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ネック材としてのマホガニーを考える。

ネックはプレイヤーにとって最も重要な演奏性に関わる部分です。そのため、最高のフィーリングを作り出すために、細かな調整ができるよう、製作者にとって加工しやすい素材である必要がありました。それに加えネック材には、軽さ、弾力性、剛性といった特性が求められるため、それらの特性を備えるマホガニーは、最良のネック材として扱われてきたのです。 それが2005年頃のことでした。Martin社のネックの表記が「Genuine Mahogany」から「Select Hardwood」に変更されてしまったのです。エントリークラスのモデルだけならばまだしも、Style 40系やAuthentic Seriesといった上位モデルでさえも変更されてしまったので、正直、驚かされました。もしかすると、それ以前にもマホガニー以外の素材が使われていた可能性もありますが。 ちょうどよい年代のアコギがありますので、比較してみましょう。画像左が「D-18GE(2004年製)」、右が表記が変更された後に販売された「000-18GE(2006年製)」です。木目から判断して、両方ともマホガニーネックですね。ただ、トリプルオーは、塗装が厚く、写真だとわかりにくいかもしれませんが、実物ではうっすらとマホガニー特有の黒い導管が確認できます。そのため「Select Hardwood」だからと言って、マホガニーが使われなくなったというわけではないのです。 これは人から聞いた話ですが、Martinでは「Select Hardwood」として、マホガニーや、その代替材として期待されているサペリ、クラシックギターなどでも使われているスパニッシュシダー(セドロ)を使用しているそうです。私がマホガニー以外で見たことがあるのは、スパニッシュシダーのネックで、明るめの色合いと木目から、それとなく判断できるものでした。一応、試奏はしてみましたが、音色の違いまでは感じられませんでした。 というのも、音だけの観点であれば、ネック材よりも、トップやサイドバックの個体差の方が影響は大きいですし、ネックに限定した場合でも、多くのルシアーが重要なのはネックの種類よりも密度だと言っていますからね。ですので「音」よりも「モノ」としてどこまでマホガニーにこだわるのかということになりますね。

アコギストの爪の形を考える。

実は最近、爪が割れていないんです。 それは、爪で弾くことになれてきたのか、爪の補修液の効果なのか、仕上げ用のガラスヤスリの効果なのかはわかりませんが。ただ、もしかすると、今の爪の形が良いのではないかと考えています。画像は私の最近の爪の形ですが、爪の先をフラットに仕上げているのがわかりますかね。 爪については、日々研究を重ねてはいるのですが、女性向けのネイルサイトで爪の形とその特徴を学習したので、私なりにまとめてみたいと思います。 ①ラウンド : サイドがストレートで、先端がやや平らな形 ②オーバル : ラウンドの角をさらに削って丸みをつけた形。細い分、若干強度は落ちる ③ポイント : オーバルの角をさらに削って尖らせた形。尖っている分、強度は弱い ④スクエア : 角がある四角い形。強度は高いが、角が尖っているため、日常生活でひっかかりやすい ⑤スクエアオフ : スクエアの角に少し丸みをつけた形。強度も高く、日常生活での影響も少ない。 爪を伸ばしはじめた頃、爪と弦の接点は小さい方が良いと考え、②オーバルや③ポイントのような形をイメージしていたんですよね。ギターのピックってティアドロップ型だったりするじゃないですか。なので、先が細い方が弾きやすいのかと。でも、それだとすぐに割れてしまって。 そこで最近は、①ラウンドや⑤スクエアオフの形を目指していたのです。すると確かにアコギを弾いているときもそうですが、日常生活でも割れにくくなったんです。弾きやすいかと言われるとまだちょっと違和感はあるのですが、しばらくはこの形で練習してみようと思っています。 これなら自爪だけでもいけるかもしれません!

