56年前期を再現したメイプル指板、アッシュボディ、2トーンカラーのサンバーストのモデルですね。
私もうっかりしていて、購入した時には全く意識していなかったのですが、実はこの仕様はあの「Brownie(ブラウニー)」をイメージしたものだったんですよね。
ブラウニーと言えば、エリック・クラプトンがデレク・アンド・ザ・ドミノス期に使用していたサンバーストのストラトですね。アルバム「愛しのレイラ」でも使用されたことでも有名です。
アッシュボディということもあってか硬質な音色が特徴で、「美しすぎる高音域」が最大の魅力ですかね。また、低音域もブーミーにならず締まりのある音色で、まさに私の好みでした。
正直なところ、この音色がアッシュと言う材による影響なのか、56年前期の音色の特徴に似せているからなのかはわからないのですが。その両方かな。
ちなみに友人が購入したアルダーボディの57年仕様と比較すると、大まかな音色の傾向は近いのですが、57年仕様はアルダーボディらしい落ち着いた中域寄りの音色が特徴といったところでしょうか。
汎用性が高く、ヴィンテージらしさと現代的な使い勝手の良さが絶妙にバランシングされた素晴らしいギターだと思いました。
一方、56年仕様はギターそのものの個性が強いので、エフェクターで音を変えるよりもアンプ直か軽いオーバードライブなどでギターの音色を活かすような使い方が向いているかなと感じています。そのため、現代的な楽曲で使う場合には難しい場面もあるかもしれません。
また、このギターを買う際にその他のカスタムショップもひと通り試奏させてもらいましたが、総じてこの50年代仕様のモデルに言えることは極めてアコースティックな質感であると言うことです。
当然のことながらエレキギターの音ではありますが、とにかく空気感や音の抜け感が優れていて、弾いている時のニュアンスやレスポンスがまるでアコースティックギターを弾いているような感覚に近いんですよね。
また、倍音が多く、ダイナミックレンジも広いので、単体で弾くととても心地良い音色なんですよね。その反面、バンドの中では埋もれてしまう可能性もありますが。
一方、60年代の仕様は極めてエレキ的なフィーリングなんですよね。エフェクターの乗りもとても良く、エレキギターの美味しい帯域に特化しているのでバンドの中でも埋もれることなくしっかり主張ができると思います。
この辺りは好みと使い方で選ぶ感じですかね。
また私の選んだストラトの最大の魅力であり、また使いにくさの原因にもなりうる「美しすぎる高音」ですが、実は手元のボリュームとトーンでコントロールすることでかなり表現の幅を広げることができたんですよね。
そして、楽器屋さんからも「あるものはなくせるけど、ないものは出せない」と的確なアドバイスをもらえたんですよね。高音域を抑えたければボリュームとトーンで音を作るだけでよいと。
なるほどなと思いましたね。エレキの場合は出せる音色の幅が広いので、好きな音と出せる幅の両面で考えないといけないから、楽器選びがなかなか難しいものがありますね。
とにかく、今回の記事で強く伝えたかったのはエレキなのにアコースティックな世界をを感じてしまったと言うことなのですが、なかなか伝わりませんよね。いつか、この感覚を言語化してブログで皆さんに伝えたいなと思っています。