英国の戦艦、HMS Dreadnoughtから名付けられたボディスタイル。
それがアコースティックギターのスタンダードと言って過言ではない『ドレッドノート』です。
日本でもこの戦艦の名前から「超弩級」などの言葉が作られるほど(弩がドレッドノートからきているそうです)、当時は強い影響を与えていたようで、Wikipediaなどを読んでみても、かなり革新的な戦艦だったことがわかります。
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そしてこのドレッドノートの誕生は、この戦艦の名前に負けないほど、アコースティックギターの歴史における革新的な出来事となったのでした。
そもそものはじまりは、1916年。
フランク・ヘンリー・マーティンがボストンの楽器販売会社ディットソンにOEMとして製作を依頼したことに遡ります。
単純に他の楽器にも負けない大きな音量が求められたのかもしれませんが、、、
当時の演奏スタイルの変化から、より歌伴に合うギターが求められるようになったことが、このボディシェイプを生み出した大きな要因ではないでしょうか。
より大きな音量を出すための広いトップの面積、幅が広く深さもあるボディサイズ。
そして豊かなダイナミックレンジと倍音を引き出すためのくびれの少ないボディシェイプ。
それまでのクラシックギターからの流れを汲むシェイプからみると、あきらかに新しい設計が試みられていますよね。
この ディットソン社は1920年代後半に廃業してしまうのですが、このデザインに可能性を見出したマーティン社によって、開発が続けられていきます。
そして1931年には12フレットジョイントのD-1、D-2という名称で製作され、さらには1934年になり、現在と同じ14フレットジョイントに変更されたD-18、D-28が誕生したというわけです。
このドレッドノートが、開発されてから80年以上たった今でも、アコースティックギターのスタンダードとして使われ続けているとは、誰が予想できたことでしょうか。
それだけアコースティックギターとして、究極のデザインというわけですよね。
というわけで、次回はマホガニー図鑑「Martin D-18」です!