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コリングス、お前もか。

Collingsのプライスリスト(2015/2/15) 2015年2月15日付で、コリングスが値上げされました。 マホガニーのドレッドやOMが、税別で700,000円になるそうです。 さらに、トップをアディロンダックスプルースにすると185,000円アップ。 さらにさらに、ヴァーニッシュフィニッシュにすると370,000円アップ。 これに消費税が乗ると、、、 以前の試奏で、コリングスの素晴らしさと、塗装が音色に与える影響の大きさを学んだだけに、いつかはヴァーニッシュが欲しいと思っていたんですけどね。 過去記事 ↓↓↓ 「Collings」弾き逃げツアー敢行!塗装の重要性を学ぶ。 為替も円安に振れていますし、妥当な価格設定なのかもしれませんが、なかなか厳しいものがあります。 中古相場も、新品価格につられて上昇してしまうかもしれません。 こうなってくると俄然面白くなってくるのが、国内のハンドメイドギターですよね。 値上げの続くマーティンやコリングスといったファクトリーメイドのギターに比べて、割安感が出てきます。 決して安いものではありませんが、50万円前後から、一生もののハンドメイドギターを手に入れることができますからね。 好みの素材を選び、自分にあった仕様を決め、ハンドメイドで作り上げられるギター。 ルシアーさんとの会話や、音色のイメージあわせもなど楽しい時間だったりしますよね。 これもまた趣味としてのアコギの楽しみ方のひとつだと思います。 そういえば、今年のハンドメイドクラフト展が5月23日、24日に開催されるそうですね。 とても楽しみではありますが、昨年は衝動買いしてしまった前科があるだけに、ちょっと怖かったりもします(笑)

「低音弦のミュートで深みを出す」39歳からの本格アコースティックギター

今年からはじめた「 39歳からはじめる本格アコースティック・ギター 」。 私が最初に取り掛かったのは「 低音弦のミュートで深みを出す 」でした。 なぜここから始めたのかというと、、、 ミュートは、ラグタイムやギャロッピングスタイルでのフィンガーピッキングにおいて「 音作りやグルーヴ感をだすための必須テクニック 」だからです。 今まで右手の位置は、柔らかくて甘い音を出したければネック寄り、硬くてエッジの効いた音を出したければブリッジ寄りと、出したい音色に合わせて自由に動かしていました。 でも、ミュートをする場合には、 右手側面をブリッジ・サドル上に固定する必要があります 。 すると、弦を弾く位置や右手のフォームが変わってくるんですよね。 ですので、まずはじっくりと、フォーム固めからはじめたいと思ったわけです。 ここでのポイントは、二つです。 まず、 ミュート加減です 。 打田先生のスタイルでは、 音程がわかるくらいのミュート加減 を理想としています。 そのため、弦と手の側面をどれくらい接触させるか、音を出しながら調整していきます。 あまりミュートしすぎると音程がわかりにくくなるので、 サドルの上部をを触れるか触れないかくらい で合わせていきます。 意識しなくても、音色をコントロールしたり、ミュートをしたり戻したりできるようになるまで練習が必要ですね。 次のポイントは、 爪・指と弦の交わる角度 です。 アコギを良い音で鳴らすには、爪・指と弦の角度が 直角に近い方が良い とされています。 でもミュートをすると、右手の側面が固定されてしまうので、 手首を曲げて角度を調整する必要があります 。 悪い角度でピッキングすると、爪への負荷も高くなり、割れやすくなってしまうかもしれません。 あわせて爪の形も、斜めに削ったり、角度を付けるなど工夫が必要ですね。 というわけで、 じっくりフォームを固めをしていきたいと思います 。

