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Collingsのニューモデル「Hill Country Series」が出るそうな。

  少し前からJulian Lage(ジュリアン・ラージ)の演奏動画がYouTubeにアップされていましたが、正式に情報が公開されましたね。 その名は「Hill Country Series(ヒル・カントリー)シリーズ」。 過去にもヴァーニッシュ塗装や、トラディショナルシリーズ、ウォータールーなど、驚きの新製品を発表し続けているコリングスだけに、どうしても期待しちゃいますよね。 ボディサイズはドレッドノート、オーケストラモデル(OM)の2種類、材としてはインディアン・ローズウッドとホンジュラス・マホガニーが選べるようですね。トップ材はアディロンダック・スプルースのみのようです。 コリングスのホームページからの引用ですが、 Our “Hill Country” series offers a strong fundamental tone with a warm, woody character and full low end, all while retaining a quick response and plenty of power and cut. とあり、いつものコリングスとあまり変わり映えしない気もしますが笑、、、 ウッディで力強い基音、完全なローエンド、迅速なレスポンス、豊富なパワーを謳っています。 また、気になるスタンダードシリーズ、トラディショナルシリーズとの違いについても記載があったので引用しておきます。 スタンダードシリーズは、煌めく高音域、力強い中音域、タイトでクリアーな低音域が特徴。 トラディショナルシリーズは、より丸みを帯びた高音域と完全な低音域、スタンダードシリーズよりも少しルーズな音色。 ヒルカントリーシリーズは、温かい基音が特徴。 ヒルカントリーの音はこれだけでは全く分かりませんが笑、きっと、このネーミングからもブルーグラスやカントリーをターゲットにしているのでしょうね。 YouTubeを見ると、予想通りかなりブルーグラス、カントリーに寄せた音作りになっているように感じます。 今までよりもヴィンテージ・マーティンらしさを狙ってきているのか、もしくは、もはやそれには拘らず、独自のブルーグラス、カントリー向けの音作りにしてきているのかは実際に弾いて判断したいところです。 最近では本家マーティンでさえも、かなりモダンな音作りの傾向があり

そろそろギブソンでも語りますか。(その③:友人がスクリプトバナーのJ-45を手放した理由)

  友人が所有していたスクリプトバナー期のJ-45です。 誰かは言えませんが、プロのミュージシャンが所有していた個体だそうで、リペア箇所は多かったのですが、その分、セットアップは完璧で実に素晴らしいギターでした。 友人もかなり気に入っていたのですが、結局は手放す結果となってしまったんですよね。 その辺りが、私が語りたいと思っているテーマに合っていると思いましたので、題材として取り上げてみようかと思います。 ちなみに、スクリプトロゴに「ONLY A GIBSON IS GOOD ENOUGH(満足できるのはギブソンだけ)」と書かれていたことから、スクリプトバナー期とかバナーヘッドと呼ばれています。 時期としては諸説ありますが、1942年から1946年頃に製作されたモデルにあたります。 スキャロップ加工に、アジャスタブルではない一般的なサドル、また薄くて小ぶりなピックガードなど、アコースティックギターの音響としては合理的な仕様となっています。 なぜ、このようなアコギとしてごく普通の仕様を「合理的」などと書いているのかというと、これ以降、どう考えても音が悪くなるであろう仕様変更をギブソンが繰り返していく歴史があるからなんですよね。。。 ですので、ギブソンを手に入れるのであれば、このバナー期かスキャロップされていた1950年代前半までのスモールガード期と言われるJ-45またはJ-50がアコギとして合理的であり、望ましい仕様であると考えていました。 でも友人は、そんな理想的なはずのバナー期のギブソンを手放したんですよね。不思議でなりません。 そこで、友人に手放した理由を尋ねてみました。すると、、、 「もっと安いギブソンでも自分が求めるギブソンの音はだせると思ったから」 また、 「あのバナーの音は、弾き語りをする人には最高だけど、弾き語りに使うギターならもっと安くて良いものがあるだろう」 とも。 このような実際に所有し、じっくり時間をかけて弾き込んだ人の意見は、とても説得力がありますよね。 さらには実際に所有し、所有欲が満たされたからこそ見えてくる景色があるのかもしれません。 要はギターとしては素晴らしいが、用途によってはもっと合うものがあるのではないか、そして用途を限定するのであればもっと安価で実現できる、そういった結論だったわけです。 私が弾かせてもらった感想としても、やは

そろそろギブソンでも語りますか。(その②:私がGibson L-00を手放した理由)

  ギブソンを語るにあたって、その前にどうしても語っておきたいことがあるんですよね。 それは、以前所有していた1935年製のL-00をなぜ手放したのか、その理由です。 ぶっちゃけ、今持っていれば当時と比べて倍以上の価格になっているので、残しておけば良かったなというのが本音ではありますが、やはり手放したのにはそれなりの理由があります。 それは自分が思い描くギブソンサウンドとのギャップでした。 もちろんL-00からもギブソンらしさというものは感じられたのですが、あくまで私がイメージするギブソンサウンドとは異なったという意味です。 そもそもL-00はハンドクラフト感の強い時代のギブソンで、現代でも通用するハイエンドなアコースティックギターに求められる要素が、かなりの高次元で備わっているギターでした。 特にフィンガースタイルでのギターにて際立つメロディライン。アコースティックギターの魅力を凝縮したような力強い単音がとても魅力でした。 そしてマーティンで言うところのダブルオーとトリプルオーを組み合わせたかのようなボディサイズからくる絶妙なコード感とリバーブ感。 以前も「ギブソンの職人恐るべし」と評価した記憶がありますが、本当に素晴らしいギターだったと思います。 でも、実際に所有して弾き込んでいくうちに、楽器として優れていることと、自分がギブソンに求めるもの(音色)が別物だということに気付いたんですよね。 そして、この戦前のL-00を手に入れたことで気付かされた感覚がありました。それは、古いものほど良い、高いものほど良いという先入観です。 例えば、戦前という言葉だけでL-00やL-1などは絶対にいい音がしそうな気がしてしまいますし、J-45の場合はプレミアムな1940年代のスクリプトバナーの方が何となく優れている気がしちゃうんですよね。 でもギブソンに関しては必ずしもそうではなく、年代ごとに強い特徴があるのだということを実際に所有したことで気付かされたわけです。 今にして思えば私にとってのギブソンサウンドの探究は、このL-00を手放した時から始まっていたのかもしれません。

