またまたデジマートさんで面白い企画があったので、ご紹介したいと思います。
内容は、斎藤誠さんによる4種類のマーティン弦の徹底比較です。
① SP Acoustic Bronze(MSP-3200)
② SP Acoustic Phosphor Bronze(MSP-4200)
③ SP Lifespan Bronze(MSP-6200)
④ SP Lifespan Phosphor Bronze(MSP-7200)
①と②はいわゆるSP弦と言われているものですね。
③と④はトリートメント弦と言われているものです。
他のメーカーの弦の外側を特殊な樹脂でコーティングしたり、あらかじめコーティングした巻線を芯線に巻き付けたりしたものとは違い、SP Lifespanは完成した弦に特殊な樹脂を含侵させているそうですが、、、
残念ながら私の知識レベルでは、それによって何がどう違うのかは理解できません(笑)
企画的にはとても興味深く、参考になるとは思うのですが、、、
私個人としては、そもそも「弦に対して、あまりこだわりがない」んですよね。
もちろん「これはダメだ!」と感じる弦はあります。
でも、これじゃなきゃいけないみたいな感覚がないんですよね。
こいつわかってないなーみたいに思われる方も多いとは思いますが、私的には不思議なことでもなんでもないんですよね。
というのも理由は簡単で、、、
まったく同じタイミングで同じギターを使って比較もできないし、同じ環境(温度・湿度等)ですら比較できないのに、そこまでこだわってもなぁと思うからです。
しかも、弦って必ず劣化するものなので、弦を張り替えてからどれくらいのタイミングの鳴りで比較するのかによっても、基準が変わってくるはずです。
張りたての音で比較するのか、少し落ち着いてきたころの音で比較するのか、それとも死にかけた頃の音色で比較するのか。
そもそも、人によって好みも全然違いますからね。
しかも、弦を変えて音が変われば、無意識のうちにタッチを変えてしまうものです。
つまり、比較すべき軸がたくさんありすぎて、あまり追求することに意味を見いだせないなぁというのが私の考えです。
もちろん、プロのミュージシャンであれば、レコーディングやライブでベストな音色を出すための弦の選び方、交換のタイミングの取り方はあるのかもしれませんが。
また、音の劣化の少ないこと、自分が許容できる音色の期間が長いことなども、評価基準になるかもしれませんね。
で、読んでみた感想ですが、、、
- 弦交換による音の変化に敏感で、かつ、皆が聴きなれているアコギの定番D-28を選んだことで、多くの人にとって参考にしやすいデータが得られたこと
- 個体差はともかく、同じスタンダードシリーズのD-28を4本揃え、同じタイミング、環境で比較しているので、データとしてとても有意義なものであること
- 下手にいろいろなメーカーの弦を比較しないことで、ブロンズとフォスファー、そしてトリートメント弦(コーティング弦)の音色の違いをうまく表現できていること
- 3、4弦のニュアンスや、プレーン弦の鳴り方で弦の特徴を語ることで、ギタリスト的にはとても納得感のあるレビューが書かれていること
- SPくらいの品質になると、ブロンズとフォスファーの差が少ないということ
- トリートメント弦(コーティング弦)も進化してきているということ
などなど、勉強になることだらけでした。
また、ブロンズとフォスファーの違いを知るには、マーティンのトラディショナル弦(安いやつですね)で比べると傾向の違いがつかみやすいということは、なるほどなと思いました。
それと知らなかったのは、
- Acousticのトラディショナルなフォスファー・ブロンズ弦にしなやかさを加えてベンド奏法をしやすくしたEric Clapton Signature
ただのサイン入りパッケージなだけの弦かと思っていました。すみません(笑)
でも、しなやかさを加えるって何なんですかね(笑)
とても良い企画だと思いますので、動画もあわせてチェックしてみてください!
斎藤誠がマーティン弦を徹底検証! SP Acoustic & SP Lifespan