ハンドクラフトギターフェス 2014に行ってきました(前編)。

現代の名工によるハンドクラフトギター&ウクレレの展示会。 今年で10周年を迎えたそうですね。 MartinやGibsonであれば、日本全国の楽器屋さんで試奏できますが、国産のルシアーものとなると、なかなか触れる機会がないですよね。 というわけで、思いっきり試奏してきましたよ(笑) 今回は、SUMI工房、エム・シオザキ弦楽器工房、Sakata Guitars、スギタケンジ、Collings、Furch(フォルヒ)の計18本を試奏してきました。 これだけの国産ハンドメイドギターをまとめて試せる機会はなかなかありませんからね。 本当に勉強になりました。 その中でも「SUMI工房」の作りの良さには驚かされました。 若いマホガニーであれだけの音がだせるとは。 また会場内では展示会の他にも、ライブが同時開催されていました。 私は打田十紀夫先生や、クラシックギターの掛布雅弥氏、そして松井祐貴氏の演奏を見てきました。 打田先生のライブでは、いつものシグネイチャーモデル「Morris SC-16U」、スライド用のリゾネーターに加え、ハンドクラフトフェスということもあり、ホンジュラスマホガニーのYokoyama Guitars、メイプルのシオザキギターの4本構えでした。 画像は塩崎ギターですが、ビンテージマーティンのような甘いトーンが心地良かったですね。 ライブに試奏にと一日遊べてたったの1,300円。 私的にはとても満足できたイベントでした。 ※続編はこちら「 ハンドクラフトギターフェズ 2014に行ってきました(後編)。 」

近年モノのアディロンを考える(ゴールデンエラのススメ)。

アディロントップの「D-18GE(2004年」、「OOO-18GE(2006年)」 最近、トップ材に希少材と言われる 「アディロンダック・スプルース」 を使用したアコギを頻繁に見かけるようになりました。 このアディロンですが、、、 その軽くて強い特性から、かつては飛行機の部材として使われていたそうです。 そのため、第二次大戦での戦況の拡大に伴い、乱伐され枯渇してしまったんですね。 その後、長い間、希少材とされてきましたが、植林による効果でしょうか。 アコギ材として一般に流通できるまで、環境が回復したようですね。 そのため、マーティンのアディロントップを手に入れるには、 「1946年以前のビンテージ」 を入手するしか方法がありませんでした。 それだけに、新品でもアディロンを入手できるようになったことは、ありがたい話ですよね。 若いアディロンには、ビンテージほどの味わい深さはないかもしれませんが、それでも十分にアディロンの魅力を堪能できると思います。 そんなアディロンの魅力を知る上で、オススメしたいのが、 この「 ゴールデン・エラ・シリーズ 」です。 マホガニーに限定した話をすると、、、 1999年のドレッドノートの「D-18GE」にはじまり、2003~2005年にはオーケストラモデルの「OM-18GE」、2006~2013年にはオーディトリアムの「OOO-18GE」が発売されています。 1995年にも「D-18 Golden Era」といったモデルが発売されましたが、これはGuitars Of The Monthとして製作されたもので、トップにシトカスプルースが使用された別モノです。 このゴールデン・エラ・シリーズですが、面白いもので、仕様上は黄金期の再現を目指しているのですが、 音作りは極めて現代的 なんですよね。 「 タイトで力強い低音に、アディロン・マホならではの主張のある中高音 」が特徴です。 また、アディロントップに加え、 フォワードシフテッドスキャロップドXブレイシング ですので、レスポンスが良く、軽く爪弾いただけでもめちゃくちゃ鳴ります。 ですので、フィンガースタイルには最適ですね。 ストロークでは、むしろ、鳴りすぎるくらいかもし...

