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ギタリストの爪の乾燥対策 その④(ニベアの結果報告)

2014年大晦日の右手爪。 ニベアを使い始めてから3ヵ月が経ちました。 爪が生え変わるのには、3ヵ月程度かかるといわれていますからね。 そろそろ真の効果がわかる頃かなと。 で、効果ですが。。。 「 11月までは完璧 」でした。 ササクレはできなくなったし、ワレもヒビもないし、二枚爪は治るし。 「 これは間違いなくニベア効果だ! 」と確信していました。 でも、12月になり、本格的に乾燥してくると状況は変わってきました。 (忘年会シーズンによる不摂生の影響かもしれませんが) ササクレができ、中指に少しだけヒビが入ってしまったんですよね。 考えてみると、以前爪が割れて困っていたのは「1~3月」だったなと。 つまり、 これからの3ヵ月をどう乗り切るのか。 これが、 自爪派ギタリストの課題 だと再認識しました。 ただ、ニベアの研究成果としてお伝えしたいこともあります。 それは、使い方のポイントです。 お風呂あがりや、手洗いの後など、爪の油分が取れてしまった時に、「 ニベアで油分を補給 」してあげるのが良いですね。 また、「 ニベアを塗った状態で爪を削る 」と、スムーズに削ることができ、爪へのダメージを減らすことができます。 興味のある方は、是非、お試しください。 ブログをはじめてからちょうど一年。 ソロ・ギターをはじめてからもちょうど一年。 アコギのおかげで、本当に楽しい一年を過ごすことができました。 当ブログにお付き合い頂き、ありがとうございました。 また来年もよろしくお願い致します。

鷲見さんの工房訪問 その③

壁一面に保管されたギターの型、型、型。 まず驚いたのは「 ギターの型の多さ 」でした。 きっと、たくさんのお客さんからの要望に応えているうちに、 これほどまでの種類の型が揃ったのでしょうね。 これは、顧客からの 鷲見ギターへの信頼の高さ を物語っているなと感じました。 そして、鷲見さんの尽きることのないギターへの探究心が そうさせているのだろうなとも思いました。 また「 素材の豊富さ 」にも驚かされましたね。 工房の近くで保管されているのですが、木に書かれた購入日のメモを見る限り、 丁寧にじっくりと自然乾燥させている ようでした。 なるほど、だから 鷲見ギターは新品でも音が良い んですね。 また、十分に乾燥させることで、木材も変形しにくくなるので、 トラブルが少なく、丈夫で長持ちするギター ができるのだなと。 まだまだ乾燥に時間がかかるようですが、 コア、アフリカンブラックウッド、マダガスカルローズ、ホンジュラスマホガニーなど、 書ききれないくらいの素晴らしい材を保有されていました。 特に、アフリカンブラックウッドには自信ありとのことでした。 というよりも、自慢のアフリカンブラックウッドを使って、 もっとたくさんギターを作ってみたいというご様子でした(笑) 何本か試奏させて頂いたギターもどれも素晴らしくて、 とても良い経験をさせて頂きました。 特に、奥様のために作られたという インディアンローズウッドのシングルオーは驚きの音色でした。 10年であそこまでのビンテージ感を出せるなんで、本当に凄いなと。 鷲見さん、いろいろとありがとうございました。またお邪魔させて下さい!

鷲見さんの工房訪問 その②

調整前の「S-00MC(2014年製」 知らなかったのですが、、、 木材と同様、 牛骨で作られているナットやサドルも、変化する んだそうです。 この「S-00MC」もサドルが抜きにくくなるくらい膨張していました。 そのため、弦高調整で高さを削るだけではなく、 少しだけ細身になるように調整していましたね。 こうすることで、ジャストすぎるものよりも 弦の振動をナチュラルにボディに伝えることができる とのことです。 サドルの高さを調整中 そしてナット側も丁寧に調整していきます。 ナットの角度は音質に影響を与えますが、 鷲見ギターの全てを知り尽くしている鷲見さんだけに、 長年の経験と勘に基づいて、最適な角度に削り出していきます。 自分の作ったギターのどこをどう変えると、 どういう音になるのか、イメージがあるんですね。 逆に、自分が作っていないギターはどうしたらいいか 全くわからないと言われていましたが(笑) サドルの細さも調整中 これだけの調整で、かなりの変化があったので驚きました。 まず、サドルを削り、トラスロッドを調整したので、 弦高が下がり、フィンガー向けのギターに生まれかわりました 。 しかし、サドルを削って弦高を下げると、弦のテンションが弱くなるので、 ボディの鳴りまで弱くなってしまうのではないかと心配していたのですが、 それは大きな間違いでした。 ナットの角度、トラスロッドでの調整 ナット側の角度を調整することで弦のテンションを保ち、 サドルを細身にすることで震度の伝達をスムーズにして、 なんと「 ボディの箱鳴りを増幅 」させてしまったのです。 これにより、プレーン弦の固さも取れて音は柔らかくなり、 バランスが向上しました。まさにリクエスト通りの調整です! ギターは、木工技術だけではなく、 そのギターの個性・特性を知り尽くしていないと、 適切なリペアはできないのだなと、改めて感心させられました。

