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伝説のブルースマンたちのギター。

伝説のブルースマン、ロバート・ジョンソン。このギターはカラマズーか? 伝説のブルースマンたちは、 どのようなギターを使っていたのでしょうか。 ブルースという音楽そのものが、 100 年以上の歴史があるわけで、 使われる多楽器も多種多様、 変わり続けています。 そう言った中で、 どれかひとつの楽器であったり、 ひとつのメーカーだけで、 このブルースという音楽を 代表させようという 考え方は、 どうしても無理があると思うのです。 でも、 アコースティックブルースに話を限定すると、 ギブソン=ブルースというイメージが 世の中的には強いのではないでしょうか。 これは間違いなく ロバート・ジョンソンの影響だと思うのです。 悪魔に魂を売り渡した、 とかはどうでもいい逸話ですが、 残されたギブソン L-1 を抱えた写真が あまりにもインパクトが強すぎるのです。 しかも、 ギブソンを抱えている写真が 残されているだけであり、 実際にレコーディングやライブで 使われていた楽器のデータが 残されているわけでもないのに。 ギブソンの 「Blues King」 なんて いかにもな ネーミングのギターも ありますけど、 ちょっとメーカーの イメージ戦略に煽られすぎな気も します。 では、 その他の伝説的なブルースマン達は どのようなギターを使っていたのでしょうか。 私の敬愛する ブラインド・ブレイク、 ブラインド・レモン・ジェファーソン、 ウィリー・マクテルなどは、 オスカー・シュミットが製造していた Stella というギターを使っていたと言われます。 (もちろん、こちらも諸説ありですが) その理由は、 安くて丈夫で 金物屋でも買えたという 身近さにあったようです。 言い方を変えると、 黒人のブルースマンたちでは、 マーティンやギブソンを買うことが 出来なかった ということでもあります。 おそらくこれは、 当時の人種差別や、 経済的な格差による影響が 大きかったからだろうと。 結果としてステラの音色が ブルースに適していたのは事実ですが、 どうしてもこの音色が欲しかったから ステラを選んだ訳ではなさそうだと 言うことかと。 で、このステラですが、 戦前のオリジナル・ステラと言われるもと、 戦後のものにわけられます。 戦後のステラは、 ハーモニー社に買収されてしまい、 全く別の楽器になってし...

道具としてのギターに求められるもの。

この画像は、 前回ご紹介した1938年製の000-18(左)と 初登場の1938年製の000-28(右)です。 どちらもフォワードシフトブレーシングの 44.5ミリ幅のワイドネック仕様です。 実はかなり無茶をして2本揃えていました。 価格的にはOMという選択肢もあったのですが、 私的には、マーティンではやはり ロングスケールのOMではなく、 ショートスケールの000が好みなんですよね。 また、オリジナルのOMは、 演奏性など、まだ改良点があるように 思ったりもしていて、 OMを買うならマーティンを発展させた ルシアものかなと考えています。 ただ、あの暴れ馬的な魅力は、 オリジナルOMでなくては 感じられないので、 難しいところではありますね。 ま、結局のところ、 無理がたたり、家計がおかしくなり、 個人的に破産(笑) 000-28は泣く泣く手放すことに なってしまったのですが。。。 でも、もうこれ以上はないと言える ギターを 所有できたということだけでも 幸せだったと思うようにしています。 だからというわけではありませんが、 ヴィンテージギターという点では 行き着いてしまったなと感じていたりします。 ここまでくると、ヴィンテージにはないものを 求めたくなるのが男心というもので。 では、ヴィンテージギターでは満たせない 部分 とは何なのか。 それは実用性であったり、実践力かと。 すなわち道具としてのギターですよね。 楽器なので道具で当たり前と言われれば それまでですが、 ヴィンテージギターを骨董品のように 集めることも楽しみのひとつなわけで。 では、ギターを道具としてみた場合、 求められるものは何でしょう。 傷をつけても気にならないような お手軽さというのも重要だとは思いますが、 今回は性能として何が必要かを 考えたいと思います。 それはいかなるコンディションでも 良い音色を出せる安定性だったり、 トラブルの起こらない堅牢さ、 そして音程などの楽器としての精度 ではないでしょうか。 ぶっちゃけ、ゴールデンエラ期の マーティンも精度は高いです。 これは本当に技術力の高い職人がいたのか、 はたまた、価値のあるギターだから 丁寧にメンテナンスがされてきたからなのか。 実際のところはわかりませんが、 職人の技術力が高かったということに しておきましょう。 それだけに、 やはり...