そろそろギブソンでも語りますか、10年間の研究結果!(その①)

  今はギブソンと言えば、あいみょんなのでしょうか。 このブログを始めてから 10 年が経過したこともあり、私もそれなりの経験値を積んできたわけですが、まだ自分なりの結論が出せていなかったギターブランドがあります。 それは『ギブソン』です。 とにかく、ギブソンは難しいのです。特にヴィンテージのギブソンは難しいです。 何が難しいのかというと、とにかく個体差が大きい、これに尽きます。 同じモデル、年式でも音色が異なり、ギターごとに様々な個性があるんですよね。もちろん、これがギブソンの醍醐味ではあるのですが。 それに加えて、作りが雑、セッティングが悪いこともギター選びをより複雑にします。 その一方で、作りやセッティングが悪いにも関わらず、なぜだか音の良いギターが多かったりもするので謎が深まるわけです。 そのため、セッティングを良くしたらもっと音が良くなるのではないかと期待してギターをいじると、途端に今までと同じ音が出なくなってしまうこともしばしば。 つまり、音が気に入って買ったのであれば、買った状態をなるべく維持しながら使い続けるしかない、それがギブソンなのです。 でも、アコースティックギターは季節や日々の温度湿度の変化ですらコンディションが変わる楽器ですからね。コンディションを維持することは本当に難しいのです。 そのため、このような扱いの難しいギターとどのように付き合っていけばいいのか、ずっと頭を悩ませてきたというわけです。 そして私が辿り着いた結論はこれです。 『ギブソンこそ感覚に頼らず、年式、仕様から理論的に音の傾向を読み取ろう』 です。 もちろん自分の好みに合ったスペシャルな一本との出会いを否定するものではありませんよ。 ただ、ギブソンとして出したい音のイメージが明確にあるならば、理論的に考えてその音を出しやすい仕様(年代、年式)のものから探した方が効率的ではないかと考えたわけです。 また、スペシャルな音色を求めるのではなく、仕様(理屈)通りの音色を求めるのであれば、音の変化はコンディションが変化したとしてもある程度想定の範囲内に収まりやすいのではないかと考えたわけです。 すなわち、今までの直感や出会いに頼っていたギブソン探しから、理屈に基づいたロジカルなギブソン探しを提案したい、ということになります。 本当にそんなことができるのかはわかりませんが笑、次回以降では

ソラマチで開催された「Guitar Canvas」にてMr.Jimmy(桜井)さんの演奏を観る。

  東京スカイツリーの近くにある Lattest Sports にて開催された「 Guitar Canvas 」に行ってきました。 このイベント、毎月第一金曜日に開催されているそうで、今回は第六回目とのことでした。 いつもはエレキギター中心のイベントだそうですが、今回はアコースティックギター特集とのことでしたので参加してきました。 この日はスペシャルゲストとして、もはやワールドクラスの存在となったジミー桜井さんが参加されるので、とても楽しみにしていたんですよね。 ジミー桜井さんを知らない人のために補足しますと、レッド・ツェッペリンのトリビュートバンドとしてワールドワイドで活躍されています。 その活動はツェッペリンのジミー・ペイジ氏本人からも認められていて、単なるコピーといったレベルのものではなく、再現とか継承といった、もっと高い次元での表現活動をされています。 日本ではトリビュートバンドというと格下なイメージを持たれがちですが、米国ではひとつのジャンルとして認知されているようで、全米ツアーなどもやられていたりします。 ご参考に夕刊フジの記事をアップしときますね。 そしてさらには日本未公開ですが、その活動のドキュメンタリーが映画化されていたりもするんですよね。 ジミー桜井が語る、映画『 Mr. Jimmy /  ミスター・ジミー』の制作秘話と活動のこだわり ジミー・ペイジが認めた日本人ギタリストのドキュメンタリー 当日、桜井さんが使用したのは、このブログでもお馴染みの Harmony H1260 Sovereign です。「天国への階段」で使用したことで有名なギターですね。 この日は「 Rain Song 」と「 Stairway to Heaven 」の二曲を演奏してくれました。 いやー演奏が素晴らしいのは当たり前なのですが、演奏している時の所作というか佇まいが完全にジミー・ペイジなんですよね。 私も長年、レッド・ツェッペリンを追いかけている人間のひとりなので本当に感動してしまいます。 また興味深かったのが、レインソングの変則チューニングの話や、天国への階段に近づけるためのピッキングポジションなど、桜井さんの研究の一部を聞かせてもらえたことですね。 私の愛読書である「 世界で一番ジミー・ペイジになろうとした男 」にも様々な研究成果は記載されていますが、本人の口から直