マホガニーに合うトップ材を考える。

アディロンダックスプルースの木目 アコギの音はトップ材で決まると言われます。 それだけに、、、 マホガニーの魅力を最大限に引き出すことのできる トップ材を選びたい ですね。 毎度のことですが、マーティンのStyle 18を例にして考えてみたいと思います。 Style 18は、サイドバックにマホガニー、トップにスプルースの組み合わせです。 トップ材には、1945年までがアディロンダックスプルース、それ以降はシトカスプルースが使われています。 音の傾向としては、、、 シトカはスッキリとした端正な音色 、 アディロンは太くて艶のある音色 が特徴になります。 ここで代表的なトップ材の比重をチェックしてみましょう。 アディロン(0.32~0.35) イングルマン(0.32~0.35) レッドシーダー(0.36~0.40) シトカ(0.41~0.45) ジャーマン(0.41~0.45) シトカに比べ、アディロンは軽いんですね。 この軽さが「 レスポンスや鳴りの良さ 」に繋がっているのでしょう。 つまり、、、 マホガニーの特徴のひとつであるレスポンスの良さを伸ばす組み合わせが「 アディロン・マホ 」なわけですね。 また、マホガニーの柔らかさの中に、アディロンの腰の強さや艶のある音色を加えることで、絶妙なサウンドが作られるわけです。 ちなみに、見方を変えると、、、 重い素材を鳴らすには、強い力が必要ですので、ハカランダやローズウッドのような音響特性の優れた素材の方が向いているわけですね。 そういえば、ジャーマンスプルースとマホガニーの組み合わせって見かけないですよね。 などと、アディロン好きな私ではありますが、シトカスプルースとの組み合わせも十分に魅力的だと考えています。 特に 「ビンテージの枯れたシトカの音色」 は堪らないものがあります。 ただ、シトカのビンテージも、決して安くはないですし、コンディションの良いものになかなか巡り合えないですからね。 とりあえず、音の良いマホガニーに触れてみたいのであれば、近年モノのアディロンをオススメしたいと思います。

チェコ製の仕上げ用ヤスリを購入しました

とあるクラシックギター奏者を参考にして、 私もきめの細かい ガラスヤスリ を購入してみました。 これはチェコ製のものらしいのですが、 実際に使ってみたところ、驚きの効果がありました。 軽く削っただけでも、「 爪の表面が滑らか 」に、 「 きめ細やかになったことがわかる程 」です。 スチール弦では微妙かもしれませんが、 ガット弦では、確かに音が変わるかもしれません。 また、表面がざらついた状態でスチール弦を弾くと、 爪がもろくなり、割れやすくなっていたように感じていましたが、 ギターを弾く前にこのガラスヤスリで整えてやれば、 爪の割れを回避できそうな気がします 。 こればかりは、しばらく使ってみないとわかりませんけどね。 日々のお手入れの大切さを痛感させられている今日この頃でした。

マーティン・ヴィンテージギター・ガイド

昨年、、、 Style 40系モデルを特集したムック本が発売されましたが、その続編がでましたね。 今回は、アコギのスタンダードとも言える「 Style 20系 」です。 個人的には、40系よりも種類が多く掲載されていましたし、頑張れば購入できそうな価格帯のものもあるので、今回の方が楽しめました。 特に、0-28、1-28、2-20といった、「 小さいモデルの特集 」がとても良かったです。小さいモデルのまとまった記事は少ないので、貴重ですよね。 このような小さなアコギは、「 パーラーギター 」などと呼ばれるのですが、ヨーロピアンテイスト溢れるレトロなデザインは、芸術の域に達していますね。本当に美しいです。 私も1800年代のものを何本か試奏したことがありますが、小さなボディから飛び出す「 可憐な響き 」が堪らないんですよね。 その中でも気になったのが、、、 誌面で紹介されていた1850年代の「2-27」だけで録音したという小倉博和さんの「Spring Comes」というアルバムです。 この「2-27」は、マーティンⅠ世によって作成された とのことですが、160年も昔に作られたMartinは、どんな音で鳴り、そして録音されているのでしょうか。 記事はコチラ ↓↓↓ 「 1852年製の「Martin 2-27」の音色を味わう 」 続編は、マホガニーのStyle 18になることを期待しています!