鷲見さんの工房訪問 その①

上田駅前の真田幸村像。11月なのに只今の気温は9度(^_^;) 長野県にある鷲見工房にお邪魔してきました。 直前に、白馬村での地震もあり、影響を心配していたのですが、 上田周辺では被害はなかったようですね。安心しました。 ただ、あいにくの雨で、11月なのにお昼時になっても気温は9度。 雪にならなかっただけマシですが、それでもかなり寒かったです。 今回の目的は、友人が今年6月に購入した 鷲見工房の「S-00MC」の調整のためでした(詳細は コチラ )。 ハンドクラフトギターフェスに出展されていたギターということもあって、 汎用的なセッティングになっていたんですね。 そのため、フィンガー向きのセッティングに直してもらいたいことと、 半年経って問題が出ていないかを確認して頂きました。 鷲見さんの工房。工具や設備がとても充実していました。 鷲見さんとは、上田駅での待ち合わせ。 オススメの蕎麦屋、上田城を経由しつつ、鷲見さんの工房へと向かいました。 途中の車の中で、鷲見ギターの感想や、フィンガー向けにセッティングして欲しいこと、 音色をもう少し柔らかくして欲しいことをお伝えしました。 後で聞いた話ですが、ギターを見る前に、この時点で今どのような音なのか、 どう調整すべきなのか、鷲見さんの頭の中にはイメージができていたようです。 流石ですね! 調整方法はとてもシンプルで、 サドル、ナット、トラスロッドの調整だけだったのですが、 この当たり前とも思える調整だけで、どれだけ音が変わるのでしょうか。

1852年製の「Martin 2-27」の音色を味わう。

以前、ご紹介した、小倉博和さんの『GOLDEN TIME』が発売されました。 過去記事はコチラ ↓↓↓ 「 マーティン・ヴィンテージギター・ガイド 1 & 2 」 小倉さんと言うと、個人的には、佐橋佳幸さんとのギター・デュオ「山弦」での活躍が思い浮かぶのですが、桑田佳祐さんや、ミスチルの櫻井和寿さん、福山雅治さんといった大物からも認められている日本トップレベルのギタリストなんですよね。 この作品の最大のポイントは、使用されているギターです。 なんと、 1852年に マーティンⅠ世が 製作した「2-27」 が使われているのです。 1852年というと、あのペリー提督が率いる黒船が来航する1年前ですからね。歴史を感じさせられますよね。 またこのギターは、世界的に有名なコレクター、スコット・チナリー氏が所有していたものらしいのですね。 この作品は2枚組になっていて、1枚目には林立夫さんや井上鑑さんとのセッションが、2枚目にはネイキッドバージョンとして、小倉さんのギターとベースだけの演奏が収録されています。 そのため、音楽作品としても、貴重なビンテージギターの音源記録としても楽しめるようになっています。 ちなみに、ギターマガジン2014年11月号には「Green Sleeves」の別バージョンが収録されていますので、興味のある方はそちらも是非。 そしてさらに面白いのがこちらのYouTubeです。 YouTubeはコチラ ↓↓↓ 「 福山雅治のSUZUKI Talking FM 」 2014年11月23日に放送されたFM番組ですが、小倉さんの「2-27(1852年)」に加え、 なんと、、、 福山さん所有の「OM-45(1930年)」 を使ったセッションを聞くことができるのです。 ここでは、桜坂のインストバージョンを演奏しています。 YouTubeの音質がイマイチなのが残念ですが、それでも福山さんが弾き始めた瞬間に背筋がゾクゾクしてしまいました。 二人のビンテージギタートークも面白いですよ。 <関連記事> 1930年製の「Martin OM-45」の音色を味わう。 1970年製の「Martin 00-45S」の音色を味わう。 NHKの音楽番組「The Covers」に福山...

