50年代のドレッドノートを一言で例えると「暴れん坊」という表現が相応しいかなと考えています。
ピッキングした時のエッジ感、Style 28らしい圧倒的な音圧と硬質さ、などなど。
まさにロックなテイストですね。
もちろん、セッティングの良いものであれば、各弦のバランスが取れている個体もありますが、、、
それぞれの弦が主張しまくるこの音色こそが、個人的には50年代らしいなと感じます。
ちなみにこの個体は、バランス型のD-28で、本当にD-28が好きな人からすると、低音の出方や、直線的に音が飛び出していくような感覚が控えめで、ちょっと物足りないかもしれません。
でも、この辺りがマホガニー好きが選ぶローズのポイントなのかもしれないと思ったりもします。
このD-28は1958年製ですので、トップ材はシトカスプルースです。
アディロンの音色が好きな私ではありますが、50年代のD-28にとっては、むしろバランスという意味ではシトカスプルースの方が好みだったりします。
50年代らしい荒々しいバランスをシトカスプルースが適度に抑え、うまくコントロールしてくれているような気がするんです。
と言うのも、トップ材にレアなアディロンダックスプルースが使われている50年代ものも弾いたことがあるのですが、、、
それが凄まじい暴れん坊だったんですよね(笑)
もちろん、それはそれでとても魅力的なんですけどね。
とは言っても、
同じくアディロントップが使われているプリウォーのD-28を弾くと、圧倒的な音色のバランスに驚かされてしまうわけですが。
プリウォーとは一体何なのですかね。
でも、50年代にはプリウォーにはない面白さは確実にあるわけで。
というわけで、なんとなく50年代のD-28の特徴と魅力を感じてもらえたでしょうか?