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ありそうでなかったアコギのメンテナンス本 |
アコギのメンテナンス方法って本当に十人十色、千差万別です。
その中でも「弦を緩めるか、緩めないか」は、よく議論になるテーマのひとつですよね。
ギターの設計や作りによって違いがあるはずなのに、ずーっと平行線の議論が続いています。
今回はそんな混迷極めるアコースティックギターのメンテナンスに、一定の指針となるであろう本をご紹介したいと思います。
それは「アコースティック・ギター・メインテナンス・ガイド プロの現場の調整術」です。
結論から言うと「良い本」だと思います。
ただ、目新しい情報を期待すると、ちょっと裏切られるかもしれません。
書かれていることは極めてオーソドックスで、常識的なことばかりですからね。
しかも、ネットにこれだけ情報が溢れている時代です。
探そうと思えば、同じ情報はいくらでも手に入れることができます。
でも、メンテナンスについて、これだけ体系だってまとまっているものってなかなかないんですよね。
しかも、日本語版は初めてではないでしょうか。
というわけで、ありそうでなかったメンテ本を紹介しておきたいなと。
この本ですが、3つのテーマに分かれています。
- 点検方法
- セッティング(弦交換含む)
- メンテナンス(保管と運搬)
点検方法については、かなり詳しく載っています。
どれくらい詳しいかというと、無精者の私では、絶対にやらないレベルの細かさです(笑)
しかも、いくら点検したところで、異常に気付いた時には「時既に遅し」ですからね。
だったら、点検よりも、日々のメンテナンスに力を入れた方がいいと、個人的には考えます。
ということもあって、どちらかというと、楽器を購入する時に使える知識かなと思いました。
ヴィンテージや中古を買う時はもちろんのこと。
個人的には、むしろ、新品のギターでも確認することをお勧めします。
個人的には、むしろ、新品のギターでも確認することをお勧めします。
新しいギターの方が木が、木が動きやすかったりしますからね。
続いて、セッティングです。
この章を読むにあたって、注意した方が良いと思うことがあります。
この章を読むにあたって、注意した方が良いと思うことがあります。
それは、この本を監修された小倉よしおさんは、プロの現場視点で書かれているということです。
どういう意味かというと、、、
この本は「現場で使う」ことを目的にしているということです。
そのため、手間暇かけて、楽器が持つ最高の音色を引き出すようなセッティングではない記載もいくつか見られるのです。
例えば、サドルの高さを上げるために、紙を敷くなんて、まさに現場のテクニックですよね。
音質的にはデメリットしかありません。
また、音作りに関する話ですので、職人的なテクニカルな部分、センス・感性といった部分も当然あるので、文章だけで表現するのも限界があります。
さらには、このセッティングで飯を食っている方なので、全てのノウハウを書くわけもなく。
この本に対して批判的なレビューなども見られたりもしますが、そう言った点を踏まえれば、印象も異なるのではないでしょうか。
肝心のメンテナンスについては、次回以降で!