エボニーロッドの「OM-18 Authentic」に惹かれる。

「Martin OM-18 Authentic 1933」 エボニーロッドの素朴で明るいキャラクターがあまり好みではない私。 でも、最近、気になっているエボニーロッドがあるのです。 それは「 OM-18 Authentic 1933 」です。 オーセンティックというと、 Tバーロッドの復刻 というイメージがありますね。 でも、このギターには エボニーロッド が使われているのです。 というのも、、、 オリジナルのOM が作られていたのは 1930~33 年ですからね。 まだ、 エボニーロッドが使用されていた時期 なのです。 新品のエボニーロッドはどのような音なのか、興味深いですよね。 というわけで、実際に試奏してきました。 軽やかで、ウッディ―な質感が素晴らしい! そこに、いかにもマーティン!といった 美しい倍音 が乗ってきます。 ロッドが軽い分、サステインは弱くなってしまいますが、 明るいサウンドキャラクター と OMならではのエッジの強さが、とても魅力的です 。 とりあえず、こちらのYouTubeを見て下さい。 ↓↓↓ 「 OM-18 Authentic 1933 」 いやー、新品でこの音には参りました。 今まで、 D-18 Authentic 1937 D-18 Authentic 1939 000-18 Authentic 1937 といったマホガニーのオーセンティックを試奏したことがありますが、 ビンテージ感という意味ではこの「OM-18」が別格ですね 。 きっと、軽量のエボニーロッドの特性が、ギター全体の振動効率をあげて、良い鳴りを引き出しているのだと思います。 これから年月を経ることで、この若いエボニーロッドがどのように成長していくのか、楽しみですね!

ヴィンテージのアディロン・マホを考える その②

アディロントップの「Sakata Guitars 00-28B」 1950~60年代のトップ材は、基本的には シトカスプルース です。 そのため、アディロントップのギターは「 稀に存在 」するレアな存在なのです。 ただ、J-Guitarを丹念にチェックしていると、たま~にですが見かけることがあります。 当然のことながら、人気があるので、良い個体はすぐにHOLDされてしまうのですが。 その際、ちょっと気になっていたことがあります。 それは「 やけに、スモールサイズが多いな 」ということです。 そういえば。。。 昨年の夏に、坂田さんの工房にお邪魔した時のことを思い出しました。 過去記事 ↓↓↓ 坂田ギター(Sakata Guitars) 私がトップ材を選んでいた時のことです。 「 ドレッドノート用になると、良い材は限られてくるんだよね 」 と坂田さんが仰られていたんです。 どういう意味かというと、、、 良い材でも、板のサイズや木目の関係で、 ドレッドノートを作るだけの面積をとれないことがある 。 でも、OMやダブルオーといった小さいサイズであれば、 少ない面積で済むので、良い材の選択肢が増える可能性がある 。 ということです。 もしかすると、当時のマーティン社でも、ドレッドノートサイズで使える材は枯渇してしまったが、 スモールサイズであれば、使えるアディロンが残っていた のではないかと。 この仮説が正しければ、スモールサイズ好きの私にはチャンスが広がります。 そして、1950~60年代以降であれば、値段も落ち着いてきますし、アディロントップであっても、通常のシトカスプルースに少しプレミアが付いた程度ですみます。 というわけで決めました。 1950~60年代のアディロン・マホを手に入れようと!

ヴィンテージのアディロン・マホを考える その①

アディロントップの「Martin D-18GE」 私は、マーティンのゴールデンエラシリーズで、アディロンダックスプルースとマホガニーの魅力を知ってしまいました。 そうなってくると ヴィンテージのアディロン・マホが欲しい! と考えてしまうのが、人間の性というものですよね(笑) ということで、 ヴィ ンテージのアディロン・マホ探し を今年のもうひとつのテーマにしたいと思います。 早速、調査開始です! 伝統的にマーティンでは、トップ材にアディロンダックスプルースを採用していたんですね。 でも、乱伐によってアディロンは枯渇してしまったので、1946年からシトカスプルースを使うようになりました。 つまり、、、 「 ヴィ ンテージのアディロン・マホ=1946年以前のもの 」 ということになります。 その中でも、仕様違いがいくつかあるので、整理してみましょう。 ①「~1934年」   エボニーロッド、スキャロップブレーシング、12Fジョイント、ナット幅46~47ミリ ②「1934~1938年」   Tバーロッド、スキャロップブレーシング、14Fジョイント、ナット幅44.5ミリ ③「1938~1941年」   Tバーロッド、スキャロップブレーシング、14Fジョイント、ナット幅42~43ミリ ④「1941~1944年」   エボニーロッド、スキャロップブレーシング、14Fジョイント、ナット幅42~43ミリ ⑤「1944~1945年」   エボニーロッド、ノンスキャロップブレーシング、14Fジョイント、ナット幅42~43ミリ ⑥「1945~1946年」   Tバーロッド、ノンスキャロップブレーシング、14Fジョイント、ナット幅42~43ミリ などなど。 これ以外にも、ブレーシング位置や、トップ・プレート・ブレイスの有無、ペグやフレットなどの変更もありますね(1945年のTバーは、過渡期ということもあり、諸説あるようです)。 この中で、私がポイントだと考えているのが「 ロッドの材質の違い 」です。 従来、マーティンでは、 木製のエボニーロッド を採用していました。 それが、スチール弦の流行により、ギターに堅牢性が求められるようになって、1934年に採用されたのが 鉄製のTバー...