マホガニー図鑑「YAMAHA 赤ラベル」 その③

「YAMAHA FG-150(1969年製)」 赤ラベルの音色は十分に魅力的だとは思います。 ただ「FG-180」の場合、合板の特性なのでしょうか。 低音を上手くコントロールできず、締まりのないモコモコと膨らんだ音になってしまうんです。 低音の膨らみを解消するには、ボディサイズを小さくすればいいというのが私の持論です。 となると「FG-180」よりも一回り小さい「FG-150」を試してみたくなりますよね。 というわけで入手してみました。 いくつかパーツは取り替えられていますが、十分にセッティングされた1969年製の「FG-150」です。 それでは、実際に弾いてみましょう。 予想通り、低音の量感が減っているので、中高音域が前面に出てきて、楽器としてのバランスがとても良いです。 それに、音の深みだったり、ヌケの良さといった、熟成したマホガニーらしさも感じられます。 ただ、 ボディサイズが小さいため、箱鳴りよりも弦鳴りが強く出るので、ヴィンテージ感は「FG-180」の方が上 ですね。 この中間のサイズが欲しかったな。 1970年代に入ると、たくさんの国産アコギが作られるようになりましたが、いろいろ調べてみると、マホガニーが使われたギターは廉価ものばかりなんですよね。 その大半がローズウッドの「D-28」や「D-35」をベースにしたものばかりですからね。 今になってみると、なぜヤマハが、国産第一号のアコギにわざわざマホガニーを選んだのか不思議に思います。 赤ラベルは、国産初のアコースティックギターとか、フォークギターの元祖とか、ジャパン・ヴィンテージとして評価されています。 でも、 個人的には、国産マホガニーの名器として評価したい と考えています。 過大評価されている部分もあるとは思いますが、コストパフォーマンスは抜群だと思います。 <関連記事> マホガニー図鑑「YAMAHA 赤ラベル」その① マホガニー図鑑「YAMAHA 赤ラベル」その② マホガニー図鑑「YAMAHA 赤ラベル」その③

マホガニー図鑑「YAMAHA 赤ラベル」 その②

赤ラベルとしてはなかなかのセッティング この「FG-180」を弾いて驚きました。 というのも、 同じ年代の下手なマーティンよりも鳴ってしまった からです。 もちろん、そんな訳がないと思われる方も多いとは思います。 でも、良い音というのは個人の主観が入りますが、単純に鳴りという観点であれば客観的に判断することができますからね。 間違いありません。 そして 合板であるのにも関わらず、サウンドにはしっかりとマホガニーの質感が残っている んです。 しかもそれは、 紛れもないヴィンテージ・マホガニーの質感 です。 今まで弾いてきた赤ラベルとは何が違うのかなと考えてみました。 それは、 セッティングの違い だということに気が付きました。 この個体では、 十分なサドルの高さを残しつつも、弦高を下げることで、鳴りの良さと、高い演奏性を両立することができているのです。 具体的には、12フレット上で1弦側が2.1ミリ、6弦側が2.6ミリという素晴らしいセッティングですね。 これならば、現代的なフィンガースタイルでも十分に使うことができます。 もちろん、この赤ラベルはジャパン・ヴィンテージとして過大評価されている部分はあるとは思いますよ。 それでも、音にも深みやキレのようなものは間違いなく感じられますし、 合板でもヴィンテージ・サウンドに進化することを証明してくれています 。 個人的には、レスポンスが良く、クセのない素直な音がでるので、打田十紀夫さんが演奏されるようなラグタイムやカントリーブルースに合うと思います。 <関連記事> マホガニー図鑑「YAMAHA 赤ラベル」その① マホガニー図鑑「YAMAHA 赤ラベル」その② マホガニー図鑑「YAMAHA 赤ラベル」その③

