますが、やはり、ほとんどがキューバンマホガニーではない、もしくは判断できないものでした。
この辺はプロの方にきいても、なかなか判断が難しいようですが、その大半がホンジュラスマホガニーなのだろうと私は考えています。
少なくとも、キューバンマホガニーではなくても、しっかり弾きこまれ、熟成されたマホガニーのギターは、とんでもない美音を出す、そのことだけは間違いありません。