アコースティックギターの乾燥対策「加湿器」について学ぶ。

マツコの知らない「加湿器」の世界を見る。 ここ最近「 加湿器 」ってブームみたいですね。 なんと、今シーズンだけでも 約200種類 の新製品が作られているそうです。 インフルエンザの予防や、肌の乾燥対策として使われています。 でも、私たちが気になるのは、、、 乾燥によるアコギのトップの割れや、ネックの反り、フレットバリ ですよね。 湿度の目安としては、、、 インフルエンザにかかりにくいのは湿度50%以上 、 ギターに良いとされる湿度も50%程度 とされています。 つまり、加湿器を正しく使えば、ギターにも、健康にも良いわけですね。 これを使わない手はありません! 大きく分けると、超音波式、気化式、ハイブリッド式、スチーム式の4タイプがあるそうです。 傾向としては、加湿力が強いほど、電気代もかかるようですね。 無精者の私には、お手入れ頻度も重要だったりします。 番組で紹介された加湿器はこちら ↓↓↓ 「 マツコの知らない世界 」 でも、ギターは急激な湿度の変化を嫌いますからね。 ゆっくり加湿ができ、常時稼働していても電気料金の安い、超音波式か気化式が家庭でのアコギの湿度管理に向いているなと思いました。 そして、勉強になったのは、設置場所とお手入れの必要性です。 エアコンの風が直接当たる場所は、あまりよろしくないようで。 というのも、加湿器が誤検知して過剰に加湿しようとしてしまうのだそうです。 おすすめはエアコンの真下だそうです。 誤検知を避け、部屋全体に湿度を循環させることができるとのことです。 また、お手入れをしなくては、カビや菌を室内にまき散らすことになってしまうそうですね。 冬場の乾燥は、夏場の高温多湿よりもギターに致命的なダメージを与えるので、注意しないといけません。 ちなみに、洗濯したバスタオルなどを室内干しするだけでも、気化式の加湿器と同じ効果が期待できます。 何も対策をされていない方は、ここからはじめてみてはいかがでしょうか。

今年の目標「39歳からの本格アコースティック・ギター」

あけましておめでとうございます。 突然ですが、実は私、今年で「 39歳 」になるんです。 そして、偶然ですが、昨年、こんな本が発売されたんですよね。 「 39歳からの本格アコースティック・ギター 」 私が心の師と仰いでいる 打田十紀夫 さんの著です。 私が39歳になる直前に、このようなタイトルの本が発売されるとは。。。 騙されたと思って…というと打田さんに失礼かもしれませんが、 リアルに39歳なる私が 、この本を真面目に取り組んで、 どこまで弾けるようになるのか、試してみたい と思いました。 ただ、さすがにこの年になると、学生の頃のような集中力はありませんし、まとまった練習時間を確保することも難しかったりします。 それでも、社会に出ていろいろな経験を積んだ今だからこそ、学生の頃よりも、もっと効率的に学べることもあるんじゃないかと思うのです。 調べてみると「39歳」にあまり深い理由はなさそうなのですが(笑)、これも何かの縁ではないかというところで、 今年はこの一冊をじっくり取り組んでみたい なと考えています。 本年もよろしくお願い致します。

ギタリストの爪の乾燥対策 その④(ニベアの結果報告)

