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「Gibson L-00 1935年製」 |
そんな魅力的なギブソン・ヴィンテージではありますが、、、
購入される際には、気をつけて欲しいと思うことがあります。
それは、、、
「ギブソン・ヴィンテージは、コンディションやセットアップの悪いものが多い」ということです。
見た目の悪さは、どの状態までなら我慢できるかという程度の問題なのでわかりやすいのですが、音や演奏性だけは実際に弾いてみないとわかりません。
ということで、様々な「L-00」を試奏してきた感想を簡単にまとめてみたいと思います。
<音質面>
- 全体的に低音が詰り気味のものが多い
- プレーン弦がやけに鳴るもの、3・4弦が魅力的に鳴るものの2パターンに分かれる
- タッチに敏感なものとそうでないものの個体差が激しい
<演奏性>
- ネックが元起きしているものが多い
- ネックの形は本当にバラバラなので、お店の商品説明だけでは絶対に伝わらない
- 全フレットは均質ではなく、カポをつけると音が詰りだすフレットが必ずある
などなど。
また傾向として、適切なセットアップが施された個体では、3・4弦の音色がとても魅力的なものが多いように感じています。
そして、この3・4弦の響き方こそが、1・2弦の美しさが魅力のマーティンのマホガニーとは違った魅力だと考えています。
当時のギブソンのカタログの中では、最も安いギターだったこの「L-00」。
それが80年近い年月を経ることで、これだけの素晴らしいヴィンテージサウンドを奏でるようになったわけです。
でもこの音色は、当時のギブソンの職人たちが狙っていた音色とは違うのかもしれませんね。
それくらい、この枯れたマホガニーの音色は規格外と言える美しさだと思います。
コンディション次第ではありますが、良い状態の個体に巡り合えたのならば、衝動買いしてしまっても、決して損をすることのない魅力的なギターだと思います。
でも、絶対に試奏をしてから購入することをオススメします!