マホガニー図鑑「000-18(1938年製)」

ついに巡り合えました。 1938年製のMartin 000-18です。 今まで色々なギターを弾いてきましたが、 まさに別格と言える一本です。 一般的に1930年代は マーティンのゴールデンエラ期と呼ばれ、 歴史あるマーティンのギターの中でも 特別なものとされています。 世界中のコレクター、プレイヤーが 探し求めているのもこの時期のギターですね。 ゴールデンエラと言っても 実は様々な仕様が存在していて、 簡単に分類するだけでも、 (1934年以前)  ・エボニーロッド  ・バーフレット  (指がひっかかって微妙に弾き難い・・・) (1934年以降)  ・スチール製のTバーロッド  ・現在と同じフレットに変更(演奏性向上) (1938~1939年以降)  ・ブレーシング位置が変更(リアシフト)  ・ナット幅が44.5mmから42mm幅に変更 (1942年以降)  ・エボニーロッドに変更  (第二次大戦により鉄が入手制限かかる) 人それぞれの好みはあると思いますが、 やはり1934〜1941年が人気が高いですね。 (お値段も) この個体が作られた1938年頃は過渡期にあたり、 様々な仕様のものが混在しているのですが、 この個体は移行前のフォワードシフト、 ワイドネックと呼ばれるナット幅44.5mmの 仕様のものです。 主にフィンガースタイルで演奏する 私にとっては、このは仕様が理想ですね。 本家マーティンの オーセンティックシリーズ (000-18 Authentic 1937)でも、 このギターと全く同じ仕様が 採用されていますからね。 マーティン社としても、 それだけ理想的な仕様と 考えているのかもしれません。 オーセンティックシリーズとしても かなり初期段階で製作されていますしね。 このナット幅の変化ですが、 弾き語りなどの歌ものに合わせやすいように 変更されたのだと思っています。 ブレーシング位置の変更(リアシフト) とともに、和音の響きに大きく 影響しますからね。 肝心の音色ですが、、、 私は今まで、アディロン・マホのプリウォーは、 このブログでも紹介した ・1937年製のD-18 ・1938年製の00-18 と所有していましたし、 その他でもプリウォーのギターは それなりの本数を試奏してきましたが、 独特のプリウォーサウンドというものがある と感じてます。 ア...

マホガニー図鑑「OMC-18LJ Laurence Juber(2008年製)」

ついに友人が入手しました、 ローレンスジュバーモデル。 発売当初から名器と呼ばれている 人気モデルですね。 それだけになかなかお目にかかれない レアギターとなっています。 最初に発売されたのが2002年でしたが、 当然のことながら入手困難となり、 2008年にMartinのカスタムショップから 限定で再発されました。 このギターはその再発ものですね。 友人のご好意で、たくさん試奏させて もらえましたので、 早速、図鑑に登録させてもらおうかと。 まずはスペックから。 サイドバックはマホガニー、 トップにはアディロンダックスプルース。 フィンガースタイル向きと言われるOMサイズ。 そして、ハイポジションでの演奏性の高い カッタウェイ付き。 まさに即戦力、実戦向きのギターと言えます。 そして音色のインプレッションですが、 アディロン・マホの最強の組み合わせが〜とか、 力強い低音が〜、 美しい高音域が〜とか、 色々語れるのかなと思っていたのですが、、、 弾けば弾くほどこれはちょっと違うな という印象を持ちました。 このギターを弾いていて強く感じたのは、 とにかく、 「圧倒的にバランスのいいギターだ」 ということでした。 このギターのレビューなどを見ると、 アディロンとマホガニーの組み合わせだから 音がすごい!! などと評価される方もいらっしゃいますが、 私はそうは感じませんでした。 このブログでもアディロン・マホのギターを 数多く紹介してきていますし、 ジュバーモデルに関しても、 今まで5本程度試奏してたこともあるのですが、 やはり私的にはあまりアディロンらしさを 感じなかったんですよね。 これは意外に思われる方も 多いかもしれませんね。 なぜその結論に至ったのかというと、、、 たまたまなのですが、 このギターを購入時にOM-18 Authenticが お店にあったので、 比較させていただいたのです。 いわゆるアディロンダックらしい倍音感や、 ロングスケールのOMらしい 暴れ馬のような力強い鳴り、 音の立体感などは、 やはりオーセンティックの方が各上だなとは 感じてしまうのですが、 この二本を弾き比べることで、 それまで想像していたのとは異なる魅力が このジュバーモデルにはあるということに 気づかされたんですよね。 ジュバーと比較すると、、、 例えば、以前所有していた ゴー...