2014年大晦日の右手爪。 ニベアを使い始めてから3ヵ月が経ちました。 爪が生え変わるのには、3ヵ月程度かかるといわれていますからね。 そろそろ真の効果がわかる頃かなと。 で、効果ですが。。。 「 11月までは完璧 」でした。 ササクレはできなくなったし、ワレもヒビもないし、二枚爪は治るし。 「 これは間違いなくニベア効果だ! 」と確信していました。 でも、12月になり、本格的に乾燥してくると状況は変わってきました。 (忘年会シーズンによる不摂生の影響かもしれませんが) ササクレができ、中指に少しだけヒビが入ってしまったんですよね。 考えてみると、以前爪が割れて困っていたのは「1~3月」だったなと。 つまり、 これからの3ヵ月をどう乗り切るのか。 これが、 自爪派ギタリストの課題 だと再認識しました。 ただ、ニベアの研究成果としてお伝えしたいこともあります。 それは、使い方のポイントです。 お風呂あがりや、手洗いの後など、爪の油分が取れてしまった時に、「 ニベアで油分を補給 」してあげるのが良いですね。 また、「 ニベアを塗った状態で爪を削る 」と、スムーズに削ることができ、爪へのダメージを減らすことができます。 興味のある方は、是非、お試しください。 ブログをはじめてからちょうど一年。 ソロ・ギターをはじめてからもちょうど一年。 アコギのおかげで、本当に楽しい一年を過ごすことができました。 当ブログにお付き合い頂き、ありがとうございました。 また来年もよろしくお願い致します。

鷲見さんの工房訪問 その③

壁一面に保管されたギターの型、型、型。 まず驚いたのは「 ギターの型の多さ 」でした。 きっと、たくさんのお客さんからの要望に応えているうちに、 これほどまでの種類の型が揃ったのでしょうね。 これは、顧客からの 鷲見ギターへの信頼の高さ を物語っているなと感じました。 そして、鷲見さんの尽きることのないギターへの探究心が そうさせているのだろうなとも思いました。 また「 素材の豊富さ 」にも驚かされましたね。 工房の近くで保管されているのですが、木に書かれた購入日のメモを見る限り、 丁寧にじっくりと自然乾燥させている ようでした。 なるほど、だから 鷲見ギターは新品でも音が良い んですね。 また、十分に乾燥させることで、木材も変形しにくくなるので、 トラブルが少なく、丈夫で長持ちするギター ができるのだなと。 まだまだ乾燥に時間がかかるようですが、 コア、アフリカンブラックウッド、マダガスカルローズ、ホンジュラスマホガニーなど、 書ききれないくらいの素晴らしい材を保有されていました。 特に、アフリカンブラックウッドには自信ありとのことでした。 というよりも、自慢のアフリカンブラックウッドを使って、 もっとたくさんギターを作ってみたいというご様子でした(笑) 何本か試奏させて頂いたギターもどれも素晴らしくて、 とても良い経験をさせて頂きました。 特に、奥様のために作られたという インディアンローズウッドのシングルオーは驚きの音色でした。 10年であそこまでのビンテージ感を出せるなんで、本当に凄いなと。 鷲見さん、いろいろとありがとうございました。またお邪魔させて下さい!

鷲見さんの工房訪問 その②

調整前の「S-00MC(2014年製」 知らなかったのですが、、、 木材と同様、 牛骨で作られているナットやサドルも、変化する んだそうです。 この「S-00MC」もサドルが抜きにくくなるくらい膨張していました。 そのため、弦高調整で高さを削るだけではなく、 少しだけ細身になるように調整していましたね。 こうすることで、ジャストすぎるものよりも 弦の振動をナチュラルにボディに伝えることができる とのことです。 サドルの高さを調整中 そしてナット側も丁寧に調整していきます。 ナットの角度は音質に影響を与えますが、 鷲見ギターの全てを知り尽くしている鷲見さんだけに、 長年の経験と勘に基づいて、最適な角度に削り出していきます。 自分の作ったギターのどこをどう変えると、 どういう音になるのか、イメージがあるんですね。 逆に、自分が作っていないギターはどうしたらいいか 全くわからないと言われていましたが(笑) サドルの細さも調整中 これだけの調整で、かなりの変化があったので驚きました。 まず、サドルを削り、トラスロッドを調整したので、 弦高が下がり、フィンガー向けのギターに生まれかわりました 。 しかし、サドルを削って弦高を下げると、弦のテンションが弱くなるので、 ボディの鳴りまで弱くなってしまうのではないかと心配していたのですが、 それは大きな間違いでした。 ナットの角度、トラスロッドでの調整 ナット側の角度を調整することで弦のテンションを保ち、 サドルを細身にすることで震度の伝達をスムーズにして、 なんと「 ボディの箱鳴りを増幅 」させてしまったのです。 これにより、プレーン弦の固さも取れて音は柔らかくなり、 バランスが向上しました。まさにリクエスト通りの調整です! ギターは、木工技術だけではなく、 そのギターの個性・特性を知り尽くしていないと、 適切なリペアはできないのだなと、改めて感心させられました。