マホガニー図鑑「YAMAHA 赤ラベル」 その①

「YAMAHA FG-180(1968年製)」 第二回にして、早くも番外編的なギターを取り上げてみたいと思います。 マホガニーの合板が使われた、国産初のアコースティックギター「YAMAHA FGシリーズ」こと、 通称「赤ラベル」です 。 ジャパンビンテージ と言われ、人気の高い赤ラベル(FG-180、FG-150)ですが、私はとても懐疑的でした。 現在もテリーズテリーで活躍されている方々が作られた単板のギターと言われればわからなくもないです。 でも、 サイドバックだけではなく、トップにまで合板が使われたギターから、ビンテージサウンドが出るわけがないと思っていたんです 。 そもそもこの 赤ラベルには、構造的な欠陥がある と考えていました。 それは ネックの仕込み角度に起因する弦高の高さ です。 当時は、コードストローク中心のプレイスタイルだったこともあり、弦高が高くても問題はないと考えられていたのかもしれません。 それでも、現代の水準では高すぎると思うし、それが経年変化することでネックが起き、さらに弦高が上がってしまった個体が多いんですよね。 その対応策として、サドルを削って弦高を下げるわけです。 でも、それによって弦のテンションが下がり、音質に悪い影響が出てしまうんです。 よく見かける赤ラベルは、このような状態のものばかりで、どれを弾いてもイマイチに感じられて、赤ラベルのビンテージサウンドなんてありえないと考えていたんです。 このFG-180と出会うまでは。 <関連記事> マホガニー図鑑「YAMAHA 赤ラベル」その① マホガニー図鑑「YAMAHA 赤ラベル」その② マホガニー図鑑「YAMAHA 赤ラベル」その③

マホガニー図鑑「Martin 000-18GE」④

Martin OOO-18GE(2006年製) ペグはゴトーのオープン、ナットとサドルは牛骨。 ナット幅は1930年代のマーティンの標準仕様であるワイドネックの44.5mmです。 トリプルオーサイズですので、ネックはショートスケール。 ネックシェイプは30年代仕様のModified Vですね。 オーセンティックも同じネックシェイプですが、ゴールデンエラは、若干、細身に作られているようで、とても握りやすく感じます。 ちなみに、オーセンティックとの違いですが、ロッドはTバーロッドではなく、アジャスタブルロッドが使われています。 高い品質と素晴らしい音色。 そして抜群のコストパフォーマンス! ということで人気のモデルではありますが、私的に注目して欲しいのは、、、 現代的な演奏にも適合できる弾きやすいネックシェイプ 細かい調整が可能なアジャスタブルロッドの採用 といった、実用性の高さなんですよね。 そして、アディロン・マホの組み合わせをもっともコストパフォーマンス高く、楽しめるモデルという位置づけも魅力だと思います。 まさに、プリウォーマーティンと現代技術が融合した、素晴らしいギターです。 ちなみにこの「000-18GE」ですが、、、 残念なことに、2013年に生産が完了してしまったそうです。 <関連記事> マホガニー図鑑「Martin 000-18GE」① マホガニー図鑑「Martin 000-18GE」② マホガニー図鑑「Martin 000-18GE」③ マホガニー図鑑「Martin 000-18GE」④ 「赤い黄金」マホガニー マホガニーに合うトップ材を考える サイドバック材としてのマホガニーを考える ネック材としてのマホガニーを考える 近年モノのアディロンを考える(ゴールデンエラのススメ) 「Style 18」ゴールデンエラシリーズの音質比較

マホガニー図鑑「Martin 000-18GE」③

Martin OOO-18GE(2006年製) サイドバックですが、マーティン社のカタログでは「Genuine Mahogany」と記載されています。 直訳すると本物のマホガニーという意味ですね。 産地を明記しないのは、年々、規制が厳しくなる木材の輸出時の対策として、あえて産地をわかりにくくしているという説がありますね。 私がマホガニーを選ぶときは、木の密度を確認するのですが、材が枯渇している昨今において、ゴールデンエラシリーズは、なかなか良い材が使われていると思います。 ネックは「Select Hardwood」と記載されています。 サイドバックとは異なり、音への直接的な影響が少ないこともあってか、マーティン社は早々にマホガニーからその代替材に変更しています。 たしか、2005年頃のことだったと思います。 ただ、「Select Hardwood」と記載されていても、マホガニーネックのものは存在します。 ですので、こだわるのであれば、できるだけ初期ものを探された方が、マホガニーネックの確率が高いと考えています。 ただ、マホガニーであればよいというわけでもなく、品質の良い、密度の高い材の方が望ましいので、何にこだわるのか、ということになりますね。 <関連記事> マホガニー図鑑「Martin 000-18GE」① マホガニー図鑑「Martin 000-18GE」② マホガニー図鑑「Martin 000-18GE」③ マホガニー図鑑「Martin 000-18GE」④ 「赤い黄金」マホガニー マホガニーに合うトップ材を考える サイドバック材としてのマホガニーを考える ネック材としてのマホガニーを考える 近年モノのアディロンを考える(ゴールデンエラのススメ) 「Style 18」ゴールデンエラシリーズの音質比較