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【Martin 000-28EC③】過去30本の所有ギターを振り返る。クラプトンモデルを手放した理由を深掘りする

  今回は私がクラプトン・モデルを手放した理由について深掘りしたいと思います。 理由①どうしても弾きにくかった 前回の記事とは矛盾しますが、当時の私にはどうしてもこのVシェイプが合わなかったんですよね。 今になってみれば技術面の問題が大きかったと思えるのですが、やはり弾いていて楽しいと思えるかどうかは弾きやすさが肝心ですからね。 また後で知ることになるのですが、この弾きにくさというのがネックシェイプだけではなく、このギターに不具合が発生していたことにも原因があったんですよね。。。 ②コードストロークでの和音のまとまりが悪かった 当時はソロギターなんて小難しい演奏はしていなかったこともあり、歌伴に合うギターを買っておけばよかったなとずっと後悔してたんですよね。 音が分離しすぎず、自然にコードがまとまってくれるイメージです。 ちょうどその頃、友人の付き合いで都内の楽器店をギブソンを試奏して回っていたこともあり、ギブソン買っておけば良かったなと。 この流れがマホガニーのギター探しにつながるわけです。 ③そもそも、シグネチャーモデルが嫌だった 実はこれが最大の理由かもしれません笑 私はかなりコアなクラプトン愛好家ではあるのですが、指板に書かれた「Eric Clapton」のサインが嫌だったんですよね。 これがあるから良いと言われる方もいらっしゃるとは思いますが、コアなファンを自称する私としては、なんだかミーハーな感じがしてちょっと嫌だったんですよね。 などなど、いろいろクラプトン・モデルに対して悩みを抱えていたわけですが、意外なきっかけで事態は進展します。 そのきっかけは黒澤楽器さんでの「無料楽器診断」でした。 友人に誘われて、コンディションを確認してもらうだけのつもりで、自分のギターを持っていったんですよね。 ついでに弦高とか調整してもらえたら良いな、くらいの軽いノリでした。 ところが診断してもらったところ、軽度ではあったのですが、ネックの元起きが発生していたことが判明! ネックの元起きとは、ネックのジョイント部分がボディ側に起き上がってしまう症状で、マーティンギターではよくある事象です。 元起きになると、高音部の音が詰まったり、ピッチ(音程)が狂ったり、弦高が高くなったりします。 それにより、サドルを下げても弦高を低くすることができなくなり、弦を押さえるのに力が...

マホガニーの達人「ジョン・レンボーンとGibson J-50」

  「マホガニーの達人」第二弾はジョン・レンボーン(John Renbourn)です。 ペンタングルのギタリストであり、古楽、ケルト、ブルースなど幅広い音楽性を持ち、ギタリストとして唯一無二な存在感を誇る英国を代表するギタリストですね。 ジョン・レンボーンの使用ギターというと、Gibson J-50、Guild D-55、Franklin OMあたりが思い浮かびますが、やはり私はJ-50の頃に思い入れがありますね。 アルバムでいうと「Another Monday(1966年)」「鎧面の騎士(1968年)」「The Lady And The Unicorn(1970年)」や、ペンタングル時代全般とバート・ヤンシュとの共演「Bert And John(1966年)」あたりでしょうか。 「The Hermit(1976年)」の頃まではJ-50を使用していたと本人の発言も残されていますし、おそらくこれかな?と思う音色もありますが、既に音楽的にマホガニーサウンドの必要性を感じさせるアルバムではなくなっていると感じます。 この頃になると、変則チューニングを多用するようになっていますので、どうしてもロングスケール(全長の長い)のギターを求めるようになった背景もあるのかもしれませんね。 J-50はギブソンスケールなどとも言われる626mmのショートスケールのため、ダウンチューニングなどでは音程が合いにくくなりますし、弦のテンションも下がり、響きが弱まることを気にしたのではないかと。 ちなみに、彼が使用していたGuild D-55、Franklin OMの音色の共通点としては、どこか哀愁を感じさせる音色といったところでしょうか。 J-50というと、明るくて抜けの良いマホガニーサウンドの代表格という印象がありますが、名手ジョン・レンボーンが奏でると、マホガニーらしい抜けの良さはありつつも、どこか暗くて哀愁のある音色も引き出すことができるんですよね。 この明るさと暗さといった相反するニュアンスを同居させることができるという点が、他のギタリストとは一線を画している部分なのかなと。とにかく表情が豊かなんですよね。そして、このようにマホガニーのギターから様々な表情(魅力)を引き出せる奏者こそ、私がマホガニーの達人と考える所以なのです。 この音色を出したいと思った時には「鎧面の騎士」収録...

マホガニーの達人「ジェームス・テイラーとGibson J-50」

 新企画「マホガニーの達人」です。 私がこのブログでお薦めしているサイドバックにマホガニーが使われたギター。でも、一般的には、サイドバックにローズウッドが使われたギターと比べると、万能な楽器とは言えないかもしれませんね。 ただ、言いかえると、万能ではありませんが、とても「味」のある楽器だと思うんですよね。その「味」を抜群の演奏力や、考え抜かれたアレンジの中で音楽的な魅力に昇華することができる音楽家がいるのです。この企画では、そういった人たちを「マホガニーの達人」として、紹介していきたいなと考えています。 私が真っ先に取り上げたいのがJames Taylor(ジェームス・テイラー)です。 ワーナー時代の初期三部作「Sweet Baby James(1970)」「Mud Slide Slim And The Blue Horizon(1971)」「One Man Dog(1972)」では、サイドバックにマホガニーが使われたGibson J-50を使っていることで有名ですね。 これらの作品は、1970年代のシンガー・ソング・ライターのブームを代表する名盤であるとともに、演奏・アレンジ共に現代にも通じるアコースティックギターの教科書といっても過言ではないほどの素晴らしい作品だと考えています。 また、ここでポイントとなるのが、これらの作品で聴くことのできるジェームス・テイラーの奏でる音色は、大多数の人が思い描くであろう、理想的なJ-50の音色であるということです。 ということもあって、ジェームス・テイラーの音色に憧れて、楽器屋でJ-50を試奏してみた、といった方も多いのではないでしょうか、でも、どれだけの本数を試奏してみても「あれ、違うぞ」と感じられた方は多いのではないでしょうか。 これは「アコギあるある」の定番ですよね。 私なりに検討を重ねた結果、要は「弾き方」なのだろうと言う結論に達しました。もちろん、個体差ありまくりのギブソン・ヴィンテージですからね。ジェームス・テイラーがどんなJ-50を弾いてもあの音が出せるのかというと、そんなこともないと思うのですが、少なくとも「あのタッチ」を再現できなければ、あの音は出せないわけです。 彼の音色や演奏の特徴と言うと、、、 ①ソフトでウォームな彼の声質とマッチした、柔らかで広がりのある音色 ②倍音が少なく、まとまりの良いコー...