マホガニー好きが語るローズウッドということで、、、
私の大好物であるマーティンのStyle 18と双璧をなす、ローズウッドのStyle 28を取り上げてみたいと思います。
今回は、1958年製の「Martin D-28」を使って深堀りしていきたいと思います。
アコースティックギターの基本中の基本、定番中の定番である「D-18」と「D-28」ですが、、、
最大の違いは、サイドバックに使われている素材がマホガニーであるか、ローズウッドであるかです。
サイドバックの素材が違うだけで出てくる音が全く変わってしまうという、アコースティックギターの奥深さを知る上で最適な題材ですよね。
と言うわけで、具体的な違いですが、、、
端的にいうと、音の立ち上がり、サステイン、各弦の音の分離が異なります。
立ち上がりの違いは感覚的なものかもしれませんが、、、
重量のあるローズウッドは一度深く沈み込んでから音を跳ね返すイメージ。
軽いローズウッドでは即座に素早いレスポンスをしてくれるイメージ。
実際に音を跳ね返す時間に差があるのか、それぞれの倍音の帯域の違いによってそう感じられるのかはわかりません。
でも、これが弾き手にとって感じられる最大の違いではないかと私は考えています。
特に音に敏感なプレイヤーは、ここを意識して使い分けているような気がします。
物理的な違いとしては、サステインがわかりやすいですね。
これには材の固さや重さ、密度などが影響していて、ローズウッドよりもマホガニーの方が音の減衰が早いです。
マホガニーは、ローズウッドよりもロスがあり、結果として、低音や倍音が抑えられているイメージ。
この特性により、ローズウッドは華やかと感じる人が多く、マホガニーは素朴と感じる人が多いのでしょう。
マホガニーに関しては、倍音が少ないことで素朴な印象を与えてはいるのですが、、、
むしろその倍音の少なさによって、マホガニーならではの美しい高音域を奏でることができるんですよね。
音のロスの違いによって、当然のことながら音の分離感も差がでてきます。
ローズウッドであれば、ロスが少ないので弦の音がそのまま拡散されるイメージです。
マホガニーの場合は、どうしてもロスがあるので、分離感も同様に抑えられてしまいますが、、、
その一方で、音のまとまり感という特徴がでてきますね。
ただ、、、
実際のところ、設計や作り方次第で、ローズウッドにも負けないくらいのサステインや音の分離感も得ることができるんですが。
というわけで、マホガニー好き人間からの視点で比較してみましたが、「D-18」と「D-28」の違いを感じていただけましたでしょうか?
まだ続きます。