マホガニー図鑑「Martin 2-17(1927年製)」

通り過ぎていったギターたち、 第三弾は1927年製の2-17です。 スモールギター好きにはたまらない 究極のパーラーギターですね。 ※残念ながら画像を紛失してしまい、 Hobo'sさんから拝借させて頂きました。 何が凄いかと言うと、 これでしか出せない世界観があるからです。 また、個性的なルックスも 非常に魅力的ですよね。 一般的には、 ブルースやラグタイムに向いていると 言われたりもしますが、 私的にはちょっと違った印象を持っています。 個人的な意見ですが、その種の音楽に必要な 「パンチ」がない(弱い)と思うんですよね。 ボディが小さいこともありますし、 また、スチール弦仕様に設計されてるとはいえ、 カスタムライトくらいまでの張力しか 耐えられないので、こんな程度が限界かなと。 ということもあり、 そのパンチのなさを活かして、 ジャジーなフレーズや、 ソロギターの小作品などに向いているなと 思うんですよね。 ヌケが悪くて、 ちょっと丸みを帯びた独特な音像が、 唯一無二の音色を奏でてくれます。 極めて音楽的な音色です。 ただ、所有欲を確実に満たしてくれる 素晴らしいギターではあるのですが、、、 実際に持つと物足りなさを感じたり、、、 手放してしまうとまた欲しくなったり、、、 と、なかなか気難しいギターなんですよね。 同じ経験をされている方も多いのでは(笑) それでも、 パーラーギターの魅力を知りたい方には 絶対オススメなギターですよ。 ■オールマホ関連記事 私がマホガニーに惹かれたもう一つの理由『オールマホのすゝめ』 『続・オールマホのすゝめ』オールマホを選ぶ理由。 ■オールマホ図鑑 マホガニー図鑑「Martin 0-17 1935年製」① マホガニー図鑑「Martin 0-17 1935年製」② マホガニー図鑑「Martin 0-17 1935年製」③ マホガニー図鑑「Martin 0-17 1935年製」④ マホガニー図鑑「Martin 2-17(1927年製)」

マホガニー図鑑「Martin 00-18(1938年製)」

通り過ぎていったギターたち、 第2弾は、00-18(1938)です。 これは文句なし。 写真をみるだけでも、 とんでもないオーラが伝わりませんか?(笑) この00-18に関しては、 手放してから時間が経った今でも、 自分に完璧にあったギターだったと 思っています。 音色、 音のバランス、 レスポンス、 リバーブ感。 どれを取っても最高峰でした。 では、なぜ手放したのか。 それは単純にさらに上のヴィンテージを 見つけてしまったからのですが。 それは000-18なのですが、 それはまた後ほどご紹介しようかと。 で、その000-18を決めた際に、 決め手になったのはボディサイズでした。 この00-18も、 出会ってしまった000-18も、 本当に申し分のない素晴らしいギターであり、 そのサイズのギターとして 最高峰と言えるものなのですが、、、 両者を比較した際に、 トリプルオーサイズの方が ダイナミックレンジであったり、 音量、音の広がりなどで優っていました。 つまり、表現できる幅が広い。 個人的には小さいギターが 大好物ではあるのですが、 やはり、ギターに汎用性を求めていくと、 小さいギターではどうしても勝てません。 スモールギターは 味や個性で勝負しないと、比較したら どうしても負けちゃいますからね。 そういう意味でいうと、 味や個性で勝負するのであれば、 もっと個性的で小さいギターを 選ばないといけないのかなと。 ということもあって、 ダブルオーサイズとしての面白さや 味という意味では、 やはり、40年代後半から50年代のものが 値段もお手頃で、旨味があるかなと 思っています。 もちろん、プリウォーと比べれば、 いろいろ劣ってしまうところはあるのですが、 ダブルオーサイズならではのバランスの良さ などを十分に楽しめると思いますよ。 そう言う意味で言うと、これも以前ご紹介した 1953年のアディロントップの00-18は 程よい存在だったんですよねー。 手放して失敗したなと(笑) マホガニー図鑑「Martin 00-18(1953年製)」 いやー、これはいいギターでした。 ※ちなみにゴールデンエラ期というと、 ブレーシング位置がフォワードからリアに シフトしたことで知...

