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Traditional "T" Series |
またまた、ビル・コリングスが動きました。
「トラディショナルシリーズ」という新しいモデルが販売されるようで、ニカワ接着、ラッカー塗装、Torrefied仕様(これは、オプション)を売りにしています。
まず、ニカワ接着から。
やはり、ニカワによる音の変化というのが、コリングスも認めざるを得なかったということなんでしょうね。
あの世界を代表するルシアーであるジム・メリルもそうであったように。
マーティンのように、ネックとボディをニカワだけで接着するのではなく、ボルト+ニカワという組み合わせで固定しているそうです。
これがどれくらい音に影響を与えるのか、非常に興味がありますね。
続いて、塗装です。
コリングスの塗装に関しては、以前にもヴァーニッシュについて記載したことがありますが、、、
↓↓↓
「Collings」弾き逃げツアー敢行!塗装の重要性を学ぶ。
コリングスの歴史的には、創業当時はラッカー塗装、その後、UV塗装を採用し、そしてオプションでヴァーニッシュ塗装を取り入れていました。
UV塗装でも音は変わらないと言っていたものの、ヴァーニッシュ塗装で凄い音を出してしまったり、かと思えば今回のラッカー再開などと、、、
ストレートに言うと、ビル・コリングス、ぶれてますね(笑)
良いものを作りたいという気持ちは、ひしひしと伝わってきますが。
ただ、塗装に関しては、音色だけではなく、作る手間や価格など、製作者や経営者の立場からすると、いろいろ悩ましいところなのでしょう。
これでは、ヴァーニッシュほど手間がかからず、良い音を出したい、、、つまり、UV塗装の音質面でのデメリットを認めているように受け取れてしまいますよね。
そして最後は「Torrefied」です。
あまり見慣れない単語ですが、辞書で調べてみると、乾燥、あぶり、焙焼といった意味合いだそうで、マーティンでいうところのVTS(ヴィンテージトーンシステム)にあたります。
私もマーティンのVTSを何本か試奏したことがありますが、確かにヴィンテージの枯れたニュアンスが再現できているように感じられました。
ただ、リアル・ヴィンテージは、そういった枯れた音色のものから、艶のある美しい音色のものなど様々なので「これがヴィンテージ・サウンドだ!」と言われると、またちょっと違うんだけどなとも感じています。
また、自然乾燥ではなく、機械的に急激に乾燥させているわけですから、強度的な不安も若干、残るかもしれませんね。
まぁ、それがわかるのは10年以上先のことでしょうが。
いずれにせよ、ビル・コリングスの作るギターは素晴らしいので、楽しみですね。
発売は9月~10月頃とのことです。