少し間が空いてしまいましたが、1960〜1962年のギブソンサウンドについてまとめたいと思います。 おさらいしておくと、ポイントは三つ。 ネックが1950年代までの太い形状とは異なり、細身に作られている 細身ではあるが、1965年以降のエレキギターのようなナローネックほどではない(私流で例えるならば、最もマーティンに違い形状) このネックの影響か、50年代的な音色を持ちつつも適度に低音が抑制され、ギブソンならではの中音域のまとまりの良さと、マホガニーならではの澄んだ高音域が楽しむことができる で、今回、サンプルとしてあげさせてもらったのが上記の1961年のJ-45のYouTube。 ブルージーさんの試奏動画から、お馴染み遠山哲郎さんの演奏ですね。 まず動画で音色を聞いていただきたいのですが、ギブソン感がありつつも、やけにクリーンな音色だと思いませんか? 特に5:48頃からのカポをつけて指弾きをはじめるあたりがいいですね。 試奏後の7:24頃には「弾きやすいし、音の繊細さが出ているし、変にゴツゴツしていない、スッキリしている、全部の仕様の良いところが出ている」などと感想を述べられてますね。 ピックでガンガン弾きたい人には、もう少しガツガツしたアタック感やカリッと感が欲しいかもしれませんが、指弾きやアルペジオなどではかなり使いやすい音色だと思うんですよね。 そして音色もそうなんですが、実際に弾いてみるとさらに違いがあることに気が付きます。 それは「指弾きでも鳴らしやすいギター」だということです。 1950年代のものはピックで弾くと信じられないくらいいい音がする個体でも、指弾きでは鳴らしにくいものが多かったりもしますが、、、 この1960〜62年モノは弱いタッチでも反応が良いものが多く、弱音から強音までのスイートスポットが広く感じられます(逆に強音の上限は狭いかも) また、私はフィンガースタイルのマーティン愛好家というポジションなので、使いやすいギブソン(=マーティンっぽく弾けるギター)という意味ではL-00が最適解だとは思いますが、、、 実際にマーティンを所有している立場から言うと、この年代のJ-45、J-50というのが、音色的にマーティンと重なる部分が少なく、差別化が図りやすいギブソンと考えるに至っています。 マーティンと同じで、どうしても1950年代より...
エ、エフ? これは弦を緩めずに張ったまま放置していたギターを久しぶりに弾いた時の6弦開放の音程です。 私は基本的に「弦を緩める派」ですが、実は所有するYamahaの赤ラベルFG180だけは緩めずに張りっぱなしにしているんです。 これは単純に面倒だからという理由と、いつでもすぐに弾けることを目的として、弦を緩めない用のギターとして赤ラベルを所有しているためです。 たしか、この前チューニングしたのが4月だったと思うので、2ヶ月くらい放置したら6弦の音がEからFに上がったわけです。 これが何を意味するかというと、夏を迎え、湿度が上がってくることでネックが逆反りしてきたということなんですよね。 逆反りは弦を張っている側を上とした場合、ヘッド部分が裏側に反っていく動きになります。 ※島村楽器さんのサイトが丁寧でわかりやすかったので こちら を参照してみてください。 逆反りの場合、押弦した時のビビりや音詰まりを問題にされる方が多いですが、この弦の張力の変動こそが一番気にすべきポイントだと考えています。 弦を張ると約60kgの力がギターにかかると言われますが、逆反りすることでさらに張力が増すわけです。 これは明らかにギターに悪い影響を与えますよね。 というのも、アコースティックギターの場合、構造上、トップ板に接着剤でブリッジが付けられているだけなので、接着剤が弱ければブリッジが剥がれ、強ければトップ板を変形させる可能性があるわけです。 ネックの動きを気にされる方が多いですが、ネックは季節や湿度で動くものなので気にしても仕方がなく、むしろ、ギター本体へのダメージを気にした方がいいのではないかと私は考えています。 また、ネックの反りは直せても、トップ板の歪みは直せません。これが弦を緩めるべき大きな理由と考えています。 逆に、夏から冬にかけての変化、すなわち乾燥してネックが順反りしていく場合には、弦の張力は弱くなるので問題は出にくいとも考えられますね。 だから、弦を緩めなくてもいい、もしくは影響が小さい季節という考え方もある意味正しいとも考えられます。 とはいえ、何もしなくても60kgの力でギターを引っ張り続けているわけですからね。緩める方が安全だと考えますが、皆さんはどのようにお考えでしょうか。 ◾️関連記事 「弦を緩めるか、緩めないか」アコースティックギターのメンテナン...