マホガニー図鑑「Martin D-18(1937年製)」

すみません、 お断りをいれておきたいのですが。 このブログで紹介してきたギター達ですが、 実は現在は手元にひとつも残っておりません。。。 もちろん、 自分なりの理由があって手放していますし、 手放さなければ良かったと 後悔しているものもあります。 今回は、 今まで紹介できていないものの中から、 特に印象に残っているものを 紹介していきたいなと。 というわけで、まずは、1937年のD-18です。 オーセンティックシリーズのモデルにもなった 年式のものですね。 世界中のマニアが血眼になって探し、 恋焦がれている、そんなギターです。 ただ、、、 試奏した時から気づいてはいましたが、、、 正直なところ、 ちょっとやそっとのフィンガーピッキングでは 引きこなせないという印象のギターでした。 これは最近流行りのプリウォーギターでも 同じ印象を受けていますが、 ある程度強めのピッキングを想定した設計に なっていると思うんですよね。 強い音へのレスポンスは素晴らしいですし、 どんなに強く弾いても、どこまでも 破綻することなく響いてくれるのですが。 正直、私のへなちょこピッキングで 弾きこなすことは厳しかった。 練習すれば、弾きこなせるようになると 思ったこともありましたが、 結局、歯が立たず、あきらめました。。。 しかも、このギターを購入するために、 かなりのギターを手放すことになって しまったんですよね。 残念。。。 そして、このギターで 一番印象に残っているのが、 アディロントップだからとか、 ブレーシングがフォワードシフトだからとか、 そういったレベルでは語りきれない何かを 感じたということでしょうか。 低音がどうのとか、鳴りがどうのといった、 そういうレベルでは語れない何かが。 とにかく、楽器としての完成度が 凄まじいものがあったんですよね。 このギターを持ってから、 個々のギターが持つ特性(個性)に 注目するようになり、 材料や仕様へのこだわりが 薄れていったように感じています。 色々な意味で私を成長させてくれた一本でした。 いや~、6万番台の シリアルナンバーがしびれますね。

え、ギブソンが倒産!?Gibson guitars could be facing bankruptcy

こんな話題でしか、Twitterのトレンド入りできないのか。。。 昨夜、突如として話題となったギブソン倒産のニュース。 日課のように、足しげくお茶の水界隈に通っている私としてはあまり違和感はありませんでした。 ぶっちゃけ、「新品のギター、売れてない」ですよね。 大手楽器店などを見ていても、これだけの不動産を借り、これだけの従業員を雇ってよく経営が成り立っているなと思いますし。 正規代理店でさえ、新品で売れなかったギターを中古で出しなおしてない?なんて、見方をしてしまったりもしますが。 一方で、中小規模のアコギ専門店でのヴィンテージギターの売れ行きや回転率を見ると物凄いものがありますよね。 新品でなくては嫌だという人がいる一方で、価値の下がらないヴィンテージや中古のギターをうまく売買して、楽しんでいる人は確実に増えている気がします。 もちろん、そう言った専門店ならではの深い知識や良質なサービスが、多くのリピーターを生み出しているわけですが。 ましてや中古の場合、適度に弾きこまれて鳴りが良くなっていますし、木材的にも新品よりも安定していてトラブルも少ないということで(購入にはリペアマンのいるお店をお勧めしますが)、中古の方が私的には魅力を感じたりもしています。 なんだか中古ギターのすすめみたいになってしまいましたが(笑)、要はそれを上回る魅力を新品のギター販売からは感じ取れないというのか、消費者視点での私の感じ方なんですよね。 だから、いつ潰れても何も不思議ではないと。 ただ、倒産というのはデマのようで、収益性の低い事業を手放すようですね。 それが売却なのか、廃止なのかはわかりませんが、売却の場合は、 PC 部門を中国にブランドごと売り払った IBM のようなパターンになるんですかね。 そうなると、ハイエンドモデルは品質を維持できるかもしれませんが、中低価格帯の製品の品質低下は避けられないでしょうね。 趣味嗜好が多様化した現代において、ギターの需要増も期待できない以上、ギブソンもマーティンもやはり大きくなりすぎたんでしょうね。 大手メーカーの経営難は、残念ではありますが、、、 品質にこだわり、決して大規模化を...

マホガニー図鑑「Martin D-18(1953年製)」④

ギター内部の画像です。 50年代ですので、ノンスキャロップブレーシングですね。 ノンスキャロップについてこのブログでは、まとまりのある音だとか、芯のある音だとかと言った表現を使ってきましたが、、、 スキャロップ、ノンスキャロップの音について最近感じているのは、音の指向性というか、広がり方に差が結構あるんだなと思ったりしています。 ドレッドノートのようにトップの面積が大きくなると、その特徴がよりわかりやすくなりますね。 ただ、ギターを選ぶ際に注意してもらいたいなということがあります。 それは、個体差の問題です。 ノンスキャロップの場合、基本的にブレーシングの削り方は同じです。 ですので、力木を貼り付ける位置だけで音が決まってしまうはずなのです。 となると、何らかの器具は使っているのでしょうが、この年代であれば間違いなく人が貼り付けているわけです。 さらには、異なる特性を持つ木材を使っているわけですからね。 絶対に、個体差の問題は避けられないわけです。 ましてや、マーティンの様なファクトリーものだと、ルシアもののように時間をかけて、一台、一台を調整することもできませんからね。 スキャロップの削り具合や、トップの板厚の調整で音を調整できればいいのでしょうが、この年代のマーティンがどこまできっちり作り込まれていたかは微妙なところではないかと。 でも、悲観する必要はありません。 ルシアものとは違い、マーティンの場合だと、同じスペックの個体数が数千、数万とありますからね。 当然、外れのギターもあるわけですが、当りのギターに関しても、ルシアーものとは比にならないくらいの本数が実在すると思うんですよね。 そう言った中から、自分に合った個体を探し出す、、、まさに、ヴィンテージギターの醍醐味と言えるのではないでしょうか。 また、個体差だけではなく、スペックの同じ50年代の前半と後半でも、音作りが違ってくるので、その差を楽しむのも良いかもしれませんね。 ヴィンテージって面白いですよ。

マホガニー図鑑「Martin D-18(1953年製)」③

今回はサイドバックの話ですが、ちょっと横道にそれて、、、 ヴィンテージギター大好きな私ではあるのですが、最近、それを迷わせる存在があります。 それは、最近話題の Pre-War Guitars です。 ベタ過ぎるネーミングと、やり過ぎ感漂うフィニッシュとダメージ加工が好みではないものの、、、 どうやら音は本物のようです。 ジーンズしかり、エレキギターしかり、どうして新品なのに傷をつけたりする必要があるのか。 傷がついたものが欲しいなら本物のヴィンテージ買えばいいのに。 と思ってしまう思考回路の私なのでなんとも言えないのですが。 ただ、このアコースティックギターへのダメージ加工には、どうやら意味がありそうなんですよね。 あくまでも個人的な意見ですが、、、 木材を高熱高圧縮するマーティンで言うところの VST のような処理ですが、 それによって、音が変わるのは事実ですが、それがヴィンテージサウンドかと言われるとちょっと違うと思うんですよね。 でも、この塗装に対するダメージ加工だけは、音にヴィンテージギターのような影響を与えるのではないかとこの Pre-War ギターは感じさせてくれるのです。 そう言う観点でこのヴィンテージギターを見てみると、物凄く音が抜けると感じる 50 年代のヴィンテージギターは塗装が剥げて汚いものが多い気がします。 逆にちょっと音が鈍いと感じる 60 から 70 年代のギターは、ちょっとこ綺麗で、塗装もぶ厚く塗られているような気がします。 また、汗などで白濁しやすかったり、夏場などはベタついたりするものが多い気がします。 あくまでも私の主観ではありますが。 今までは、弾き込む事で楽器が成長していくと言われていましたが、 その何割かは、塗装の変化だったのではないかとも考えられますよね。 この塗装の細かい傷や割れ目といったものが音のヌケを生み出しているのかもしれません。 と言うところで、この D-18 ですが、、、 あのPre-War ギターに負けないくらい、いい感じに禿げてますよね(笑) もちろん、いい音してますよ。